-新たにRoHS指令で制限されるフタル酸エステル類を迅速・簡単に検査-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)の100%子会社で、分析計測装置を製造販売している株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:岡田 務/以下、日立ハイテクサイエンス)は、欧州連合(EU)が特定有害物質を規制するRoHS指令において、2019年7月以降新たに使用が制限されるフタル酸エステル類4種*1を迅速・簡単に検査する加熱脱離イオン化質量分析計「HM1000」(以下、「HM1000」)を開発し、7月13日より日本国内・海外向けに発売します。
HM1000
フタル酸エステル類は樹脂やゴム等を柔らかくする可塑剤として、電線被覆材・電気絶縁テープ・包装用フィルムなどの塩化ビニル製品に多く使用されており、玩具・家電製品・エレクトロニクス製品から一般消費財に至るまであらゆる製品の部材として活用されています。
しかしRoHS指令改正により、2019年7月以降、フタル酸エステル類の使用が制限されることになり、その対応が急務となっています。各メーカーでは、製品・部品等に含まれるフタル酸エステル類の含有状況の把握・管理が必要になりますが、従来検査方法*2は有機溶媒による成分抽出などを必要としたため「処理に時間がかかる」、「溶媒*3を多量に使用する複雑な装置のため専門知識が必要」といった課題がありました。そのため、各メーカーの調達や製造の現場では、迅速かつ簡単に検査ができるスクリーニング装置が求められていました。
「HM1000」は、試料からフタル酸エステル類を気化させる試料加熱部と、気化したフタル酸エステル類をイオン化するイオン源部、およびイオン化された成分を分析する質量分析部で構成されています。本装置は、従来の検査方法を簡略化することで、1試料あたり10分以下でのスクリーニング検査を可能にしました。また適量の試料を切り出しサンプルパンにセットする簡単な前処理作業だけで、専用ソフトウェアによる試料成分の検出、定量、含有判定までを自動で行うことができます。加えてオートサンプラーにより最大50個の試料(標準試料を含む)の連続自動測定を可能にするなど、検査工程の効率化と簡易化を実現しました。
フタル酸エステル類のスクリーニング検査装置として開発した「HM1000」をお客様に導入いただくことにより、改正RoHS指令への迅速な対応だけでなく、環境負荷を低減した製品開発に貢献します。
日立ハイテクグループは、科学機器のグローバルプレーヤーをめざすという中期経営戦略のもと、製品の開発・販売を進め、検査・分析機器により世界のモノづくりに貢献してまいります。また、今後ともハイテク・ソリューション事業におけるグローバルトップをめざすとともに、最先端・最前線の事業創造企業としてお客様視点に立ち、顧客および市場のニーズにスピーディに対応してまいります。
試料から抽出した成分ガスの多成分同時測定と、試料の急速加熱・冷却を可能とする新設計の試料加熱部の採用により、1試料あたり10分以下での高速測定を可能としました。
オートサンプラーを用いた最大50個の試料の連続測定や、専用ソフトウェアによる試料成分の検出、定量、判定までの自動化により、操作者の熟練度を問わず、調達や製造の現場で簡単にスクリーニング検査を行えます。
必要なユーティリティは電源と窒素ガスのみで、ランニングコストを抑えることができます。
スループット | 10分間/試料 |
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オートサンプラー | 最大50試料 |
外形寸法 | 510(W)×615(D)×615(H)mm |
電源 | AC200~240V |
キャリアガス | 窒素(ガス発生装置の利用可。排気設備不要) |
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