-微細化が進む電子部品のメッキ膜厚を迅速、安全、容易に測定-
2015年1月14日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)の100%子会社で、分析計測装置を製造販売している株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:池田 俊幸/以下、日立ハイテクサイエンス)は、小型化・微細化が進む電子部品に対応し、直径100マイクロメートル以下の微小部のメッキ膜厚や組成を、迅速・安全・容易に検査する蛍光X線膜厚計「FT150シリーズ(FT150/FT150h/FT150L)」を開発し、日本国内・海外向けに発売します。
FT150/FT150h
FT150L
スマートフォンやタブレット端末などのモバイル電子機器の高機能化や、自動車の電子制御の高度化などに伴い、搭載される半導体や受動部品、コネクターなどの電子部品は小型化・微細化が一段と進んでいます。これら小型電子部品の性能や品質の確保、コスト削減を実現するためには、直径100マイクロメートル以下のごく狭い領域のメッキ膜厚や組成の検査を、高精度かつ効率的に行うことが求められています。
このほど発売する蛍光X線膜厚計「FT150シリーズ」はX線を集光するポリキャピラリ*を採用した、微小部のメッキ膜厚測定を高速で行える高性能機です。X線検出機構の改良により、プリント基板やコネクターなどに主に用いられるAu/Pd/Ni/Cu(金/パラジウム/ニッケル/銅)多層メッキの膜厚検査で、測定スピードを当社従来機(FT9500X、以下同)と比較して2倍以上に高めました。「FT150h」では、新開発のポリキャピラリにより超小型チップ部品の端子メッキ測定も可能です。また従来機同様、筐体の構造をX線が漏えいするリスクが非常に少ない密閉型とし、作業員の安全・安心に配慮しています。併せて新たに設計した試料室扉は大開口にもかかわらず開け閉めが軽快で、かつ大型観察窓によりサンプルの出し入れや位置決めが容易にできます。さらに操作ソフトはアイコンやナビ画面で操作性を高めるとともに、自動データ記録などにより作業者の負荷を軽減します。これらにより、「FT150シリーズ」は高精度・迅速なメッキ膜厚検査を実現し、検査工程の効率化とコスト削減に貢献します。
日立ハイテクサイエンスは1971年に国内で初めて非破壊、非接触、短時間で計測できる蛍光X線を用いた膜厚測定装置を開発して以来、国内外で高い評価を得ています。今後「FT150シリーズ」をICパッケージ部品、小型チップ部品、微小コネクター、プリント基板などのメッキ膜厚や組成検査の需要に向けて国内外で販売を進めてまいります。また、2015年1月28日(水)から30日(金)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「SURTECH2015(表面技術要素展)」に「FT150シリーズ」を出展します。
FT150、FT150h | FT150L | |
---|---|---|
X線発生系 | ポリキャピラリ方式 | |
X線検出器 | シリコンドリフト検出器(Vortex) | |
ステージストローク | 400(X):300(Y):100(Z)mm | 300(X):300(Y):100(Z)mm |
テーブルプレートサイズ | 420(X):320(Y)mm | 620(X):620(Y)mm |
ステージ耐荷重 | 10 kg(偏荷重がない場合) | |
外形寸法 | 930(W)×900(D)×710 (H)mm | 1030(W)×1200(D)×710 (H)mm |
1,750万円~ (FT150/FT150h)
2,000万円~ (FT150L)
100台/年間
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