ページの本文へ

Hitachi

日立ハイテクサイエンス

リチウム(Li)イオン二次電池とは、リチウムイオンが正・負極間を移動することによって、充電・放電が行なわれる電池でノートパソコンや携帯電話など携帯機器に広く普及しています。最近では、自動車用にも研究が進められ、さらなる広がりが期待されています。リチウムイオン二次電池の信頼性や寿命を確保するために、生産工程での異物の管理が重要視されています。
EA6000VXは、上面照射型エネルギー分散方式の蛍光X線分析装置で、非破壊前処理なしで、試料の元素分布を世界のトップクラスのスピードで測定でき、従来まで長時間かけていた異物測定を飛躍的に短縮することに成功しました。しかも、検出器冷却用の液化窒素も必要としません。試料の大きさは最大200mm × 250mmの全面を元素マッピングすることが可能であり、電池材料であるシート状の正極材、負極材もそのまま測定することができます。

リチウム(Li)イオン二次電池の構造図

リチウム(Li)イオン二次電池の構造

実際の異物分析を擬似させるために、携帯電話からリチウムイオン二次電池の正極板を取り出し、50~200µm程度のSUS粉末を正極板(CoMn)上に撒いてマッピングによる SUS粉末の検出実験を行ないました。

わずか数分で、CoMn上にSUS粉末数十~200µm程度の異物を検出しました(図中の白い部分)。

リチウムイオン二次電池試料像
試料像

リチウムイオン二次電池 FeKαマッピング像
FeK α

リチウムイオン二次電池 CaKαマッピング像
CoK α

リチウムイオン二次電池 CrKαマッピング像
CrK α

矢印で示された異物検出部の一部を拡大し、選択した3箇所についてスペクトルによる確認を行った結果を示します。
A範囲は未検出、B範囲は試料像とマッピング像でSUS粉末を確認しました。また、C範囲はマッピング像のみでSUS粉末を検出したことにより、目視できないサイズのSUS粉末を検出したことがわかります。

拡大試料像
試料像(拡大)

Fe-Kαマッピング像
Fe-Kαマッピング像(拡大)

スペクトル情報から、BおよびC範囲にSUS粉末があることを確認しました。

A範囲のスペクトル
A範囲のスペクトル

B範囲のスペクトル
B範囲のスペクトル

C範囲のスペクトル
C範囲のスペクトル

以上からEA6000VXは短時間に異物の検出だけではなく、元素分析も行なうことが可能です。