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正確度と精度

 半導体製造工程の要所要所で行われる「計測」「検査」には、精度の高い装置が必要となります。では、高精度の計測装置とはどんな装置でしょうか?
 一般に言う「精度」は、厳密には「正確度」と「精密度」、または、「真度」と「精度」の2種類があります。英語では、「正確度:accuracy」と「精度:precision」の違いがあります。
「正確度(Accuracy)」とは、「真値」にどれだけ近い値であるかを示す尺度です。一方、「精度(precision)」は、複数回の測定等の値の間での互のばらつきの度合いの尺度で、「再現性」ともいいます。

精度:precision

図3-1は、ある計測結果を時系列にプロットしたものです。
同じものを計測装置で繰り返し測定したとき、計測結果はいつも同じ値を示すはずです。
しかし実際の計測では、外乱やノイズの影響で、測定値がばらつきます。

計測値の推移例
図3-1 計測値の推移例

 計測値を度数分布で表したものが、図3-2です。多くの計測データを収集すると、データの分布は、図3-2の様にガウス(正規)分布に近づきます。分布の特徴は、平均値:μ(ミュー)と標準偏差:σ(シグマ)で表されます。データは、μ±3σの中に99.73%の確率で入るという意味があります。

μ:平均値(Mean)
σ:標準偏差(Standard Deviation )

ガウス(正規)分布
図3-2 ガウス(正規)分布

 σが小さいと図3-3(a)のように、ばらつきが小さくなり、大きいと(b)のようにばらつきが大きくなります。ばらつきが小さい場合を精度(precision)が高い、または、再現性(repeatability)が高いといいます。

ガウス(正規)分布(その2):σの値とばらつきの大小
図3-3 ガウス(正規)分布(その2)

 この状態は、鉄砲で的を撃つことでたとえられます。
ばらつきが小さい場合は、撃った痕が小さい領域に固まっています(図3-3(a)右図)。
ばらつきが大きい場合は、撃った痕が広く散らばっています(図3-3(b)右図)。

正確度:Accuracy

 再現性が高くても、「真値(正しい値/的の中心)」であるとは限りません。図3-4のように計測した値が真値(的の中心)とずれていることがあります。計測した平均値:μが真値に近い場合を、「真度」または、「正確度」(Accuracy)が高いといいます。

計測装置の測定結果
図3-4 計測装置の測定結果

以上をまとめますと、

  • ばらつき(σ)が小さいものが、「精度」(Precision)が高い
  • 平均値μが、「真値」に近いものが、「正確度」(Accuracy)が高い

といえます。この状況を図3-5に示します。

精度と正確度
図3-5 精度と正確度

 測長SEMのような計測装置では、基本的に高い「精度」(Precision)が求められます。「精度」の高い装置が高性能な計測装置ということになります。測長SEMは3σで計測寸法の1%程度という高い「測長再現性」を有しています。
正確度は、「標準マイクロスケール」のような標準原器を用いて、計測値が真値に一致するように校正をすることで、調整することができます。

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