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日立ハイテクサイエンス

熱分析・粘弾性装置の分析事例をご紹介しております。是非ご覧下さい。

アプリケーション別

DSC

DSC
TA No.91
  • 小麦粉、米でん粉のDSC測定 -水分量と粒度がおよぼす糊化への影響-
    小麦粉や米をはじめとしたでん粉食品は、水を加えて加熱すると膨潤して粘度が増し、糊状に変化します。これを“糊化”と呼びます。でん粉の構造は、主として多糖であるアミロースとアミロペクチンの2成分からなる規則性をもったミセル構造を有しています。糊化が開始すると、緩んだミセル構造に水分子が入り込み、不規則な構造に変化します。糊化の特性は、でん粉の濃度や吸水性、膨張性、アミロースとアミロペクチンの含量比や鎖状分布など、さまざまな要因で変化することがわかっています。DSC装置は糊化に伴う小さな吸熱・発熱反応を精密に測定でき、食品の食感調整や製粉技術の改良などに利用されています。ここでは、小麦粉を用いた糊化の水分量依存と、米を用いた糊化の粒度依存を調べた例を紹介します。
TA No.90
  • 紫外線硬化型接着剤の硬化反応熱測定
    短時間で硬化する紫外線硬化型接着剤は、電気・電子、オプトエレクトロニクス、医療、ガラス工芸、建築などの広範囲な分野において使用されています。紫外線を照射したときの硬化反応熱は、示差走査熱量計(DSC)と紫外線照射装置を用いることで、リアルタイムに計測することが可能ですので、照射強度、照射時間の関係を調査し、硬化に必要な条件を検討することができます。今回測定に用いた試料は、市販の紫外線硬化型接着剤で高粘度の透明褐色液体です。プラスチックの接着に良好で、LCDパネルやプリント基板、フレキシブル配線などで固定やシール等に使用されます。また、金属やガラス部品の接着、シーリング、コーティングにも適している接着剤です。一液型の構造用接着剤で、紫外線により硬化するほか、加熱によっても硬化します。ここでは、DSCと紫外線照射装置により、硬化反応に必要な照射強度、加熱温度を検討した結果を紹介します。
TA No.89
  • 熱可逆変色性インキのDSC測定
    近年、消しゴムで消すことが可能なボールペンや、摩擦熱によって書いた文字を消すことが可能なボールペンが市販されています。特に摩擦熱で文字を消すボールペンは、摩擦熱によってインキを透明化することにより、消し残りがほとんどない、消しカスが出ないといった特徴があります。また、冷凍庫に入れると再び文字が現れるという特徴もあります。今回は加熱・冷却によって色彩が変化する熱可逆変色性インキのDSC測定例を紹介し、色彩の変化と熱特性の関係について解説します。
TA No.86
  • ポリプロピレンのDSC測定 -熱処理による高分子結晶性への影響-
    結晶性高分子であるポリプロピレン(PP)は、安価で、成形性が良く、耐水性、耐薬品性、強度に優れることから、食品包装材をはじめ、電気製品や医療材料、自動車部品、合成紙などに広く用いられている汎用樹脂です。PPの成形加工においては、熱処理温度や冷却処理条件によって結晶形が変化し、強度や耐熱性、圧着性に差異が生じます。食品向けの用途では、パッケージ後に加熱殺菌処理が行われることもあります。このため、目的に合わせた結晶状態の制御や、熱処理による結晶性への影響を把握することは重要となっています。今回は、PP成形品の結晶性について、示差走査熱量計(DSC)で評価した例を紹介します。
TA No.85
  • チョコレート,バターなどの固体脂量の推定-DSC測定により食品用油脂のおいしさを科学する-
    食品は、安全性や品質について様々な角度から分析が行われています。食品の主要な構成成分である油脂は、融解温度が低く、結晶形が多数存在します。そのため、一度融解させた油脂はどのような結晶形に変化するのか、室温においてどの位の固体状の油脂が存在しているのか等によって、硬さや滑らかさといった特性が決まります。このような油脂食品では、製造過程や保存環境を考慮して、目的の結晶形や固体脂量に制御することが重要です。これらを評価するために、示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimeter) を用いて油脂の融解温度測定が行われています。ここでは油脂を主成分とした食品として、チョコレート、バター及びマーガリンの測定例を紹介します。
TA No.83
  • 鉛フリーはんだのDSC測定-微量Niによる融解温度依存評価-
    近年、EUのRoHS指令に続き中国版RoHSも施行になり、有害物質規制が世界的に拡大しています。その中で鉛フリー実装が実用化され、従来のスズ-鉛系はんだから鉛フリーはんだへの切り替えが進み、スズを母材とした種々の共晶合金が研究されています。鉛フリーはんだの利用においては、融解温度が高いことにより実装部品の耐熱性が問題となります。また、融解温度よりも充分に高い温度でのはんだ付け作業でなければ、接合不良の原因となります。このため、作業性、機械的特性、コストなど、様々な特性を考慮し組成が決定されていますが、組成による融解温度の差異を調べることは、作業条件を検討する上で重要となっています。今回は、Ni組成比の差異が及ぼす鉛フリーはんだの融解温度依存を、示差走査熱量計(DSC)で評価した例を紹介します。
TA No.81
  • ポリ乳酸の熱分析 -結晶性と耐熱性-
    近年、廃棄物処理問題や環境保全の観点から、再生可能な資源から生産され、生分により循環可能となる生分解性プラスチックが注目されています。中でも植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)は、包装材や、繊維、医療用と広く用いられていますが、用途に応じて必要とされる強度、耐衝撃性、透明性などが異なり、生分解性にも影響することから、その結晶性は重要であるとされています1)。さらに、構成モノマーである乳酸は不斉炭素を持つことから光学異性体が存在し、それら重合体の異性体比は分子量とともに、結晶性および耐熱性に影響するため、成型加工条件検討の要素となっています。今回は、異性体比および分子量の異なるPLA樹脂の結晶性と耐熱性について、DSCおよびTGを用いて測定した結果を紹介します。
TA No.80
  • キャンディの熱分析 -キャラメルとチューイングキャンディ-
    熱分析は食品の分野においても、原材料の結晶性や融解温度の分析のほか、熱安定性の評価など、広く活用されています。また、加工食品では複数の食品素材による混合物となるため、原材料単体の物性がそのまま反映されるとは限らず、それら成分比を変えることによって、特性が異なる場合があります。今回は、キャンディに分類されるキャラメルとチューイングキャンディについて、示差走査熱量測定(DSC)、および動的粘弾性測定(DMA)により、特性評価を行った結果を紹介します。
TA No.79
  • 医薬品のDSC測定 -結晶多形と結晶性-
    示差走査熱量測定(DSC)は、日本薬局方の一般試験法として加えられており、医薬品の熱物性評価に広く活用されています。医薬品を構成する有機化合物は、結晶多形を持つものや、精製、粉砕といった加工処理により結晶性が異なる可能性のあることが知られています。これら結晶多形や結晶性は、薬効や製剤の安定性に影響するため、医薬品開発においてその差異を明らかにしておくことが重要です。また、結晶多形および結晶性は温度変化の影響を受けるため、これら熱物性を把握する上でDSCは不可欠とされています。今回は、抗てんかん剤であるカルバマゼピンと、利胆薬であるウルソデオキシコール酸を測定し、結晶多形および結晶性の差異を確認した結果を紹介します。
TA No.74
  • 鉛フリーはんだの熱分析
    現在、スズ鉛合金系はんだからの切り替えが進む鉛フリーはんだは、スズを母材とする多数の合金系の中から、様々な特性のバランスを考慮して採択されています。評価項目として、融解温度、酸化性、機械的特性、コストなど様々な要素がありますが、実際の作業条件を設定する上では、熱特性の調査は重要となっています。ここでは、鉛フリーはんだを各種熱分析手法で測定した例を紹介します。
TA No.71
  • ハイウェイTAの紹介 -昇温速度変換シミュレーションソフトウェア-
    熱分析においてTG/DTAやDSCは、物質の脱水・分解や融解・反応熱を測定する手法として広く利用されています。しかし、TG/DTAやDSC測定における昇温速度は、一般に10℃/minがよく用いられ、測定温度範囲に依存しますが、測定時間が長いという問題点があります。 また、近接した温度域に2つの反応が存在する場合、通常の測定では2つの反応が重なってしまうため、解析が困難になる場合がありました。このような場合には、昇温速度を小さくし2つの反応を分離する測定を、再度行う必要がありました。 このような熱分析の問題点を解決する手法として、ハイウェイシミュレーション熱分析(ハイウェイTA)が開発されました。ハイウェイTAは測定のタイムスケールを変換する新しい概念の熱分析です。ここではハイウェイTAの原理と測定例について紹介します。
TA No.68
  • ポリスチレンのDSC測定 -ガラス転移におよぼす分子量の影響-
    PS(ポリスチレン)は、代表的な汎用樹脂の一つとしてさまざまな分野で広く利用されています。PSの物性を大きく左右する構造因子の一つとして、分子量があげられます。一般に分子量を大きくすることにより、剛性、強度の高い材料が得られるものの、その反面加工性が低下するため、目的や用途に応じて適度な分子量が選ばれます。工業材料として広く使用されている市販のPSの分子量としては、重量平均分子量(Mw)として15万~40万位が一般的です。 一方、高分子のガラス転移は、鎖セグメントの平進運動が開始することに対応しており、ガラス転移温度(Tg)は基本的には分子量に依存しないことになります。しかしながら重合度が低い分子量域では、鎖末端の影響によりTgは低下することが知られています。今回は、DSCにより分子量の異なる単分散PSのTgを測定した結果を紹介します。ここでは、比較的低い分子量領域を中心に、重量平均分子量(Mw)として1940から95000までの8種類の単分散PSについて測定した結果を報告します。
TA No.65
  • ポリ塩化ビニルの熱分析 -ガラス転移におよぼす可塑剤の影響-
    PVC(ポリ塩化ビニル)は、代表的な汎用樹脂の一つとして、パイプや電線被覆材などの産業資材から、各種のフィルムやシートなどの一般消費材にいたるまで、幅広い分野で利用されています。PVCが他のポリマーと異なる特徴の一つに、可塑剤の添加によって広い範囲で最終製品の硬さや柔軟性を調整できることが挙げられます。 DSCやTMAでは、PVCを可塑化した際のガラス転移の変化を評価することができます。今回は、可塑剤としてDOP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)を用い、DOPの濃度の違いによるPVCのガラス転移温度の変化を、DSCおよびTMAにより測定した例を紹介します。
TA No.64
  • 温度変調DSC法の紹介
    現在DSC(示差走査熱量測定)は、熱分析法の中でもポリマーをはじめ薬品、金属等あらゆる材料の物性評価に最も多く利用されている手法です。通常DSC測定では、一定速度の昇降温過程において、試料と基準物質への熱流の差を検知しており、融解・結晶化等の温度及び熱量を求めることが可能です。一方、ACカロリメトリー法は試料を継続周期的に加熱し、その時の試料の振動温度を測定することにより、試料の比熱容量を測定する手法で、長年にわたって研究が行われています。このACカロリメトリーで行っている交流の温度制御技法と、DSCの一定速度の温度制御技法とを組み合わせると、温度変調DSCの温度制御となります。すなわち、試料の温度は一定の昇温速度で加熱されながら、交流の温度変化(サイン波状の昇降温)を繰り返すこととなります。これにより従来のDSC測定から得られる情報の他、ACカロリメトリーと同様に、比熱容量に対応した比熱成分データを得ることが可能となります。ここでDSCの従来法で得られるデータを総熱流データと呼ぶこととすると、総熱流データから比熱成分データを差し引くことにより、比熱に関与しない成分のデータを得ることが可能となります。この成分データをカイネティック成分と呼ぶことにします。この様に温度変調DSCにより測定されたデータは、各成分に分離されるため、データ解析上で有効となる場合が多くあります。これからこの温度変調DSC(TM-DSC)についてその原理、特長、応用例を紹介します。
TA No.62
  • 熱可逆性高分子ゲルの昇温過程における発熱ピークとゲルの構造
    ゲルを形成する多糖類は少量の添加物で食品の口あたりや舌ざわりなどを改善するtexture modifierとして、粘弾性や熱特性を調節するように用いられている。近年、高分子ゲルは基礎研究から技術開発に至るまで活発な研究がなされている。高分子ゲルの応用は理・工・農・薬・医の多岐にわたっており、新素材としての応用に期待がかけられている。 ポリビニルアルコール(PVA)、アガロースおよびカッパカラギーナンのように、分子中に多くの水酸基を含有する熱可逆性ゲルはDSCの昇温過程において、ゲルの融解時に急激な発熱ピークが出現する。この現象はゲルの融解過程時に分子鎖間の凝集による分子の再配列が主たるものと考えられている。これらの現象は試料ゲルの採取方法に著しく影響される。
TA No.61
  • DSCによる分離膜の分離性能評価
    膜分離法は蒸留や機械的濾過では分離できない混合物の分離や、また常温で利用できるために熱的に不安定な物質の分離などその応用範囲は広い。分離方法によって精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、透析膜、気体分離膜、透過気化膜、電気透析膜に分類される。また、膜に分離される物質を通過させるような孔が存在するか否かにより多孔膜、非多孔膜と呼ぶ。ここでは、水/アルコール混合物の透過気化法による分離に用いられたパーフルオロカーボン系イオン交換膜の分離特性を、DSCを用いて定量した膜中の不凍水量によって評価した例を示す。
TA No.58
  • フォトレジストの光硬化反応熱測定
    フォトレジストは解像度が高く微細加工が可能であること、また短時間で耐エッチング性の薄膜が形成できるなどの特徴があり、プリント基板配線や電子部品製造または印刷製版など広い分野で使用されています。しかしフォトレジストは、光硬化時の露光波長、照射強度、反応温度等の条件により、耐エッチング性の薄膜の形成状態が変化することが知られています。そのため、最適な耐エッチング性薄膜を形成させるためには、種々の硬化条件の検討が不可欠となります。フォトレジストの中で、プリント基板のエッチングに使用されているドライフィルムは、重合反応により硬化するアクリルモノマー、フィルムに成形するためのバインダーポリマー、光硬化開始剤などから構成されており、それぞれの特性評価の面においても光硬化反応を測定することは重要なこととなります。 ここでは、光化学反応熱熱量計により、ドライフィルムの硬化反応を種々の条件で測定し、反応性の評価を行った例を紹介します。
TA No.56
  • 米のDSC測定
    近年、食生活の変化により多くのインスタント食品が開発され、米についても調理済の冷凍品やパック品など、種々の加工品が製造・販売されています。米の主成分は澱粉であり、水と共に加熱すると澱粉粒が膨潤崩壊し糊化が生じます。糊化時には、澱粉粒内の水素結合の開裂に由来すると推定されている吸熱が生じます。この吸熱現象をDSCでとらえることにより、糊化の温度や熱量を調べることができます。ただし、糊化による吸熱量は小さいため、DSCで米の糊化を測定する場合には、高感度の装置が必要となり、また米粒と水を入れることのできる大容量の試料容器が必要となります。 ここでは、DSCによる生米や加工米の測定例を紹介します。
TA No.55
  • エポキシ系接着剤のDSC測定
    エポキシ系接着剤は、金属、ガラス、セラミックス、プラスチックなど各種材料の接着や充填剤として使われています。この接着剤は、熱硬化型の接着剤で、主にエポキシ樹脂と硬化剤からなっています。硬化時には、エポキシ基が重合反応を起こし、架橋されて硬化します。DSCによりエポキシ系接着剤の測定を行うことにより、硬化前および硬化後のガラス転移温度、または硬化反応における温度や反応熱量などを調べることができます。 ここでは、市販の二液混合型エポキシ系接着剤について測定した例を紹介します。
TA No.54
  • 蛋白質の熱変性II
    蛋白質は、水溶液状態において生物的機能を保持するために特定の三次元構造をとっており、温度が高くなると熱運動などのために構造が崩れる現象、いわゆる熱変性が生じます。一般に蛋白質の熱変性の際には、熱の吸収が起こり、DSCによりこの吸熱現象をとらえることができます。DSCにより蛋白質の熱変性を測定する場合、試料濃度が高いと、分子間の相互作用(凝集等)まで起こる可能性があるため、できるだけ希薄溶液で測定する方が望ましいとされています。また、昇降温速度は、蛋白質の熱変性速度および試料内温度分布を考慮し、低速昇温が望ましいとされており、一般に1℃/min以下の速度で測定が行なわれています。そのため、高感度のDSC測定が要求されます。ここでは、超高感度型のDSCを用いた蛋白質の熱変性の測定例を紹介します。
TA No.53
  • アモルファス多層膜の熱的安定性
    アモルファス半導体多層膜が示す多くの特異な物性のうち、我々は多層膜の構造安定性に注目し、a-Ge:H/a-GeNx系を用いて研究を行ってきた。このような多層膜の安定性の問題は基礎物性の点から、あるいはデバイスヘの応用といった点からも非常に重要な問題であるにもかかわらず、いまだ十分理解されているとは言い難い。 アモルファス半導体多層膜の構造安定性を決定する因子は、基本的には(ⅰ)周期長(井戸層厚、バリアー層厚)と、(ⅱ)界面状態の2つと考えられる。(ⅰ)の周期長の効果は、“構造安定性のサイズ効果”とも言えるであろう。サイズ効果の直観的理解としては、アモルファスから結晶への構造変化においては、安定結晶核の生成および成長のプロセスを伴うが、このとき安定結晶核の臨界半径の大きさが周期長と同程度になった場合、結晶化転移点の上昇、あるいは膜構造の安定化といったサイズ効果が期待される。その際、界面状態が熱力学的な立場からは、界面エネルギーとして構造安定性に大きな影響を与えることが予想される。 本研究においては、アモルファス多層膜の構造安定性をa-Ge:H/a-GeNx系、およびa-Ge/a-GeNx系を対象にして行った実験の結果を示す。
TA No.52
  • 水・エタノール混合溶液のDSC測定
    水・エタノール混合溶液のDSC測定に関しては、ウイスキーの熟成度の推定に応用した例1、2)が報告されて以来、多くの研究が行われてきました3)。 この方法は、水・エタノール混合溶液試料を-100℃以下の温度まで下げ、一定の昇温速度で測定した際に見られる融解ピークを観察するものです。この報告では、昇温時のDSC曲線における融解ピークとして、エタノール(-62℃付近)と水(-40℃付近)の他に、-60℃から-50℃付近に見られる水・エタノール複合体の吸熱ピークの大きさが、熟成度に依存するとされています。 ここでは、DSCと全自動ガス冷却ユニットを用いた、水・エタノール混合溶液の測定例を紹介します。全自動ガス冷却ユニットは、液化窒素の気化ガスを炉体部に導入する機構であるため、昇降温測定を完全自動で、かつ正確な温度コントロールで行うことができます。したがって、今回の測定例のように、マイナス温度域での昇降温測定では、このシステムが威力を発揮します。
TA No.50
  • 示差走査熱量測定によるDNA融解の微細構造の解析
    遺伝情報を担うDNAは、小さな部類に入る大腸菌でも、その染色体DNAの大きさは約4700kb(1kb=1000塩基対)と巨大で、そのままでの取り扱いは困難であるが、染色体DNAとは独立に細胞質に存在し、自律増殖を行うプラスミドDNAは数kbから数百kbと小さく、取り扱いが比較的容易なので、分子生物学における研究対象あるいは研究手段としてよく使われている。小型のプラスミドDNAは、物理化学的研究の対象としても便利な材料である。DNAはグアニン(G)、シトシン(C)、アデニン(A)、チミン(T)の4つの塩基の共有結合によって形成された2本の相補鎖が、GC間やAT間の水素結合や隣接塩基対間のスタッキングのような弱い結合力によって2本鎖を形成している。このような構造をもったDNAは比較的低い温度で1本鎖に解離(融解あるいはヘリックス-コイル転移などと呼ばれる)するので、いろいろな物理的手段による観測が可能であると同時に比較的単純なモデルで近似することができるため理論的な取り扱いも容易である。またDNAの融解は、細胞内において複製、転写、組換えなどの遺伝の基本現象に関わっているので、生物学と物理学の接点にもなっていると思われる。DNAの融解は、数十塩基対から数百塩基対にわたって協同的に起こることが知られている。これは融解の微細構造と呼ばれているが、この現象はこれまでは主として紫外吸収、電子顕微鏡、ゲル電気泳動などによって観察されていた。これまでは熱測定による微細構造解析の報告はなかったが、これは熱測定に使われたDNAが染色体DNAや合成ポリヌクレヌクレオチドオチドのような巨大なDNAであったり、またオリゴのような極めて小さなDNAであったりしたためと思われる。染色体DNAのような場合は、あまりにも大きすぎて個々の微細構造が重なり合って全体としては1本の幅広いピークとしてしか観測されないからであり、合成ヌクレオチドの場合は、塩基配列が均一であったり小さいために協同性が分子全体に及んでいるためであると考えられる。 われわれは、数年前にpJL3-TB5と呼ばれる5277塩基対からなるプラスミドDNAを使って、初めてDNA融解の微細構造を示差走査熱量計(DSC)によっても測定可能であることを見出した。さらに、全塩基配列からの理論的計算によって、DSC曲線を塩基配列レベル、したがって遺伝子レベルで解析してきた。 ここでは、ColE1プラスミドについてDSCで測定し、理論的に解析した結果について述べる。
TA No.49
  • DSCによる酸化誘導時間測定
    一般にポリマーは、酸素が共存すると酸化が起り、機械的強度や電気的特性が劣化します。この酸化による分解は、不活性ガス雰囲気の熱分解よりも低い温度から始まります。例えば、ポリエチレンは窒素ガス中では400℃付近から熱分解が始まるのに対して、空気中では200℃以下から酸化分解が進行することが知られています。このため、工業材料として一般に用いられているポリエチレンなどのポリマーには、酸化による劣化を防ぐために、各種の酸化防止剤が添加されています。一方、ポリマーの耐酸化性の評価方法としてDSCを用いる方法があり、測定方法は次の通りです。① 試料を窒素ガス雰囲気中で昇温し、所定の温度 で等温保持する。 ② 雰囲気を酸素ガスに切り換える。③ 酸素ガスに切り換えた後、酸化開始による発熱 が観測されるまでの時間(酸化誘導時間)を測定 する。 ここでは、PE(ポリエチレン)について酸化誘導時間を測定した例を紹介します。
TA No.48
  • 自己反応性物質のDSC測定
    化学物質の中には自己反応性物質と呼ばれ、空気中の酸素の助けを借りることなく燃焼・爆発を起こす物質があります。これらの物質は、取り扱い次第では人命にかかわる事故を招きかねないため、自己反応性物質の危険性を評価することは非常に重要です。危険物を評価する方法は、古くから数多く考案されていますが、これらの中には試験法自体が危険な方法や、特殊な装置を必要とする方法が多く、簡便に行えるものがありませんでした。 近年、試験法の安全性と簡便さの点から、DSCを用いた危険物の評価法が注目されており、現在、実用化にむけての研究が進められています。 ここでは、DSCと密封試料容器を用いて測定を行った例と、その再現性についての検討結果を紹介します。
TA No.46
  • アモルファス金属薄膜のDSC測定
    アモルファス金属は、硬度・耐食性など種々の優れた性質を有するため注目されており、実用化がすすんでいます。しかし、熱的に不安定で熱処理によって諸特性が変化するという欠点があり、熱的安定性の向上の研究が行なわれています。 DSC測定は、結晶化の研究には有用な手段であり、アモルファス物質の測定もよく行なわれています。ただし、アモルファス薄膜の場合は基板との相互作用があるため、剥離することなく測定を行なうことが重要となります。そのため、微少試料で測定が可能な高感度DSCが要求されています。 ここでは、超高感度型のDSCによる、Tb-Fe-Co系合金のアモルファス金属薄膜の測定例を紹介します。
TA No.45
  • DSCによる比熱容量測定II -測定条件の検討-
    DSCを用いると比熱容量測定を容易に行なうことができます。近年、新素材の研究開発にともない広い温度範囲での比熱容量測定の必要性が高まりつつあります。ここでは、DSCを用い比熱容量測定精度におよぼす、昇温速度、試料量、昇温幅、および測定温度域について条件検討を行なった結果を示します。
TA No.43
  • 感光性樹脂中モノマーの後重合反応挙動の解析
    光硬化型感光性樹脂を構成する主な成分としては、光重合反応を起こすモノマー、モノマーを均一分散状態で保持する高分子バインダー、反応触媒として機能する重合開始剤(増感剤)、およびその他の添加剤があげられます。反応は、重合開始剤が光照射によりラジカル分解した後、モノマーと結合し、そのモノマーラジカルが連鎖的に成長してゆく過程を意味します。このような反応を利用した材料には、UVインキ、UV塗料以外に、写真同感材(グラフィックアーツ用感材)があり、一例として図1にFDRドライフィルムの電子顕微鏡写真を示します。写真の黒色部分が光硬化した部分で、約40μmの幅を有し、白色部分が未硬化部で、最終的に感光性樹脂が除去されています。一般にこの種の材料は、光照射を止めた後でも、生き残っているラジカル種による成長反応が進行します。それにより、最終的に得られる材料の特性も変化します。従って、この特性変化を明確に知るためにも、後重合反応による重合率値を正確に測定する必要性が生じます。 ここでは、光化学反応熱熱量計により、光硬化型感光性樹脂中のメタクリル系およびアクリル系モノマーの後重合反応挙動を観察した例を紹介します。
TA No.42
  • 光重合反応の熱的測定
    光重合型感光性樹脂は、代表約な有機感光材の一つで実用化されている材料も多い。光重合反応の進行状態を定量的に測定するには、従来からのディラトメトリー、UV-IRスペクトロメトリー、重量法などは多くの欠点を持ち、適用困難であった。ここでは、モノマーの重合に対応して現われる熱変化を定量的に観測し、ポリマー変換率を測定した。 熱測定による方法の長所は次のような点にあると考えられる。また、これはSSC550型光化学反応熱測定装置の特長とも対応する。1.多成分の化合物からなるフォトレジストに含ま れるモノマーの光重合反応解析ができる。2.熱的感度の非常に高い装置を使用すれば、薄膜 状のサンプルでも測定できる。3.重合熱の観測であるために、直接反応速度論的 解析ができる。
TA No.41
  • トナーの熱分析
    複写機には、現像剤としてトナーと呼ばれるカーボンブラックと熱軟化性樹脂の混合微粉末が使用されています。この熱軟化性樹脂の特性により、トナーの性質が大きく左右されます。DSCにより、トナーに使用されている樹脂成分のガラス転移や融解を観察することができます。またTG/DTAでは、樹脂成分と添加カーボンブラックの分離定量を行うことが可能であり、各種トナーの評価や品質管理に利用されています。ここでは、DSCとTG/DTAによるトナーの測定例を紹介します。
TA No.40
  • DSCによる魚肉鮮度の測定
    魚の筋肉タンパク質の主要構成成分は、筋原線維タンパク質のミオシン、アクチン及び調節系タンパク質(トロポニン、トロポミオシン等)である。生体内での筋肉運動は、筋小胞体から放出されるCaイオンが調節系タンパク質に結合すると、制御がはずれミオシシ-アクチンの相互反応が起こって、ATP(アデノシン三リン酸)分解のエネルギーを利用して収縮がおこる。これら魚肉の構造や筋収縮のメカニズムは畜肉のそれとほとんど変らない。しかし、魚肉の死後変化、すなわち、死後硬直、解硬(軟化)、及び微生物による腐敗への進行は、畜肉に比して非常にはやい。そのため、鮮度の保持及び、その判定方法に高度な技術が要求されている。死後硬直は死後、筋肉中のATP含量の減少、Caイオンの筋小胞体からの放出等により、ミオシンとアクチンが強く結合したために起こると考えられているが、この死後硬直を長く持続させることが、魚の鮮度を保つために重要である。死後硬直の開始する時間、強度、持続時間は、魚の死に至る状況(即殺、苦悶死)、魚の生理状態、環境温度、保存方法等に左右されるが、死後硬直の開始や強度を測定する有効な方法は現左のところ少なく、正確で簡便な測定方法の開発が望まれている。また、“あらい”現象は、即殺した魚肉を使用して人為的に硬直を起こさせたものであるが、このメカニズムに関する研究は少ない。 DSCのタンパク質研究への応用については、一般にタンパク質の変性に関するものが多数報告されている。魚肉の鮮度変化は、筋肉内の化学性状やタンパク質の変化と対応していることより、魚肉鮮度の測定にDSCの応用が考えられる。本稿では、鮮度の異なる魚肉(硬直前及び硬直終了魚肉)のDSCを測定した結果について紹介し、魚肉鮮度測定へのDSCの応用について述べてみたい。
TA No.39
  • 形状記憶合金のDSC測定
    形状記憶合金は特定の温度域で形状が大きく変わる性質より、絶対的な信頼性を要求される油圧パイプの接合などで実用化されており、最近では家電、下着などの分野への応用も進められています。ここで取り上げたNiTi合金は、信頼性、耐久性の面から現在、形状記憶合金の中で最も多く用いられています。
TA No.37
  • アイオノマーのDSC測定
    疎水性高分子中に適当な間隔を置いて少量のイオン(10モル%以下)を含んだ高分子は“アイオノマー”と呼ばれ、その特徴的な機能を利用して、例えばタフネスを要求される材料(ゴルフボールの外皮部分)、透過膜、医用材料などに広く用いられるようになってきました。このアイオノマーは適当な塩濃度(イオン基の量)以上ではイオン会合体(イオンクラスター)が形成され、このクラスター形成が強固な物理的架橋の役割を担っており、加硫による化学的架橋形成と同様な効果が期待されています。
TA No.36
  • (Na,Co)-A型ゼオライト中のCoイオン配位水
    ゼオライトの物理・化学的性質は、骨格構造とその中に分布するカチオンにより支配されます。骨格構造を保ちながらアルカリ、アルカリ土類、遷移金属イオンをイオン交換することができ、それにより吸着、触媒、磁気的特性等をコントロールできます。しかしながら、これらの交換されたカチオンが、ゼオライト内でどのサイトを占めるかは分かっているものの、その分布が長距離規則性をもつかどうかは、構造解析でも未だ不明です。 そこで本研究では(Na、Co)-A型ゼオライト中のコバルトイオンが6から4配位に変化する時のエンタルピー変化を測定し、近接する2価カチオンの相互作用により配位のエネルギーがどのように変化するか調べ、カチオンの長距離規則配列の可能性を検討しました。
TA No.34
  • ドトリアコンタンの結晶多形
    長鎖炭化水素化合物は、試料の熱履歴により結晶多形を生じることが知られています。結晶多形を有する有機化合物は医薬品に数多く見られ、医薬の薬効を決定する重要な因子となっています。 ここでは、結晶多形へのDSCの応用例として、ドトリアコンタン(CH3(CH2)30CH3)に熱履歴を加えた際の測定例を紹介します。
TA No.33
  • 食肉のDSC測定
    食肉中には、多量の蛋白質や脂肪が含まれており、それらの熱変性や融解挙動を測定することにより、食品の品質についての情報を得ることができます。 ここでは、豚肉(肩ロース)とウインナーソーセージについて、超高感度型のDSCを用いて測定した例を紹介します。
TA No.31
  • 蛋白質の熱変性Ⅰ -塩、砂糖添加物およびpHの影響-
    蛋白質の熱変性に関する知見は、生体および食品の広い分野で重要視されています。蛋白質の熱特性は、pH、イオン強度、蛋白質濃度などの影響を受けることが知られています。ここでは、広くお菓子や料理に使われている卵白の主蛋白質であるオボアルブミンをとりあげ、pHを変化させた場合、さらに砂糖濃度と塩濃度を変化させた場合について、熱変性ピークがどのように変わるかを調べた結果を示します。
TA No.29
  • ICチップ上の微量ハンダの成分分析
    二成分系の物質のDSC測定結果から、その物質の組成比を求めることができます。最近すず(Sn)と鉛(Pb)の合金であるハンダのDSC測定から、その組成比を求める手法が報告されています。しかしその報告は、試料としてハンダそのものを採取した場合で、例えばICチップ上の極微量のハンダ等、現実的な応用例はDSC装置の感度の問題もありあまり報告されていません。ROM等に使用されるICチップの回りには、各リード線を引き出すためのハンダがそれぞれ盛ってありますが、SnとPbの組成比の違いはリード線との接合の良し悪しに影響すると言われています。この品質をチェックするにはチップ1個単位での検査が必要です。そこでここでは、超高感度型のDSCを用いてICチップ1個(約2.5mm四方)をそのまま測定し組成比を求めた例を紹介します。
TA No.28
  • 新素材金属のDSC測定
    素材革命の時代と呼ばれている今日、特殊な物性をもつ新素材としてのアモルファス金属や形状記憶合金の研究がすすめられています。これらの金属の熱的性質を調べることは、製品としての使用条件や状態を把握する上で重要な役割を果たしています。 ここでは、アモルファス磁性材料としてFe-B-Si系のメタグラス、および形状記憶合金としてTiNi合金をとりあげ、DSC測定を行った例を紹介します。
TA No.27
  • フェナセチンの純度決定
    物質の融点を測定し、その物質を同定したり定性的に純度をチェックすることは古くから行われてきました。最近では、高純度物質の純度決定を1~3mgの少量の試料で短時間に行えることから、DSCによる純度測定法1、2)が利用されています。ここでは、NBSより販売されているDSC用標準試料(No.1514:フェナセチン)について測定を行った例を紹介します。
TA No.26
  • ポリエチレンのDSC測定 -ポリエチレンの密度と融解の相関性-
    ポリエチレンは、容器、テープ、文具など様々な製品に使用されています。ポリエチレンはその重合方法などにより、低密度のものから高密度のものに分類されています(0.92~0.96g/cm2程度)。 ここでは、密度が既知のメーカー支給低密度ポリエチレン(LDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)の融解をDSCで測定し、密度との相関について調べた例を紹介します。
TA No.22
  • 石膏の熱分析
    石膏は非常に古くから建築材料として使用されたもので、その用途としては以下のようなものがあります。① ポートランドセメントの凝結遅緩剤② 石膏プラスター用、石膏ボード用、陶磁器成形型、 美術工芸用③ ニッケル製錬の副原料、イオウ分供給源④ ゴム、紙等の充填剤⑤ 豆腐の凝固剤⑥ 光学器械の特殊部品⑦ 医薬品、ギブス包帯、歯科補綴材料、解熱剤、 止渇剤 等 石膏を使用する上でその特性を知ることは重要となりますが、熱的特性として石膏は次のような熱変化を示す性質があります。CaSO4・2H2O CaSO4・1/2H2O+3/2H2O CaSO4+2H2O ……(1)これらの反応は平衡反応であり、焼石膏を水で練ると硬化する機構は、半水石膏から結晶石膏への変化を指します。 ここでは、TG/DTAとDSCによりこの石膏の熱変化の過程を測定した例を紹介します。
TA No.20
  • ポリエチレンフィルムの熱分析 I
    ポリエチレンフィルムは包装材として広く使用されています。通常ポリエチレンフィルムには機能性を向上させるためにいろいろな物質が添加されています。そのひとつにフィルムの強度を向上させるために添加する補強剤があります。 ここでは、TMAおよびDSCで、補強剤の配合比率の異なるポリエチレンフィルムについて測定した例を紹介します。
TA No.19
  • 高含水ゲルの熱分析
    示差走査熱量測定(DSC)で高含水ゲルの水の融解挙動を調べることにより、安定な高含水ゲルを得るための形成条件の評価や、自由水、結合水の状態の分析などを行うことができます。
TA No.18
  • シリコンゴムの熱分析
    シリコンゴムは、耐熱性及び電気絶縁性が優れており、また薬品や油、水に対しても強いという性質を持っているため、各種電気部品や機械部品、また家庭用品や食品加工、医薬方面など幅広い分野で有用な材料として利用されています。シリコンゴムの特性は、充填剤や添加物などの種類とその量、さらにそれらの混成と加硫の条件によっても異なってきます。熱分析では、シリコンゴムのいろいろな熱的性質を調べることができます。ここでは、DSCおよびTG/DTAによるシリコンゴムの測定例を紹介します。
TA No.15
  • カフェインの熱分析
    熱分析は、医薬品の研究や試験にも広く利用されています。ここでは、TG/DTAおよびDSCによりカフェインと無水カフェインを測定した例を紹介します。
TA No.14
  • 自由水、結合水の熱分析 -DSCによる自由水、結合水の定量-
    物質と水との共存状態では、水は自由水と結合水に分類することができます。物質との相互作用がなく、0°Cで融解する水は自由水といわれ、また物質との相互作用のため、マイナス温度域でも凍結しない水や、凍結しても0°C以前から融解する水は結合水といわれています。結合水は生物の生理現象と密接な関係があることや、食品や薬品などの品質にも影響をおよぼすことから、各分野で研究が行なわれています。DSCで水の融解現象を観察することにより、結合水や自由水についての知見を得ることができます。ここでは、でんぷんとデキストランゲルについて、密封型試料容器を用いて測定した例を紹介します。
TA No.12
  • ポリマーの熱履歴
    ポリマーの熱履歴を調べることは、ポリマー材料の内部構造と加工条件の関係を把握する上で、重要なこととなっています。ここでは、DSCでポリエチレンテレフタレート(PET)を測定した例を紹介します。
TA No.11
  • DSCによる比熱容量測定Ⅰ -比熱容量測定の原理とエポキシ樹脂の測定例-
    DSCにより、少量の試料でも比較的簡単に比熱容量(Cp)を測定することができます。ここでは、DSCによる比熱容量測定の原理を説明するとともに、測定精度を試験するために行ったサファイアの繰り返し測定の結果と、応用例としてエポキシ接着剤とICパッケージ(エポキシ樹脂+フィラー)の測定例を紹介します。
TA No.9
  • ポリマーの等温結晶化
    DSCで、等温状態におけるポリマーの結晶化を測定することができます。また結晶化のDSC曲線より結晶化速度などの解析を行なうことができます。ここでは、ポリエチレンテレフタレート(PET)と高密度ポリエチレン(HDPE)について、DSCにより等温結晶化を測定した例を紹介します。
TA No.8
  • 熱硬化性樹脂のDSC測定
    熱硬化性樹脂の硬化反応熱やガラス転移温度の測定は、樹脂の特性を理解するうえで重要なこととなっています。ここでは、DSCでエポキシ樹脂とレゾール樹脂(フェノール樹脂)を測定した例を紹介します。
TA No.7
  • プラスチック成形品の評価
    プラスチックは、成形法によりさまざまな特性を持たせることができます。一般に容器など寸法の安定性が求められる加工品では、材料の構造が無定形であることが望ましいとされています。また繊維やフィルムでは、方向性による強度を増すために配向がよく行なわれています。DSCでこれらの物性を調べることにより、いろいろなプラスチックの成形法や加工条件について評価することができます。ここでは、DSCで成形法の異なるポリエチレンテレフタレート(PET)を測定した例を紹介します。
TA No.6
  • でんぷんの糊化
    でんぷんは、水分の存在する状態で昇温すると結晶形がくずれ、糊状になります。この現象をでんぷんの糊化といい、吸熱反応を伴うためDSCでとらえることができます。DSCで、でんぷんの糊化現象を観察することにより、でんぷんの種類の違いや、昇温速度、含水率の依存性などを評価することができます。ここでは、試薬でんぷん(和光純薬製)について、密封型試料容器を用いて測定した例を紹介します。
TA No.5
  • 口紅のDSC測定
    熱分析は、化粧品の開発や品質管理にも広く利用されています。DSC測定により、口紅の主成分である油脂の融解を観察することにより、口紅の特性を調べることができます。ここでは、メーカーの異なる4種類の口紅について、DSC測定を行った例を紹介します。
TA No.4
  • 混合油脂のDSC測定 -DSCによる豚脂と牛脂の混合率の測定-
    食品用油脂などいろいろな油脂中の異種脂肪の混入を、DSCにより判別することができます。DSCで油脂の融解や凝固を観察することにより、混合油脂中の異種脂肪の種類や、その混合率などについて評価することができます。ここでは、豚脂と牛脂の混合油脂について、密封型試料容器を用いて測定した例を紹介します。
TA No.3
  • 食品用油脂のDSC測定
    一般に油脂製品の多くは、結晶多形などにより複雑な結晶構造になっています。DSCで、いろいろな油脂の融解現象を観察することにより、油脂製品の品質の安定性について評価することができ、また油脂の判別などに応用することができます。ここでは、カカオバターなど4種類の食品用油脂について、密封型試料容器を用いて測定した例を紹介します。
TA No.2
  • 界面活性剤のクラフト点
    DSCは、界面活性剤の複雑な挙動を研究する上で、重要な知見を得ることができる分析法です。 低濃度の溶液試料でもクラフト点を測定することができます。ここでは、スルホベタイン型両性界面活性剤2種類の試料について、密封型試料容器を用いて測定した例を紹介します。
TA No.1
  • 脂質の相転移
    DSCにより、低濃度の溶液試料でもリン脂質の相転移をとらえることができます。ここでは密封型試料容器を用い、濃度が3.67mg/mlから36.7mg/mlのDPLリポソームについて測定した例を紹介します。

TG/DTA

TG/DTA
TA No.88
  • 油脂および加工食品の酸化性評価 -TG/DTAを用いた酸化誘導時間測定により食品の安全性を評価する-
    近年、食品の原材料や消費期限の偽装など、問題や事故が発生し、安全性への意識が高まってきています。食品の安全性評価では、さまざまな分析が行われていますが、中でも食品に含まれる油脂は、酸化劣化を起こしやすく、香りや色、味に変化を与えるだけでなく、有害な成分に変化することもあり、食品衛生法などで規格基準が設けられています。劣化度合いの評価には、酸価、過酸化物価などの分析が行われますが、油脂分の抽出が必要であるなど、煩雑な操作や時間を要します。このため、簡便な方法として、抽出することなく少量の試料で測定可能なTG/DTA法が提案されています1)。今回は、TG/DTAを用いた酸化誘導時間測定により、油脂および加工食品の酸化性を評価した例を紹介します。
TA No.87
  • セラミック製品設計に不可欠な熱分析事例紹介 -カオリンの熱分析-
    カオリンは、カオリナイトやハロサイトなどからなる粘土で、風化や熱水作用により花崗岩などが変質て生成されます。基本化学式は、Al2Si2O5(OH)4で、更にハロサイト成分は、結晶水nH2Oが含まれます。カオリンを陶磁器などセラミック原料として使用する場合は、工程管理や品質管理において、加熱時の重量減少率、収縮率などの熱物性特性を把握しておくことが非常に重要になります。熱分析装置の示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)および熱機械分析装置(TMA)は、吸熱・発熱特性、重量変化特性、熱膨張・収縮特性を測定することができますので、セラミック原料あるいは加工プロセス評価に用いられています。ここでは、カオリンをTG/DTAおよびTMAで測定した結果を示し、どのように有効な評価が可能か紹介します。
TA No.84
  • リン添加鉛フリーはんだの耐熱性評価
    RoHS指令の施行による有害物質規制が世界的に拡大している中で、鉛フリーはんだの利用が広がっています。しかし鉛フリーはんだは、融解温度が高いことにより作業温度が高温となるため、はんだの酸化が促進し、接合強度や接続性の低下を引き起こすという問題があります。このため、作業性、機械的特性、コストなど、様々な特性を考慮し組成が決定されていますが、組成による酸化反応性の差異を調べることは、作業条件を検討する上で重要となっています。今回は、添加剤の有無による鉛フリーはんだの耐熱性を、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)で評価した例を紹介します。
TA No.81
  • ポリ乳酸の熱分析 -結晶性と耐熱性-
    近年、廃棄物処理問題や環境保全の観点から、再生可能な資源から生産され、生分により循環可能となる生分解性プラスチックが注目されています。中でも植物由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)は、包装材や、繊維、医療用と広く用いられていますが、用途に応じて必要とされる強度、耐衝撃性、透明性などが異なり、生分解性にも影響することから、その結晶性は重要であるとされています1)。さらに、構成モノマーである乳酸は不斉炭素を持つことから光学異性体が存在し、それら重合体の異性体比は分子量とともに、結晶性および耐熱性に影響するため、成型加工条件検討の要素となっています。今回は、異性体比および分子量の異なるPLA樹脂の結晶性と耐熱性について、DSCおよびTGを用いて測定した結果を紹介します。
TA No.78
  • 複合型熱分析によるポリスチレンの熱分解測定
    高分子材料は、電子・電気部品や医療用など、さまざまな分野で利用されており、用途の広がりとともに、耐熱性・耐久性の向上や、機能の追加が図られています。熱重量測定(TG)では、これら材料の耐熱性評価や成分定量ができるため広く用いられていますが、さらに複合型熱分析では、TGより発生したガスの分析により、熱分解挙動のより詳細な解析が可能となり、試料の構造・組成が推定できるため、近年、盛んに行われるようになりました。今回は、ポリスチレンの熱分解を、複合型熱分析としてTG/FT-IR、およびTG/MSにて測定し、分解挙動を確認した結果を紹介します。
TA No.77
  • 左官用モルタル混和材中の石綿の測定 -ハイウェイTAによる石綿と非石綿の分離定量-
    現在、左官工事等において作業性の向上を図るために、蛇紋岩を粉砕したモルタル混和材が用いられることがあります。モルタル混和材は、「無石綿」や「ノンアスベスト」等と表示され商品化されていますが、「クリソタイル」(石綿)を含む可能性があることが厚生労働省から公表されています。これは、蛇紋岩中の蛇紋石である「クリソタイル」(石綿)と「アンチゴライト」および「リザルダイト」(いずれも非石綿)が、石綿の分析として広く行われているX線回折分析法において、ピーク位置がほぼ同じであるため、クリソタイルが検出されない可能性があることによります。このような場合には、TG測定を行いその微分曲線(DTG曲線)からクリソタイルを定量することが有効となります。ここでは、左官用モルタル混和材の蛇紋岩の分析法と、TG測定を行った結果についてハイウェイTAを応用し石綿の定量精度を向上させた分析例を紹介します。
TA No.75
  • 湿度制御TGによる結晶水の吸脱着過程の検討
    医薬品分野において熱分析法は、研究開発や工業化、または製造から品質管理にいたるさまざまな過程で、重要な分析法として広く利用されています。水和物や溶媒和物においては、脱水や吸湿、または昇華、風解などが錠剤の安定性に大きな影響を与えることが知られており、古くから多形転移や結晶水の脱離等の熱挙動の研究に熱分析が応用されています。水和物の結晶水の脱水過程をTGにより観察する場合において、通常の開放型試料容器を用いた測定では、重量減少の温度域が重複するために脱水挙動の分離性が悪い場合があります。このような場合、蓋にピンホールを空けた試料容器(擬似密封容器)を用いる方法や、速度制御熱分析法(Controlled Rate Thermal Analysis : CRTA)を用いて測定するなど、TGの分解能を向上させる方法が行われています。しかし、これらの方法でも近接した温度域で多段階に生じる脱水過程が完全に分離できない場合があることや、測定条件の設定が難しい場合があるなどの問題点もありました。著者らは、水蒸気雰囲気下での測定が可能な湿度制御型TGを用い、水和物における結晶水の吸脱着過程の検討を行いました。TG測定の際に雰囲気として水蒸気を導入することにより、結晶水の脱水過程の分離性が向上するとともに、冷却測定においても結晶水が吸着していく過程を観察することができました。本報ではこの湿度制御TG法による、硫酸銅5水和物と医薬品であるシンコニン塩酸塩水和物についての測定結果を報告します。
TA No.74
  • 鉛フリーはんだの熱分析
    現在、スズ鉛合金系はんだからの切り替えが進む鉛フリーはんだは、スズを母材とする多数の合金系の中から、様々な特性のバランスを考慮して採択されています。評価項目として、融解温度、酸化性、機械的特性、コストなど様々な要素がありますが、実際の作業条件を設定する上では、熱特性の調査は重要となっています。ここでは、鉛フリーはんだを各種熱分析手法で測定した例を紹介します。
TA No.72
  • ハイウェイTAを用いた混紡糸の混紡率測定
    綿とポリエステルの混紡繊維は、ワイシャツなどに用いられる素材として広く利用されています。綿とポリエステルの混紡比率は素材の表示として必須であり、従来は湿式法でセルロース重量を分析することにより混紡比率を求める方法が用いられていました。しかし湿式法による測定は、1回の分析に2時間以上を要し、また様々な化学薬品を使用するため、代替の方法が求められていました。 一方、TG測定による綿とポリエステルの分解温度の違いから、混紡比率を求めることは試みられていました。しかし、通常の測定条件下では、綿とポリエステルの分解温度の近さから、混紡比率を大まかに推定することはできても、混紡比率の正確な値までを調べることは困難でした。ここでは、綿とポリエステルの混紡繊維のTG測定結果をハイウェイTAにより低速昇温データに変換し、混紡比率を求めた結果を紹介します。
TA No.71
  • ハイウェイTAの紹介 -昇温速度変換シミュレーションソフトウェア-
    熱分析においてTG/DTAやDSCは、物質の脱水・分解や融解・反応熱を測定する手法として広く利用されています。しかし、TG/DTAやDSC測定における昇温速度は、一般に10℃/minがよく用いられ、測定温度範囲に依存しますが、測定時間が長いという問題点があります。 また、近接した温度域に2つの反応が存在する場合、通常の測定では2つの反応が重なってしまうため、解析が困難になる場合がありました。このような場合には、昇温速度を小さくし2つの反応を分離する測定を、再度行う必要がありました。 このような熱分析の問題点を解決する手法として、ハイウェイシミュレーション熱分析(ハイウェイTA)が開発されました。ハイウェイTAは測定のタイムスケールを変換する新しい概念の熱分析です。ここではハイウェイTAの原理と測定例について紹介します。
TA No.67
  • ABS樹脂の熱分解測定II -空気雰囲気下におけるTG/FT-IR測定-
    前報のアプリケーションブリーフでは、TG法によるABS樹脂の分析例として、擬等温熱重量測定法とTG/FT-IR測定法を併用し、窒素雰囲気におけるABS樹脂の熱分解挙動を解析した例を紹介しました。 TGにより高分子材料などの耐熱性を評価する場合には、雰囲気の種類が実際の使用環境に近いことが重要です。したがって、雰囲気の選択の際には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスだけでなく、空気雰囲気についても検討することが重要になります。今回は、ABS樹脂が空気中で使用される場合を考慮し、空気雰囲気による酸化分解反応についてTG/FT-IR測定法により解析した例を紹介します。
TA No.66
  • ABS樹脂の熱分解測定I -擬等温熱重量測定法およびTG/FT-IR測定による解析-
    熱重量測定法(TG)は、試料の分解温度やその重量減少量を調べることが可能なため、種々の高分子材料における耐熱性の評価や、熱分解挙動の解析等、さまざまな用途で広く利用されています。このTG法における測定手法のひとつに、擬等温熱重量測定法があります。この方法は、重量減少が始まると昇温を一時中断する温度制御を行う方法で、近接した温度で多段階に生じる反応を分離することができ、より正確なTG測定を行うことが可能です。一方、TG測定における熱分解挙動をより詳細に解析する手法として、TGとフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)や質量分析装置(MS)、またはガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC-MS)等との複合技法があります。この方法は、TGからの分解生成ガスをFT-IRやMS、またはGC-MS等で成分分析することにより、試料の組成判定や添加剤の同定、または熱分解挙動のより詳細な解析が可能なため、近年盛んに行われるようになりました。今回は、TGによるABS樹脂の分析例として、擬等温法とTG/FT-IR測定法を併用し、ABS樹脂の熱分解挙動をより詳細に解析した結果を紹介します。
TA No.63
  • 熱重量測定による水和物中の結晶水の定量
    水和物中の結晶水の量は、熱重量測定(TG)により定量することができます。しかし、水和物中の結晶水の脱離は、近接した温度において多段階で生じることが多く、通常の測定法ではこれら複数の脱水反応が完全に分離しない場合があります。このように近接した温度で生じる脱水や分解を分離する方法としては、超低速昇温測定や擬似密封測定1)、または擬等温熱重量測定2)などがあります。擬等温熱重量測定法については、従来はこの方法による測定が簡単に行える市販の装置がなかったため、あまり普及していませんでした。TG/DTA220、TG/DTA320、およびRTG220示差熱熱重量同時測定装置は、この擬等温熱重量測定を全自動で行うための昇温モードとして、自動ステップ温度制御モードを備えています。この自動ステップ温度制御モードを利用することにより、擬等温熱重量測定を簡単に行うことができ、近接した温度で生じるいろいろな反応を分離して、より正確な熱重量測定を行うことが可能です。 ここでは、この擬等温熱重量測定法について説明し、この方法による測定例として、水和物中の結晶水の測定結果を紹介します。今回は、水和物として硫酸カルシウム2水塩(2水石膏)と硫酸鋼5水塩の測定例を示し、参考として擬似密封法による測定結果と比較した結果も併せて紹介します。
TA No.60
  • TG/DTAによる混紡糸の混紡率測定
    繊維製品の高級化、高品質化に伴って使用素材が多様化してきています。例えば、従来は加熱によって収縮するポリエステル糸が、「自己伸長ポリエステル長繊維」の発売で、普通のポリエステル繊維と加熱前後で13%以上も長さに差が生じます。また綿糸でも、シルケット処理条件が変わると、熱処理時の伸縮性に違いを生じる実験結果が得られています。このように糸の材質が同じ成分でも、結晶性や熱履歴が異なれば糸質が異なってくることから、初めて使用する素材については、基本的な糸質試験を行うことが必要であり、またクレームを未然に防ぐ方法にもなります。熱分析装置は、温度の変化に伴う重量変化(TG)、熱量変化(DSC)、力学的変化(TMA、DMA)が測定、評価でき、糸質を正確に把握することができます。 ここでは、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)による応用例として、混紡糸の混紡率測定の例を紹介します。
TA No.59
  • ロボットTG/DTAにおける TG測定精度の検討
    RTG220は、測定が自動化された示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)です。この装置は、60個までの試料の連続自動測定を行うことができ、また、試料重量の自動秤量機能も備えています。したがって、夜間などに無人で測定が行えるので、時間の有効的な活用ができます。 また、RTG220は、天秤機構として水平差動型を採用しているため、高精度のTG測定が行えます。 ここでは、RTG220を用いてシュウ酸カルシウムとブチルゴムについて連続自動測定を行い、TG測定精度の検討を行った結果を紹介します。
TA No.41
  • トナーの熱分析
    複写機には、現像剤としてトナーと呼ばれるカーボンブラックと熱軟化性樹脂の混合微粉末が使用されています。この熱軟化性樹脂の特性により、トナーの性質が大きく左右されます。DSCにより、トナーに使用されている樹脂成分のガラス転移や融解を観察することができます。またTG/DTAでは、樹脂成分と添加カーボンブラックの分離定量を行うことが可能であり、各種トナーの評価や品質管理に利用されています。ここでは、DSCとTG/DTAによるトナーの測定例を紹介します。
TA No.38
  • 酸化物高温超伝導体の熱重量測定
    様々な機能を持つ新素材の研究が盛んな今日に於いて、酸化物超伝導体は特別に注目を集めている物質です。その極めて優れた実用価値のために各方面で様々な角度から研究が進められています。ここでは、液化窒素温度よりも高温に超伝導臨界温度のあることが知られているYBa2Cu3O7-X系の酸化物超伝導体について、熱重量測定を行った例を紹介します。熱重量測定により加熱冷却の条件と酸素濃度変化の関係を評価することができます。
TA No.30
  • セメントのTG/DTA測定
    各種鉱物の複合物の一つであるセメントは、建築材料として広く使用されています。TG/DTA測定によりセメントの温度に関する情報を得ることができますが、セメントの重量変化は小さいため、高感度のTG/DTA装置が必要です。 セメントの中で最も代表的なものはポルトランドセメントですが、ここではNBSとセメント協会から標準試料として出されているポルトランドセメント(NBS:SRM633、セメント協会:211M)をTG/DTAで測定した例を紹介します。
TA No.25
  • 絶縁材の反応速度論的解析
    高分子材料等の耐熱性を短時間で評価する方法として、熱分解のTG測定データを反応速度論的解析することが注目されており、いくつかの解析方法が報告されています。その中でも小沢法は、反応速度論的解析法として広く用いられております。小沢法によると、昇温速度を変えたTGデータを測定することにより、反応に対する活性化エネルギーおよび定温で反応が一定割合に到達するまでの定温劣化時間を求めることができます。ここでは絶縁材ポリマーについて小沢法に基づいた解析例を紹介します。
TA No.22
  • 石膏の熱分析
    石膏は非常に古くから建築材料として使用されたもので、その用途としては以下のようなものがあります。① ポートランドセメントの凝結遅緩剤② 石膏プラスター用、石膏ボード用、陶磁器成形型、 美術工芸用③ ニッケル製錬の副原料、イオウ分供給源④ ゴム、紙等の充填剤⑤ 豆腐の凝固剤⑥ 光学器械の特殊部品⑦ 医薬品、ギブス包帯、歯科補綴材料、解熱剤、 止渇剤 等 石膏を使用する上でその特性を知ることは重要となりますが、熱的特性として石膏は次のような熱変化を示す性質があります。CaSO4・2H2O CaSO4・1/2H2O+3/2H2O CaSO4+2H2O ……(1)これらの反応は平衡反応であり、焼石膏を水で練ると硬化する機構は、半水石膏から結晶石膏への変化を指します。 ここでは、TG/DTAとDSCによりこの石膏の熱変化の過程を測定した例を紹介します。
TA No.18
  • シリコンゴムの熱分析
    シリコンゴムは、耐熱性及び電気絶縁性が優れており、また薬品や油、水に対しても強いという性質を持っているため、各種電気部品や機械部品、また家庭用品や食品加工、医薬方面など幅広い分野で有用な材料として利用されています。シリコンゴムの特性は、充填剤や添加物などの種類とその量、さらにそれらの混成と加硫の条件によっても異なってきます。熱分析では、シリコンゴムのいろいろな熱的性質を調べることができます。ここでは、DSCおよびTG/DTAによるシリコンゴムの測定例を紹介します。
TA No.17
  • 胃腸薬のTG/DTA測定
    熱分析は、医薬品の分野においても、研究開発から品質管理にいたるまで幅広い用途で利用されています。熱重量測定(TG)で薬品の熱分解挙動を観察することにより、成分の推定や主薬成分の定量、また熱安定性についての評価などを行うことができます。 ここでは、TG/DTAにより市販の4種類の胃腸薬を測定した例を紹介します。
TA No.16
  • 二酸化マンガンのTG/DTAの測定 -減圧測定による含有水分量の定量-
    電池の支持電解質として二酸化マンガンが広く使用されていますが、電池の負極としてアルカリ金属が用いられることが多いため、微量の水分が含まれていても自己放電やガス発生が起り、電池性能が劣化してしまいます。したがって電池成分中に含まれる微量水分の定量は、電池の安定した性能を得るために重要なこととなっています。ここでは、TG/DTAにより二酸化マンガン中の水分を測定した例を紹介します。
TA No.15
  • カフェインの熱分析
    熱分析は、医薬品の研究や試験にも広く利用されています。ここでは、TG/DTAおよびDSCによりカフェインと無水カフェインを測定した例を紹介します。
TA No.13
  • ポリマーの耐熱性
    ポリマーの熱分解は重量変化をともなうため、さまざまなポリマー材料の耐熱性評価にはTG測定が広く利用されています。TG/DTAは、さまざまなポリマーの耐熱性や熱安定性の評価に応用することができます。ここでは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール(POM)、エポキシ樹脂(EP)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の測定例を紹介します。
TA No.10
  • ゴムのTG/DTA測定
    ゴムの特性は、種類の違いによることの他に、増強剤や軟化剤等の添加剤の種類や量によっても異なってきます。TG/DTAでゴムの熱分解挙動を調べることにより、ゴムの種類や添加剤の違いによる物性の相違が観察できます。同時にゴム成分であるポリマー、カーボンブラック、灰分等の比率の決定、混合ゴムの比率の決定、または耐熱性などの特性の評価を行うことが可能です。ここでは、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、およびSBR・CR混合ゴムの測定例を紹介します。

TMA

TMA
TA No.87
  • セラミック製品設計に不可欠な熱分析事例紹介 -カオリンの熱分析-
    カオリンは、カオリナイトやハロサイトなどからなる粘土で、風化や熱水作用により花崗岩などが変質て生成されます。基本化学式は、Al2Si2O5(OH)4で、更にハロサイト成分は、結晶水nH2Oが含まれます。陶磁器原料として不可欠で、耐火材料や各種の充填剤にも使用されています。カオリンを陶磁器などセラミック原料として使用する場合は、工程管理や品質管理において、加熱時の重量減少率、収縮率などの熱物性特性を把握しておくことが非常に重要になります。熱分析装置の示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)および熱機械分析装置(TMA)は、吸熱・発熱特性、重量変化特性、熱膨張・収縮特性を測定することができますので、セラミック原料あるいは加工プロセス評価に用いられています。ここでは、カオリンをTG/DTAおよびTMAで測定した結果を示し、どのように有効な評価が可能か紹介します。
TA No.82
  • シュリンクフィルムの熱収縮応力測定
    私たちの身の回りには、数多くのペットボトル飲料が販売されており、そのペットボトルに付いているラベルには、他の商品と差別化をし、商品をPRする役割があります。ペットボトル用ラベルとしては、シュリンクフィルムが広く用いられており、熱を加えることで収縮するという性質を利用して、ボトルからラベルがはがれ落ちないように、密着させる工夫がされています。今回は、シュリンクフィルムの熱収縮応力について測定を行った結果を紹介します。
TA No.76
  • 湿度制御TMAによる固体高分子燃料電池用 電解質膜のキャラクタリゼーション
    次世代エネルギーとして注目されている固体高分子燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell;PEFC)の電解質膜には、パーフルオロカーボン系イオン交換膜が採用されていますが、動作環境における耐熱性や寸法安定性、機械強度の向上が期待されています。PEFC中の電解質膜はH+イオン伝導度を得るために加湿された状態であるため、熱分析による物性評価試験も高温・高湿下での測定が求められています。今回は、PEFC用の電解質膜として有望視されているNafion®について、温度90℃かつ湿度90%RHまで測定可能な湿度制御TMAシステムを用い、Nafion®膜の膨張率の湿度依存性を測定した例を紹介します。
TA No.74
  • 鉛フリーはんだの熱分析
    現在、スズ鉛合金系はんだからの切り替えが進む鉛フリーはんだは、スズを母材とする多数の合金系の中から、様々な特性のバランスを考慮して採択されています。評価項目として、融解温度、酸化性、機械的特性、コストなど様々な要素がありますが、実際の作業条件を設定する上では、熱特性の調査は重要となっています。ここでは、鉛フリーはんだを各種熱分析手法で測定した例を紹介します。
TA No.73
  • 湿度制御TMAによる光ディスク基板用 ポロマー素材のキャラクタリゼーション
    光ディスクは、今日の高度情報化社会における記録・再生メディアとして重要な役割を担っているとともに、さらに高性能な光ディスクの実用化に向けて技術開発が進められています。光ディスク基板用のポリマー素材の開発や改良、または工業化を進める上で、熱分析は材料の評価手段の一つとして広く用いられています。光ディスクが実際に使用される環境においては、温度や湿度の変化の影響により実用上さまざまな問題を発生するため、材料の特性評価においても実使用環境により近い条件下での評価が望まれています。TMAなどによる機械的特性の評価においても、温度変化だけではなく調整された湿度雰囲気下での評価結果が必要になってきています。今回は、調整された湿度雰囲気下でのTMA測定が可能な湿度制御システムを用い、光ディスク基板用ポリマー素材の吸水膨張による寸法変化を測定した例を紹介します。
TA No.70
  • 紙のTMA測定 -湿度制御TMAによる紙の水分伸縮特性の評価-
    紙は一般に水との親和性が高く、吸湿により寸法安定性や強度、または風合いなどの諸特性が大きく変化します。紙は、製造の工程で一方向に流れながら抄紙、脱水、伸張乾燥されるため、その寸法変化特性は一般に方向性を有するとともに、製造工程の履歴の影響を大きく受けます。紙が実際に使用される環境において、温度や湿度の変化による寸法変化は、カールやしわ、波うちなどの原因となるほか、用紙寸法変化による印刷見当のずれ等、実用上さまざまな問題を発生するため、これらの特性を的確に制御することが望まれています。 近年、紙の工業材料としての品質要求水準の高まりにともない、これら諸物性と環境条件(温度、湿度)との関係を把握することは重要なこととなっています。ここでは、調整された湿度雰囲気下でのTMA測定が可能なシステムを用い、紙の寸法安定性に対する湿度の影響、いわゆる紙の水分伸縮特性を調べた例を紹介します。
TA No.69
  • 飽水状態における木材の熱軟化特性
    飽水状態での木材の熱軟化挙動については、塑性加工技術やパルプ化技術との関係などから多くの解析がなされている。しかし、室温以上での軟化挙動に関する記述に関しては、測定装置の精度の関係もあり研究者によって大きくわかれ、いまだに定説を見ない。例えば、Salmenは、低周波での強制振動測定により、室温から100℃までの範囲で一つの緩和過程を認め、これが木材の主要構成成分であるリグニンの熱軟化に基づいていることを報告している。 これに対してHillsらは、静的な試験における弾性率変化ではあるが、同じ温度領域に2つの緩和過程を認めている。このようなことから、我々は、小試片を使用し、溶液中において正確な温度制御のもと、膨潤状態での木材の熱軟化挙動の解析を高い精度で試みている。今回は試料が受けた乾燥履歴が熱軟化挙動に及ぼす影響について紹介する。
TA No.65
  • ポリ塩化ビニルの熱分析 -ガラス転移におよぼす可塑剤の影響-
    PVC(ポリ塩化ビニル)は、代表的な汎用樹脂の一つとして、パイプや電線被覆材などの産業資材から、各種のフィルムやシートなどの一般消費材にいたるまで、幅広い分野で利用されています。PVCが他のポリマーと異なる特徴の一つに、可塑剤の添加によって広い範囲で最終製品の硬さや柔軟性を調整できることが挙げられます。 DSCやTMAでは、PVCを可塑化した際のガラス転移の変化を評価することができます。今回は、可塑剤としてDOP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)を用い、DOPの濃度の違いによるPVCのガラス転移温度の変化を、DSCおよびTMAにより測定した例を紹介します。
TA No.57
  • TMARHEOソフトによる動的粘弾性解析
    TMAやTMA/SSを用いて、試料にサイン波周期荷重をかける測定を行い、応力-歪座標でのリサージュ図形解析から、弾性率やtanδ(損失正接)を算出できることを先に紹介しました。 一方、従来高分子材料の特性評価のひとつとして、試料にサイン波荷重をかけ、その応力と歪、および両者の位相差の関係からE’(貯蔵弾性率)、E”(損失弾性率)またはtanδなどを求める動的粘弾性測定が広く行われています。 いずれの測定方法も試料にサイン波荷重をかける点では一致しており、したがってTMA/SSを用いた測定結果からも、E’、E”およびtanδを算出することができます。 ここでは、TMA/SSの測定結果から、動的粘弾性解析を行った例を紹介します。
TA No.51
  • TMAによるポリマーフィルムの針入測定
    ポリマーフィルムの軟化温度は、フィルム特性の一つとして重要なものとなっており、TMAによる針入測定法により評価することができます。この方法では、炉内に置かれたフィルム試料の上に、先端の断面積の小さなブローブ(針入ブローブ)を乗せ、荷重を加えた状態で昇温します。試料が軟化を開始すると、プローブは試料中に針入し下に変位します。この変位開始温度が軟化温度となり、また変位量がフィルムの厚さとなります。 ここでは、TMA120および針入ブローブを用いたポリマーフィルムの針入測定例を紹介します。
TA No.47
  • TMAによる周期荷重測定
    TMAは、一定荷重下における試料の膨張・収縮を測定するのが、一般的測定法です。TMA100熱機械分析装置は、荷重を電気的に制御しているため、一定荷重下での測定の他に、温度とは独立した定速荷重やsin波の周期荷重を加えることが可能です。 ここではTMA100を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)について、周期荷重を加えて測定した例を紹介します。
TA No.44
  • 拡張熱機械測定装置による高分子サンプルの粘弾性測定
    近年、特殊な機能を付加するためにフィルム状に成形した高分子材料の熱的性質、力学的性質が注目されています。 ここでは、フィルム状試料やゴム、ゲル状材料といった、いわゆる「軟らかい試料」の粘弾性測定に適したTMA/SS100拡張熱機械測定システムとその応用について紹介します。
TA No.35
  • ガラスのTMA測定
    近年、フォトクロミックガラス、電導性ガラス、またはレーザー用ガラスなど、様々な特性を持たせたガラス材料が数多く報告され、一部は製品として使用されています。一般の工業製品の場合、多数の製造工程を経て最終製品が造られますが、ガラスは複数の原料を混合し溶融させた後成形するといった比較的簡便なプロセスで作られます。またその成形品の形も、自由自在に変えられるという点にガラスの大きな特長があります。ガラスは一般に膨張率の小さい物質ですが、その膨張率を調べることや各物性の変化温度を把握しておくことは、製品の品質を管理してゆく上で重要なこととなります。ここでは、TMA100およびTMA300によるガラスの測定例を紹介します。
TA No.32
  • 動力学的試験法による弾性率の測定
    高分子材料の色々な用途に対して、力学的性質が最も重要なものの1つと考えられます。材料の弾性率を求めることは、この力学的性質を知る上で有効な手段です。ここではTMA/SS熱・応力・歪測定装置を用いて、試料に周期的な荷重を与え変位を観測し、応力と歪の関係よりヤング率を求めた例を紹介します。TMA/SSは、一般的な引っ張り試験機と異なり微小荷重領域での精度の高い測定が可能なため、特に薄いフィルム等の力学的特性をも求めることができます。今回は試料として完全弾性体であるバネと、高分子材料としてゴムおよび低密度ポリエチレンフィルムを用いました。
TA No.24
  • 動的粘弾性測定への応用 -TMA/SSによるtan測定-
    動力学的試験では、応力を周期的に変化させた時の材料の歪応答を測定しますが、特に応力に対する歪の遅れ(tanδ)は、対象となる試料の分子運動の変化を最も敏感にとらえる因子として用いられています。 ここでは、TMA/SSの周期モードを使用し、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)のブロック共重合体について、応力・歪の位相差より、tanδを測定した例を紹介します。
TA No.23
  • ポリエチレンフィルムの熱分析II
    包装材などに用いられるポリエチレンフィルムには、一般に補強剤などが添加されており、この効果についてTMAおよびDSCによる測定例を紹介しました。さらに、TMA/SSを使用することにより、その力学的性質についての情報を得ることが可能となります。今回は、前回使用したポリエチレンフィルムについて、TMA/SSによりクリープ測定および応力・歪測定を行った例を紹介します。
TA No.21
  • 熱膨張・熱収縮の異方性
    熱機械的分析法(TMA)では、物質の温度に対する寸法(長さ)の変化などを調べることができます。 試料の材質や組成、構造などによっては、測定する方向で変化のしかたや大きさが異なる場合があります。方向によって物性が異なることを異方性といい、TMA測定により異方性についての知見を得ることができます。 ここでは、TMAによりプリント基板(ガラス繊維強化エポキシ樹脂)とポリエチレンフィルムについて分析した例を紹介します。
TA No.20
  • ポリエチレンフィルムの熱分析I
    ポリエチレンフィルムは包装材として広く使用されています。通常ポリエチレンフィルムには機能性を向上させるためにいろいろな物質が添加されています。そのひとつにフィルムの強度を向上させるために添加する補強剤があります。 ここでは、TMAおよびDSCで、補強剤の配合比率の異なるポリエチレンフィルムについて測定した例を紹介します。

DMA

DMA
TA No.80
  • キャンディの熱分析 -キャラメルとチューイングキャンディ-
    熱分析は食品の分野においても、原材料の結晶性や融解温度の分析のほか、熱安定性の評価など、広く活用されています。また、加工食品では複数の食品素材による混合物となるため、原材料単体の物性がそのまま反映されるとは限らず、それら成分比を変えることによって、特性が異なる場合があります。今回は、キャンディに分類されるキャラメルとチューイングキャンディについて、示差走査熱量測定(DSC)、および動的粘弾性測定(DMA)により、特性評価を行った結果を紹介します。
DMS No.34
  • 複合材料の動的粘弾性測定IV -炭素繊維強化エポキシ樹脂プリプレグ-
    プリプレグは繊維強化樹脂系複合材料の一種で、 ガラス繊維や炭素繊維などの繊維強化材にエポキシ系などのマトリックス樹脂を含侵(pri-pregnated)させ、半硬化状態とした予備成形材料です。  炭素繊維強化エポキシ樹脂プリプレグは、あらかじめ硬化剤を配合してあるエポキシ樹脂を炭素繊維に含侵させ、容易に積層や加工ができる程度に硬化反応を進めたプリプレグで、ゴルフクラブなどのスポーツ用品や、航空機部材などに用いられています。  今回は、複合材料の動的粘弾性測定の応用例として、炭素繊維強化エポキシ樹脂プリプレグの測定例とともに、参考までにDSC(示差走査熱量計)による測定結果を紹介します。
DMS No.33
  • 磁気フィルムの動的粘弾性測定III -複合材データ算出ソフトによる磁性体層の解析-
    粘弾性測定の対象となる試料の中には、評価したい物質単体で試験片を調製することが困難な場合があります。そのような場合の一例として、カセットテープやビデオテープのような磁気テープにおける磁性体コーティング層のみの粘弾性特性を評価したい場合が挙げられます。  このようなコーティング試料について、コーティング層のみの粘弾性特性を評価する方法として、複合材データ算出ソフト(オプションソフト)を利用し、コーティング層のみの粘弾性データを求める方法があります。複合材データ算出ソフトは、図1のような、あるベース材上に別の種類の材料がコーティングされている系(2成分並列結合モデル)において、ベース材のみの測定結果と系全体(ベース材+コーティング材)の測定結果より、コーティング層のみの粘弾性データを計算により求めるソフトウェアです。  ここでは、アプリケーションブリーフですでに紹介しましたビデオテープの動的粘弾性測定例1)について、複合材データ算出ソフトを用い磁性体コーティング層のみの粘弾性データを求めた例を紹介します。
DMS No.32
  • 雰囲気制御型動的粘弾性測定システムの紹介
    動的粘弾性測定は、材料の機械的特性の評価手段として一般に広く利用されています。その中で、雰囲気制御型動的粘弾性測定システムを用い、さまざまな環境下(例えば、調整された湿度雰囲気下や、水や有機溶媒等の液中など)で材料の特性評価を行う方法があります。これまでには、一定温度で相対湿度を変化させることにより、材料の水分吸着特性を評価したや、異なる有機溶媒中でのゴムの粘弾性特性を測定したなどが報告されていますが、近年このような測定に対する要望が高まってきています。  今回は、雰囲気制御型動的粘弾性測定システムを紹介します。このシステムは、一定温度下での湿度の走査はもとより、一定湿度を保ちながら温度の走査をも行うことができ、さらに水や有機溶媒などの液中での測定も可能なシステムです。ここでは、本システムの装置構成と湿度調整のメカニズムについて概要を述べるとともに、測定例としてナイロン6の一定湿度下における温度分散測定の結果と、有機溶媒中での天然ゴムの測定結果を紹介します。
DMS No.31
  • 熱可塑性エラストマーの動的粘弾性測定
    熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomer:TPE)は、常温でゴム弾性を示し高温で熱可塑性を示す、ゴムとプラスチックの両方の性質を兼ね備えた高分子材料です。TPEは、一般のプラスチックと同様に成形加工ができるため、加硫ゴムに比べ生産性が良く、またリサイクルも可能なことから、従来の加硫ゴムに替わる材料として、自動車、機械、家電、医療または事務用品や日用品にいたる幅広い分野で利用されています。  TPEは、分子内にゴム弾性を示す柔軟性成分(ソフトセグメント)と、加硫ゴムの架橋点に相当し塑性変形を防ぐとともに、材料に補強効果をもたらす分子拘束成分(ハードセグメント)の2成分により構成されています。TPEは、このソフトセグメントとハードセグメントの種類や組み合わせにより、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPEE)、またはアミド系(TPAE)などに分類されます1)。いずれのTPEについても、互いに非相溶性であるソフトセグメントとハードセグメントは、ミクロ相分離構造または相互に貫通した網目構造をとり、これらの構造は材料全体の機械的特性に大きく関与します。 動的粘弾性測定は、さまざまな高分子材料の機械的な特性を評価することができ、さらにポリマーの分子構造や分子運動に関する情報を得ることのできる測定法として、広く一般に利用されています。  ここでは、TPEの動的粘弾性測定の応用例として、TPEの中でももっとも汎用的に使用されているスチレン系TPE(SBC)の測定例を紹介します。
DMS No.30
  • ポリプロピレンの動的粘弾性測定
    PP(ポリプロピレン)は、代表的な汎用樹脂の一つとして、自動車部品や家電製品などのほか、さまざまな日用品にいたる幅広い分野で用いられています。 工業材料として一般に用いられているPPには、ホモポリマー(純粋にプロピレン単位のみからなるPP)、ブロックコポリマー(エチレンとのブロック共重合体)、およびランダムコポリマー(エチレンとのランダム共重合体)の3種類があります。これら3種類のPPは、それぞれ異なった性質を持っており、最終製品に要求される特性に応じて使い分けられています。 3種類のPPについて分子構造の概念図を示します。中でもブロックコポリマーについては、実際にはブロックPPの他に、ホモPP、EPR(エチレンプロピレンラバー)、およびPEコポリマーが混合された形になっており、連続相としてのマトリックスPPの中にEPRとPEコポリマーのドメインが分散相として存在する、いわゆる海島構造になっています。 今回は、PPの動的粘弾性測定の応用例として、PPのホモポリマーとブロックコポリマーの測定例を紹介します。
DMS No.29
  • 複合材料の動的粘弾性測定III-炭素繊維強化ポリエーテルエーテルケトン-
    PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、エンジニアリングプラスチックの一種で、溶融成形可能な結晶性の熱可塑性ポリマーの中ではもっとも高い耐熱性を有する材料です。また、耐疲労性、耐侯性、耐溶剤性、または難然性等の諸特性に優れており、電気、電子、自動車または機械などの分野で利用されています。 PEEKをマトリックスとした炭素繊維強化PEEKは、従来のエポキシ樹脂をマトリックスとした複合材料に比べて、成形加工が容易なことや、破断伸び率が高く損傷に対する抵抗性が高いこと、さらに将来的にリサイクル可能なものもあるなどの理由から、航空宇宙分野を中心に先端産業向けの材料としてその用途開発が進められています。 今回は、複合材料の動的粘弾性測定の応用例として、炭素繊維強化PEEKの測定例を紹介します。
DMS No.28
  • ポリマーアロイの動的粘弾性測定Ⅰ -ABS樹脂-
    ABS樹脂は、汎用高分子材料の一つとして、自動車部品や家電製品などのほか、さまざまな日用品にいたるまで幅広い分野で用いられています。 ポリスチレンなどの非晶性ポリマーにゴム成分をブレンドすることにより、耐衝撃性を向上させる試みは1940年代に完成し、ABS樹脂をはじめとする耐衝撃性高分子材料が開発されています。これらの耐衝撃性高分子材料は、ポリスチレンなどのガラス状ポリマーが連続相となり、ゴム状ポリマーが粒子状分散相を形成する二相分離構造になっています。 ABS樹脂は、図1のようなアクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、およびスチレン(S)の3成分で構成され、図2のようにAS樹脂相(アクリロニトリルとスチレンの共重合体)を連続相とし、アクリロニトリルとスチレンをグラフト共重合させたポリブタジエンゴム相を分散相とする、いわゆる海島構造のポリマーアロイです1、2)。またABS樹脂は、ポリブタジエンやアクリロニトリルの含有率、またはアクリロニトリル-スチレン樹脂相の分子量を調節することにより、耐衝撃性や剛性などの材料特性を任意に変えることができ、目的に応じた品質設計が可能です。 今回は、動的粘弾性測定によるポリマーアロイのキャラクタリゼーションの応用例として、ABS樹脂の測定例を紹介します。
DMS No.27
  • 複合材料の動的粘弾性測定II -ガラス繊維強化ポリプロピレン-
    複合材料は、一般に樹脂成分からなる連続相(マトリックス相)と、補強材からなる不連続相(分散相)より構成されており、複合材料としての特性は、主にこれら構成成分の物性や配合割合、および構成成分間の界面の構造や相互作用によって決まる。中でも、界面の状態が材料全体の諸特性に与える影響は大きく、従って複合材料においてマトリックス樹脂と補強材の界面での相互作用を高めることは重要であり、これまでに数多くの研究結果が報告されている。界面での相互作用を高める具体的な方法としては、マトリックス樹脂改質法と補強材改質法の2つの方法が考えられている。 今回は、熱可塑性樹脂系複合材料の動的粘弾性測定の応用例として、ガラス繊維強化ポリプロピレンの測定例を紹介する。ここでは、複合材料としての粘弾性特性におよぼすガラス繊維充填の効果や影響、および不飽和カルボン酸によるマトリックス改質法の効果について検討した結果を報告する。
DMS No.26
  • ポリエチレンテレフタレートの動的粘弾性測定 -熱履歴の影響-
    ポリマーは、熱履歴の影響によりいろいろな物性が変化します。ポリマー材料の熱履歴は、成形加工時の諸条件や、その材料の保存状態や使用環境などの要因によって変わります。特に結晶性ポリマーの場合は、その熱的特性におよぼす熱履歴の影響は大きく、その熱履歴を調べるために熱分析法や粘弾性測定法が用いられています。  今回は、ポエチレンテレフタレート(PET)について、熱履歴の違いによる粘弾性特性の違いを測定した例を紹介します。
DMS No.25
  • ポリ塩化ビニルの動的粘弾性測定 -可塑剤の影響-
    可塑剤は、熱可塑性ポリマーに添加することにより、その材料のガラス転移点を低下させ塑性加工を容易にしたり、最終製品に適度な柔軟性を与えるなどの目的で使用されています。可塑剤のほとんどは、ポリ塩化ビニル(PVC)の軟質製品(フィルム、シート、電線被覆材等)に使用されていますが、PVCのほかにポリ酢酸ビニルやポリ塩化ビニリデン、またはポリアミド(ナイロン)などにも使用されています。また可塑剤の種類としては、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、または脂肪酸エステル系などがあり、目的や用途によって使い分けられています。  動的粘弾性測定では、可塑剤によりポリマーを可塑化した場合の粘弾性挙動の変化を評価することができます。可塑剤の種類や濃度の違いによる特性の違いが評価できることから、最終製品に要求される特性を確認する上で有用な方法として広く利用されています。  今回は、PVCの動的粘弾性挙動におよぼす可塑剤の影響について測定した例を紹介します。可塑剤としてPVCに最も多く使用されているDOP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)を用い、可塑化した場合の粘弾性特性の違いや、可塑剤の濃度の違いによる変化を調べた結果を報告します。
DMS No.24
  • 複合材料の動的粘弾性測定Ⅰ -ガラス繊維強化エポキシ樹脂-
    複合材料は、樹脂にガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を配合することにより、樹脂単独では持ち得なかった特性を持たせた材料で、家電製品や自動車、または建築材料など、さまざまな分野で広く用いられています。 複合材料に用いられる樹脂成分としては、不飽和ポリエステル樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、または合成ゴムやエラストマーなどがあります。また補強材としては、ガラス繊維やカーボン繊維などの繊維系のものや、カーボンブラックや炭酸カルシウムなどの粉末状のものなどが用いられています。 ガラス繊維強化エポキシ樹脂(GFEP)は、力学的強度が高いことや、成形収縮が小さく寸法安定性がよいこと、また耐薬品性や電気絶縁性に優れているなどの特徴があり、代表的な繊維強化プラスチック(FRP)として、工業部品やプリント配線基板などに利用されています。 今回は、複合材料の動的粘弾性測定の応用例として、プリント配線基板や絶縁材料として使用されているガラス繊維強化エポキシ樹脂の測定例を紹介します。
DMS No.23
  • 動的粘弾性測定によるPET成形品の評価
    プラスチック成形品は、成形法や成形加工時の熱履歴の違いなどによってその材料の特性が変わってきます。プラスチック成形品の評価には、一般的には熱分析法が最も広く用いられていますが、動的粘弾性測定法も有効な評価方法のひとつとして用いられています。 PET(ポリエチレンテレフタレート)は、代表的な汎用樹脂の一つとしてさまざまな分野で広く利用されています。PETも他のポリマー材料と同様、その使用目的によって異なった成形法が用いられています。代表的な例としては、主に衣料用素材として用いられる繊維(ポリエステル繊維)については溶融紡糸、電気部品や磁気テープなどに用いられるフィルムについては2軸延伸、またはPETボトルに代表されるような型成形品についてはブロー成形や射出成形などが挙げられます。 ここでは、成形法の異なる3種類のPET成形品について、粘弾性特性の違いを分析した例を紹介します。
DMS No.22
  • 動的粘弾性測定による医療材料の評価
    最近、医薬品や医療材料の評価に熱分析が用いられることが多くなっています。代表的な例としては、薬品の純度の決定に示差走査熱量測定(DSC)が、また水分量の測定に熱重量測定(TG)が広く利用されていることなどが挙げられます。動的粘弾性測定(DMS)も医療材料の分野で、その特性評価に利用されることが多くなってきました。例としては、人工関節やカテーテルの評価等があり、最近では血管手術用のメッシュ繊維にもその特性評価に動的粘弾性測定が利用されています。このメッシュは、繊維でできた筒状のもので、つぶれた動脈や静脈の血管中に挿入され、小さな風船によりふくらませることにより、血管のつぶれた部分を修復するものです。これにより心臓発作の救急医療の際に、メッシュが動脈壁を保持するため、心臓は安定化します。この場合、血液の流れをスムーズにするために、メッシュは適当にふくれて動脈壁をしっかり支えなければなりません。したがって、このメッシュに使用される繊維の機械的特性を調べることは、非常に重要なこととなります。  今回は、動的粘弾性測定により、この血管手術用メッシュに使われる繊維を測定した例を紹介します。
DMS No.21
  • 動的粘弾性測定による分離膜の特性化
    フッ素系高分子イオノマーのひとつであるナフィオンは、テトラフルオロエチレンとバーフルオロスルフォニルエトキシビニルエーテルとのランダム共重合体を加水分解したもので、図1に示すような化学構造式で表すことができる。ポリテトラフルオロエチレンに匹敵する機械的強度、耐熱性、耐薬品性を有し、イオンを選択的に透過するため、食塩電解用隔膜など分離膜としての工業的利用が試みられている。 ナフィオンは電解質溶液の分離膜としてだけではなく、アルコール水溶液の分離膜としても応用が考えられている。分離膜としての機能はナフィオンの化学構造だけでなく、膜の高次構造にも起因する。すなわち、疎水性のフルオロカーボンと親水性のイオンが分子内に共存するために、フルオロカーボンのマトリックス中にイオンクラスターが分散した不均一な構造をとると考えられている。イオノマーの高次構造解析は主として小角X線散乱などによって行われてきているが、ここでは動的粘弾性測定によるイオノマーの高次構造を分子運動の観点から解析した例を説明する。
DMS No.20
  • 磁気フィルムの動的粘弾性測定II
    カセットテープやビデオテープなどの磁気フィルムの磁気コーティング層は、粉末状の磁性体がPET(ポリエチレンテレフタレート)などのベースフィルム上にコーティングされていますが、この磁性粉末をフィルム状にし、ベースフィルムに固定するために、いろいろな種類のバインダーが用いられています。
DMS No.19
  • 磁気フィルムの動的粘弾性測定I
    磁性体を表面にコーティングした磁気フィルムは、カセットテープ、ビデオテープ、またはコンピュータのフロッピーディスク等、いろいろな用途に利用されています。これらの磁気フィルムの特性は、使用されている磁性体やバインターの特性によって、大きな影響を受けます。磁性体は、通常ポリエチレンテレフタレート(PET)等の、安定な熱可塑性ポリマー上にコーティングされています。磁気フィルムは、コーティング層やベースフィルムの厚さが25μm以下と薄いため、従来は動的粘弾性測定による特性評価は難しいとされていました。  動的粘弾性測定法は、プラスチック、フィルム、繊維、エラストマー、熱硬化性樹脂、または複合材料等、さまざまな高分子材料の物理的、機械的な特性坪価を行うことが可能です。この測定法は、ポリマーの分子構造や分子運動に関する豊富な情報を与えてくれます。DMS200粘弾性スペクトロメータは、高感度な粘弾性測定ができるため、ビデオテープなどの磁性体がコーティングされている薄膜の転移を容易に検出することが可能です。  今回は、厚さ20μmのビデオテープと、このビデオテープのベースフィルムとして使用されている厚さ9μmのPETフィルムの測定例を紹介します。
DMS No.18
  • 配向ポリプロピレンフィルムの動的粘弾性測定
    ポリプロピレンは代表的な汎用高分子材料の一つ として、様々な用途に広く利用されています。ポリプロピレンフィルムの機械的特性は、フィルムに成形する際の条件が強く反映されます。成形条件の違いはポリプロピレンの結晶構造に影響を与え、結晶状態が変化するために、最終成形品に示される機械的特性が変化するためです。これらの理由から、熱分析装置や動的粘弾性測定装置を用いて、ポリプロピレンの構造や状態を評価する事は、重要なこととなります。  今回は、配向ポリプロピレンフィルムの動的粘弾性測定例を紹介します。
DMS No.17
  • 湿潤時におけるポリエステルフィルムの動的粘弾性測定
    動的粘弾性測定は、高分子材料の機械的な特性や分子運動性を知るために広く利用されています。ここでは湿潤した染色および末染色ポリエステル(PET)フィルムの動的粘弾性を測定し、PETフィルムの分子運動に及ぼす水分の影響を検討しました。
DMS No.16
  • 染色ポリエステルフィルムの動的粘弾性測定
    動的粘弾性測定は、高分子材料の機械的な特性や分子運動性を知るために広く利用されています。 ここでは染色ポリエステル(PET)フィルムの動的粘弾性を測定し、PETフィルムの分子運動に及ぼす染料の影響を検討しました。
DMS No.15
  • 加硫ゴムの動的粘弾性測定
    一般的に工業材料として使用されるゴムは、硫黄や有機多硫化物により加硫された、いわゆる加硫ゴムが多く用いられています。原料ゴムは、加硫によってゴムの分子構造内に架橋を生じさせることにより、熱可塑性が減少し、弾性、引っ張り強さ、または対摩耗性などの物性が向上して工業的利用が可能になり、さらに耐溶剤性や、耐熱性、耐寒性などの性質が改善されることが知られています。また加硫ゴムは、加硫剤や加硫促進剤の量、または温度や時間などの加硫条件によって、架橋密度や架橋分布が異なってきます。  動的粘弾性測定により、加硫ゴムの加硫度の違い、すなわち加硫による架橋の度合いの違いを調べることができます。  今回はゴムの動的粘弾性測定の一例として、架橋密度の異なる加疏ゴムの測定例を紹介します。
DMS No.13
DMS No.12
  • ポリエチレンフィルムの動的粘弾性測定
    ポリエチレンは、代表的な工業材料の一つとして、いろいろな分野に広く用いられています。工業材料としてのポリエチレンの示す機械的な特性は、製造工程における成形条件や加工条件によってそのほとんどが決まります。  動的粘弾性測定は、ポリエチレンを用いたいろいろな材料の機械的な特性の評価に使われているばかりではなく、新しい材料を開発する上でも重要な役割を果たしています。  ここでは、引っ張りモードによるポリエチレンの動的粘弾性測定例を紹介します。
DMS No.11
DMS No.10
DMS No.09
DMS No.08
DMS No.07
  • 動的粘弾性測定による活性化エネルギーの解析
    動的粘弾性測定により、ポリマーのさまざまな緩和現象の見かけの活性化エネルギーを求めることができます。粘弾性測定の結果より見かけの活性化エネルギーを求める方法は、古くから多くの研究者によって検討されており、現在までにいくつかの方法が報告されています。 表1に、力学緩和の種類とそれらの緩和現象におけるおおよその活性化エネルギーを示します。ポリマーの動的粘弾性測定の結果から、見かけの活性化エネルギーを評価することにより、得られた各分散が、主分散(ガラス転移)、局所モード緩和、または側鎖の緩和等、分子構造上どのような運動に対応しているかを推定する手がかりを得ることができます。見かけの活性化エネルギーを求める方法については、すでに前号のアプリケーションブリーフの中で、シフトファクターaTより求めることができることを紹介しました。今回は温度分散と周波数分散の同時測定における、損失正接(tanδ)データより見かけの活性化エネルギーを求める方法を紹介します。
DMS No.06
  • 動的粘弾性測定によるマスターカーブの作成
    ポリマーのさまざまな粘弾性特性について、広い範囲にわたる周波数依存性を評価する方法の一つに、動的粘弾性測定によりマスターカーブを作成する方法があります。  粘弾性測定結果における周波数と温度の間には、「時間-温度重ね合わせの原理」にもとづく一定の関係があるため、例えば温度の変化を周波数の変化に換算し、一定温度における粘弾性特性の周波数依存性を調べることができます。この方法により実測不可能な広い周波数域での粘弾性特性を、任意の温度における特性として予測することができます。またマスターカーブよりシフトファクターaTを求めることにより、その緩和現象についてより詳細な議論を行うための情報を得ることができます。  ここでは、WLF式によるマスターカーブの作成法を紹介します。
DMS No.05
DMS No.04
DMS No.03
DMS No.02
DMS No.01
  • * "NAFION"は米国The Chemours Company FC, LLC 社の日本およびその他の国における登録商標です。