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日立ハイテク
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マテリアリティ2 健康で安全、安心な暮らしへの貢献

アイコン:すべての人に健康と福祉をアイコン:産業と技術革新の基盤を作ろう

基本的な考え方・めざす姿

「健康で安全、安心な暮らし」は人類共通の願いです。当社グループは、これまで培った「見る・測る・分析する」(計測・分析技術)をさらに究めることで、医療、水・食品、社会インフラの3分野を中心に、人々が健康で豊かな生活を送り続けることができる未来に貢献します。

活動目標

1. 予防医療へのアクセス拡大

高効率な診断を可能にする検査装置等の開発・提供により、検査時間の短縮、受診者の増加や検査料の低減に貢献します。また、医用分析装置や遺伝子検査装置等の開発・提供により、高まる個別化医療ニーズへ対応し、予防医療推進や医療費抑制に貢献します。

2. 水・食品の安全性確保

専用市場に特化した検査装置の開発・提供により、水・食物・人体等への有害物質蓄積防止に貢献します。また、上下水道設備におけるろ過水や排水の計測装置を提供することで、安全な水を供給し、人々の安全な暮らしをサポートします。

3. 社会インフラの安全性確保

道路、トンネル、鉄道、空港等の建造物に対する非破壊高速診断および予兆診断を実現することで、社会インフラの安全性確保に貢献し、人々の安全な暮らしをサポートします。

活動計画

活動計画表

アナリティカルソリューションアナリティカルソリューション

ナノテクノロジーソリューションナノテクノロジーソリューション

バリューチェーンソリューションバリューチェーンソリューション

コアテクノロジーソリューションコアテクノロジーソリューション

取り組み内容の詳細

活動目標1 予防医療へのアクセス拡大

1 難病(がん等)の診断・治療に貢献する、分子診断の検査サービスと装置の提供アナリティカルソリューション

2022年度実績

新拠点「ヘルスケアイノベーションセンター東京」で広がる、ビジネスパートナーや顧客との新たな協創の可能性

2022年10月に創設した統合型ラボ「ヘルスケアイノベーションセンター東京」は、ショールームや装置研修といった従来の機能に加え、定期的なセミナー/ワークショップ開催をはじめ情報発信や実験など、ビジネスパートナーや顧客との協創に取り組みやすい環境を有しています。羽田エリア/天空橋駅直結で交通アクセスの利便性もよいため、そのロケーションを生かし、ビジネスパートナーやお客さまとの活発な交流の拠点として、活用をすすめています。

ヘルスケアイノベーションセンター東京

ヘルスケアイノベーションセンター東京

2024年度に向けた取り組み

分子診断の検査サービスと装置の提供

増え続ける医療費や国民皆保険制度の維持という社会課題に対し、適切な病気の診断や治療薬選択に必要な情報として、短時間で、より正確な結果が得られる臨床検査サービスの確立・提供が急がれています。こうした課題に対応するため、当社は分子診断事業に参入し、検査サービスや新たな装置開発で、他社との連携を強めています。2022年5月には米国の検査サービス会社(Invivoscribe社)と連携を開始し、血液がんなどの分子診断領域での医療機関や製薬会社へのソリューション提供をめざし、継続してパートナーシップを強化しています。また、米国のNabsys社とはヒトゲノムの構造解析分野での協力を進めており、2022年にNabsys 社と当社の技術を組み合わせてヒトゲノムのマッピングデータを解析し、その構造変化を見つける技術を確立しました。今後は医師及び患者に、患者一人ひとりへの治療・投薬の適合性や効果がわかる検査結果を届けるため、病気の治療法や予防法につながる、高精度な検査装置ならびに解析サービスの開発を進めていきます。

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アナリティカルソリューションの指標の連鎖図

Topic

感染症検査支援ソリューションコアテクノロジーソリューション

走査電子顕微鏡を活用し、病気の原因菌の早期特定につながる技術を開発中

抗微生物薬の濫用により薬の効かない薬剤耐性菌が出現し、さらなる新薬の開発が繰り返された結果、パンデミックに至ることが世界的に問題視されています。当社は、当社が製造・販売する走査電子顕微鏡を用い、IHU(フランス地中海感染症大学病院研究所・マルセイユ)と連携して、通常、結果が出るまでに24時間程度かかる薬剤耐性菌の特定を、1、2時間で判断できる手法を編み出しました。これは菌体形状の微小な変化を短時間で捉えるもので、薬剤耐性菌かどうかをいち早く判断することができます。病気の原因菌を早期に特定できれば、治療方針も早く決められ、適正適量な薬の投与が可能となるため、人も家畜も病気による身体的負担や生命の危機などを軽減できます。当社は、この観察手法を学会で発表するなどにより、世の中に広めるとともに、病院等での検査の実現をめざし、開発を進めています。

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左が薬物投下前の菌の様子 右が薬物投下後 (60分での反応結果)
Reference: Haddad, G. et al., Front. Microbiol. 2021, 12, 658322.

活動目標2 水・食品の安全性確保

2 製品や材料に含有されている有害物質を検出する装置とサービスの提供コアテクノロジーソリューション

2022年度実績

有害物質を検出する装置とサービスの提供により、有害物質の流出防止に貢献

電気・電子機器に含まれる有害物質は、EUの規制(RoHS指令)他、各国の法令で規制されています。健康被害を及ぼす物質の拡散防止に寄与するため、当社は、これらの規制に対応し、製品検査や材料受入検査で有害物質を検知する装置を提供しています。また、各拠点の装置をネットワークで繋げ、計測結果などに、日時や場所を問わずアクセスできることも可能にしています。
日本政府は2030年までにワンウェイプラスチック(一度使用されると廃棄されるプラスチック)の排出を累積で25%抑制することや、プラスチック原料の容器包装の6割をリユース・リサイクルするといった目標を掲げています。こうした背景から、さまざまな業界でもサーキュラーエコノミーへの意識が高まっており、プラスチック素材についても、再生材料の利用が注目され始めています。しかし再生プラスチックは、そもそもどこで作られたのか出どころがわかりにくいため、土壌や水、人体などに影響のある物質が流出する懸念があります。当社はこれまで、環境規制物質管理の専用機を開発・販売してきており、再生プラスチック材に対する検査にも対応することで、再生プラスチック材を使用した製品への有害物質混入リスクと、有害物質が市場や環境に流出するリスクの軽減をめざします。

2024年度に向けた取り組み

再生プラスチックを使用した製品への有害物質混入リスク低減により、有害物質の流出防止と、プラスチックリサイクルへのさらなる貢献をめざす

現在、RoHS指令の規制物質の追加が検討されており、当社は、当該物質が測定できる装置の開発を進めています。また、徐々に注目されている再生プラスチックを利用する上で、有害物質混入の計測とデータ管理方法の効率化は重要な課題です。当社はこうしたニーズに対応するため、あらたな計測手法の開発を行っています。実現すれば有害物質が製品に混入し、人が摂取するリスクを軽減し、廃棄による土壌汚染などの防止に寄与します。また、安全なプラスチック材料の調達に貢献することで、プラスチックリサイクルのさらなる推進と、プラスチック廃棄物の削減にも貢献します。当社は今後も、人体や環境への影響に配慮した、安心・安全なものづくりに貢献できるよう、有害物質への速やかな対応をめざします。

コアテクノロジーソリューションの指標の連鎖図

活動目標3 社会インフラの安全性確保

3 大規模データセンターや基幹通信網に採用される、光集積回路(PIC)のエンジニアリングサービスの提供バリューチェーンソリューション

2022年度実績

安全で快適な通信環境の維持・向上に不可欠な通信網の高速化に向け、PICの技術を提供

通信環境の維持・高速化に向けて、GAFAMなどの、大規模データセンターを所有するIT企業が求めているのが、快適で信頼できる安全な通信インフラです。当社は、シリコンフォトニクスの設計を強みとするVLC フォトニクス会社と連携し、光通信の高速化に寄与する技術を用いたPIC を提供しています。2022年度は、長距離伝送機器を開発・製造する顧客の、400ギガや次世代800ギガの光トランシーバ開発に寄与することで、大規模データセンターの安定稼働に貢献しました。

2024年度に向けた取り組み

データ通信の大容量・高速化、データセンターの低消費電力化に対応する、次世代PICのエンジニアリングサービスの提供

動画配信などの従来の需要に加え、生成AIや自動運転などのニーズが加わり、データ通信料の増大が進んでおり、それに伴って、データセンタでの消費電力の増大が社会課題となってきています。その課題解決には、PIC技術を活用した光トランシーバ/光伝送システムが不可欠となってきており、特に次世代1.6Tbps以上の高速通信の実現のため、VLCフォトニクス会社のPIC関連技術を強化し、設計から、光ウェーハ測定、パッケージングまでを一貫して請け負える体制の構築を進め、次世代データセンタの低消費電力化、開発期間短縮、コスト低減等に貢献します。

当社の提供するPIC

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