事業ポートフォリオの見直しで、成長軌道へ

2011年度連結決算は、東日本大震災と原子力発電所事故に伴う電力不足、タイ大洪水、円の高止まりなどにより、経営環境が一気に悪化し、売上高が前期比1.2%減の6,459億円、営業利益同8.7%減の255億円、当期純利益同19.6%減の143億円となった。

「CS11」、「中期経営計画」がスタートした2012年4月、当社は、工業材料営業本部、電子材料営業本部の再編、環境・エネルギー営業本部の改組など事業構造改革を進めるとともに、新事業・新製品の開発などに注力し、セイコーインスツルメンツ株式会社の子会社であるエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社を買収し、2013年1月に株式会社日立ハイテクサイエンスを設立した。

しかし、2012年度連結決算も、欧州経済の低迷や中国など新興国の成長鈍化もあって、売上高が前期比13.7%減の5,575億円、営業利益同25.6%減の190億円、当期純利益同14.7%減の122億円とさらに厳しいものとなった。

久田社長は、業績回復に向けて、事業ポートフォリオの強化、開発最重視による新事業創生の加速、収益構造の強化とキャッシュフロー経営の徹底などをあらためて呼びかけた。

事業構造改革では、採算性が悪化している液晶製造装置事業やチップマウンタ事業の構造改革として、2013年4月にファインテックシステム事業統括本部を株式会社日立ハイテクエンジニアリングサービスに譲渡し、同社の商号を株式会社日立ハイテクファインシステムズに変更した。

10月にも、分析装置の設計、販売機能を株式会社日立ハイテクサイエンスに、株式会社日立ハイテクコントローズシステムズの計装事業の設計・製造機能を株式会社日立ハイテクソリューションズにそれぞれ統合。日立ハイテクコントロールシステムズの製造受託機能を株式会社日立ハイテクマニファクチャ&サービスに集約した。同じく10月には那珂地区ロジ製造棟が完成し、震災からの復興にめどをつけた。

2013年6月には、森 和廣社外取締役会長が就任。株式会社日立製作所で電力、交通、中国・アジアの営業展開などで実績をあげてきた森会長は、「お客様起点の仕事、チームワーク、仕事のスピードアップ」をあらためて強調した。

海外展開では、2013年4月に日立ハイテクノロジーズインド会社、2014年1月に日立ハイテクノロジーズロシアを設立した。

一連の経営改革と事業強化により、2013年度連結決算は、売上高が前期比14.7%増の6,391億円、営業利益同60.6%増の304億円、当期純利益同48.2%増の180億円と3期ぶりの増収増益となった。

森 和廣
社外取締役会長
子会社の事業再編を報じる
2013年6月4日付 日経産業新聞