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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

微生物迅速検査装置「Lumione BL-1000」を発売

― 最速1時間で、医薬品製造用水内の微生物の有無を検出 ―

2016年8月30日

株式会社 日立ハイテクノロジーズ

 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓)の100%子会社である株式会社日立ハイテクソリューションズ(取締役社長:飯泉 孝/以下、日立ハイテクソリューションズ)はこのたび、医薬品製造用水(製薬用水)の微生物検査向けとして、従来1週間以上を要した検査時間を最速1時間*1に短縮した微生物迅速検査装置「Lumione BL-1000」を製品化し、8月30日から発売を開始いたします。

 製薬用水とは、医薬品の製造工程で使用する水で、日本薬局方*2で定められた微生物管理が求められます。現在、管理の一環で実施する微生物検査には1週間以上の検査時間を要する培養法*3が主に利用されており、長期の検査時間が必要なことが問題となっていました。また、これを解決する迅速検査法として、微生物に含まれるアデノシン三リン酸(ATP)*4を計測する方法が提案されていますが、ATPを用いた検査方法は、検査時間短縮を果たす一方で培養法と同等の検査感度の実現が難しいという問題があり、微生物検査において時間短縮と精度向上を両立する手段が求められていました。

 今回開発しました微生物迅速検査装置「Lumione BL-1000」は、日立独自のATP生物発光法*5を採用し、検査時間を最速1時間に短縮しました。同時に、検査感度上問題となっていた検出系のノイズ低減と高精度な検出を可能とする新しい試薬により、従来比10倍以上の感度向上*6を実現しています。加えて、微生物、ATPの汚染を避けるサンプルろ過用フィルターなど消耗品の製造法を確立したことにより、本製品は検査時間短縮と検査精度向上の双方を達成しました。なお、本製品は、医薬品製造・品質管理に必要なCSV*7に対応しています。

 本製品は今後3年間で約50台の販売を見込んでいます。日立ハイテクソリューションズは、本製品を通じて、今後医薬品の製造現場から品質管理まで幅広い工程における、製造リードタイムの短縮、製造工程内在庫の削減のほか、微生物汚染発生時の汚染源特定、対策期間の短縮に貢献してまいります。

写真
微生物迅速検査装置「Lumione BL-1000」

*1
1サンプル(100ml)について、前処理から測定結果表示までに要する当社内測定結果
*2
日本薬局方:医薬品の規格基準書
*3
培養法:水などのサンプルを長時間培養することで、微生物を目視確認し、微生物の有無・数を検出する方法
*4
アデノシン三リン酸(Adenosine Triphosphate):植物、動物および微生物の細胞内に存在するエネルギ分子
*5
ATP生物発光法:生物に含まれるATPを抽出し、酵素などを含む専用試薬で発光させて、その発光量からATP量を測定する方法(ATP量から微生物の存在を判定する)
*6
当社従来技術比
*7
CSV(Computerized System Validation):医薬品製造に使われるコンピュータ化システムに求められる検証
  • * 「Lumione」は株式会社日立ハイテクノロジーズの日本国内における登録商標です。(商標登録第5836191号)

微生物検査フロー

概要図

主な特長

  • 培養法と同レベルの感度で微生物の有無を迅速に測定
  • 無培養の迅速微生物計測法では検出困難な芽胞形成菌を検出可能
  • 製薬用水における製造装置メンテナンス後の無菌性確認期間を大幅に短縮

主な仕様

【主な仕様】
項目 仕様
分析方式 ATP生物発光法
測定感度 ATP検出下限 ≦ 1amol
ATP測定範囲 0 - 5000 amol
サンプル架設数 24本/ラック
サンプル処理速度 24本/2h
電源 単相AC100V(50/60Hz)、1.5kVA
質量 装置本体 : 130kg
寸法 計測部 630(W)×500(D)×600(H)mm
制御部 660(W)×450(D)×580(H)mm

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お問い合わせ先
株式会社日立ハイテクソリューションズ
計装システム統括本部
代表電話 TEL:03-6758-2092
報道機関お問い合わせ先
株式会社日立ハイテクノロジーズ
CSR本部 CSR・コーポレートコミュニケーション部
担当:佐野、松本 TEL:03-3504-3933
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