-脳科学をモノづくりに活用-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、このたび、脳科学をモノづくりに活用する取り組みの一環として、ミズノグループのセノー株式会社(代表取締役社長:尾崎 徹也/以下、セノー社) の新エクササイズシステム「MOTO Tiles(モトタイル)」に関し、エクササイズ時の認知機能向上に関する検証に協力しました。
「MOTO Tiles」は、世界でも有数の福祉国家として知られるデンマークにて、デンマーク工科大学 Dr. Henrik Lundが高齢者の運動機能と認知機能の維持を目的に開発し、セノー社が4月より日本国内での販売を開始しました。本製品は、LEDライト、センサーが組み込まれたタイルを足元に並べ、ライトの点灯に合わせながら踏むことでライトを消していく、踏むと音がなるなど、さまざまなパターンのエクササイズを楽しみながら遊び感覚でできます。
近年、日本では高齢化が進む中、心身ともに健やかな日常生活を送る「健康寿命」の伸長が注目され、身体のみならず脳を鍛えたいというニーズが高まっています。そこで、これまでも脳科学の知見をさまざまなモノづくりに活用する取り組みを進めてきた日立ハイテクは、今回、セノー社が提供する「MOTO Tiles」使用による高齢者の認知機能向上に関して検証しました。
検証は、日常環境に近い状態で計測することをめざして開発した携帯型脳活動計測装置(HOT-1000)を活用し、エクササイズ前後およびエクササイズ中の前頭前野の脳活動(脳血流反応)と課題正答率に着目し、実施しました。対象は健常な高齢者(62~80歳の男女22名)とし、被験者の左右と斜め前方にタイルを計4枚並べ、点灯色が違う1枚のタイルを踏むエクササイズを60秒続けてもらいました。その結果、正答数が多い人ほどエクササイズ中の前頭前野の脳血流反応が大きいことがわかりました。
また、エクササイズの前後に認知課題を実施したところ、エクササイズ後に、空間認識力と判断力に関連する認知課題(空間性ワーキングメモリ課題*¹、カラーワードマッチング課題*²)の正答率が上昇することがわかりました。
この結果は「MOTO Tiles」を使用したエクササイズにより、場所を把握する能力や異なる色を見分ける能力などの認知機能が短期的に向上することを示しており、さらにエクササイズを継続して行うことで認知機能の向上が期待されます。
本検証は株式会社日立製作所の研究開発グループおよび新潟医療福祉大学 医療技術学部 児玉直樹 教授(当時、高崎健康福祉大学)に協力を得ました。なお、日立製作所は、脳科学をモノづくりに活用する取り組みとして、第三者の専門家が参画するBrain Science審査会を運営しており、検証結果およびその表現の適正を審査し、その審査結果に基づいてBrain Scienceマークの付与を行っています。そして、今回の「MOTO Tiles」にも、Brain Scienceマークを付与しました。
日立ハイテクでは長年培ってきた知見や経験に基づき、脳科学コンサルテーションや商品開発などを推進しております。今後も脳科学に基づく研究を進め、さまざまな分野でパートナー企業との連携を図り、脳科学のモノづくりへの活用を進めていきます。
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