-計測精度と操作性を大幅に向上し、ナノ領域の研究開発から品質管理などの工業計測に対応-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑正啓/以下、日立ハイテク)の100%子会社で、分析計測装置を製造販売している株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:川崎賢司/以下、日立ハイテクサイエンス)は、3月8日、計測精度と操作性を大きく向上させた走査型プローブ顕微鏡システム「AFM5500M」を日本国内・海外向けに発売します。
新開発のスキャナや低ノイズ3軸センサなどにより高い計測精度を実現するとともに、カンチレバー交換や光軸調整を自動化するなど、操作性を大幅に向上させることで、オペレーターの負担を軽減します。これにより従来多く利用されていた研究開発用途だけでなく、ますます微細化が進む生産現場での品質管理など工業計測用途での利用も可能です。
走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)は、先端が数ナノメートルに尖ったプローブ(探針)でサンプル表面を走査することにより、ナノレベルでサンプル表面の立体形状観察と物性マッピングを同時に行うことができる装置です。これまでSPMは、有機・高分子やエレクトロニクスなど幅広い分野で、ナノ領域の研究開発を中心に利用されてきました。さらに近年、微細化が一段と進む電子部品や高機能材料、精密部品などでは、開発・製造・品質管理工程でより高分解能な計測ができるSPMへの期待が高まっています。しかし従来のSPMでは、円弧運動をする走査機構に起因する歪みや走査範囲の狭さ、またカンチレバーの装着や調整の煩雑さなどにより、熟練したオペレーターが必要とされることが課題となっていました。
AFM5500Mは新たに開発した、平行運動をする走査機構を備えたXY200 µm広域フラットスキャナを搭載することで、直線性の高い計測を実現し、歪み等を改善します。加えて、クローズドループ制御*1の低ノイズ位置センサを装備したことにより、当社従来機と比べ10倍の高精度で3Dプロファイル(表面形状および物性)が取得できます。またカンチレバーの装着・交換、光軸調整を自動化するとともに、さまざまな用途で使える直径100 mmサイズの試料台を採用しています。電動ステージ*2により、簡便な位置合わせ、および複数個所の連続自動測定も可能です。加えて測定パラメータ自動調整(RealTune®Ⅱ)*3によりワンクリックで観察イメージを取得できます。これらにより、高い精度を実現しつつオペレーターの負担を大幅に軽減します。
日立ハイテクサイエンスは、日本で最初にSPMを製品化したリーディングカンパニーです。取り扱っている走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electric Microscope)、走査型白色干渉顕微鏡(CSI:Coherence Scanning Interferometry)とともに、表面観察・解析ソリューションの提供を積極的に進めてまいります。
スキャナと制御方式 | XY:フラットピエゾスキャナ(センサを用いたクローズドループ制御) Z:ピエゾスキャナ(センサ出力による高さ位置検出) |
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走査範囲 | XY:200 µm、Z:15 µm |
試料台 | 最大試料サイズ:直径100 mm、厚さ20 mm ストローク長:XY 100 mm(手動ステージ仕様では13 mm) |
本体外形寸法 | 750 mm x 877 mm x 1400 mm (防音カバー付属タイプ、操作卓およびパソコンは除く) |
防音カバー付:2,250万円~
防音カバー無:1,950万円~
50台/年間
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