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熱機械分析(TMA)の定義と解説

熱機械分析(TMA)の定義

  • A technique in which a deformation of the sample under non-oscillating stress is monitored against time or temperature while the temperature of the sample, in a specified atmosphere, is programmed. The stress may be compression,tension,flexure or torsion.
  • 試料の温度を一定のプログラムによって変化させながら、圧縮、引張り、曲げなどの非振動的荷重を加えてその物質の変形を温度又は時間の関数として測定する方法。

上は熱機械分析(TMA)のICTACおよびJISによる定義を示したものである。 TMAは試料に非振動的荷重(一定荷重)をかけながらの温度に対する変形を計測する手法である。 荷重の与え方として、圧縮、引張り、曲げ等の種類がある。

熱機械分析(TMA)の解説

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図1 応力・歪制御TMAの装置構成

上図は、従来のTMAの構成から機能を拡張した、応力・歪制御TMA装置(TMA/SS)の構造を示す。

ヒーター内に試料を設置し、変位検出部と荷重発生部に接続されているプローブを試料にあてる。試料近傍には温度計測用の熱電対が配置される。

荷重発生部(磁石とコイル、分銅等)からプローブを介して試料に荷重を与えながら、ヒーターにて試料温度を変化させる。さらに、応力または歪を一定速度で変化させながらの測定も可能である。

温度変化に対応して試料の熱膨張や軟化等、試料の変形が起こると、変形に伴う変位量がプローブの位置変化量として、変位検出部で計測される。 変位検出のセンサーとしては差動トランス(Linear Variable Differential Transformer : LVDT)が用いられる。

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図2 TMAプローブの種類

TMAで用いられるプローブには、試料への荷重のかけ方に対応していくつかの種類がある。

(a)膨張・圧縮プローブ:
圧縮荷重をかけ、試料の熱膨張や、転移による形状変化を計測するためのプローブである。もっとも良く用いられる。

(b)針入プローブ:
圧縮プローブの先端に針状の細い突起を設け、局部的に大きな荷重をかけ、試料の軟化点を測定するためのプローブである。針入プローブの先端径は1、 0.5mmおよび円錐形がある。

(c)引張りプローブ:
フィルム、ファイバー状の試料に用いられ、引張り荷重をかけ、試料の熱膨張や、熱収縮等を測定するためのプローブである。

プローブの材質としては、石英ガラス、アルミナ、金属等が用いられ、温度範囲や用途によって使い分けられる。

TMAでは熱膨張、熱収縮、軟化点などが主な測定対象となる。更に近年のTMA装置には応力・歪、応力緩和、クリープ測定などの機能も付加され、膨張係数といったTMA機能だけではなく様々なアプリケーションが可能となっている。また、各種材料の高温/高湿環境下でのTMA測定も多くなっている。

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