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モノや現象には理由がある。
見て、測って、解析し、細部まで知ることで、
未来につながる確かな一歩が踏み出せるんだ。

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見る、測る、解析する!技術の進化が進歩を生む

科学技術の発展を支える、
分析装置ってどんなもの?

STEP 1 What is analytical system?

富士山のふもと、富士小山事業所へ

ここは静岡県駿東郡小山町にある、
日立ハイテクサイエンスの富士小山事業所。
広い空が気持ちいい…!

出迎えてくれたのは、小柳さん。
「雲がなければ、すぐ間近に富士山が見えるんですよ」と正面を指し示す。

わぁ、きっとすごい迫力なんだろうなぁ。
今日はちょっと残念。
だけど、緑が豊かでいいところですね。

「自然に囲まれたこの場所で、わたしたちは分析装置をはじめとするさまざまな製品をつくっているんですよ。」

分析装置?例えばどんなものがあるんですか?

「そうですねぇ、熱分析装置、蛍光X線分析装置、ICP発光分光分析装置、プローブ…。」

え、えーっと、待ってください。
専門用語がどんどん出てきて、早くも戸惑う私。

「あはは。では、説明は製品を見ながらにしましょうか。」

富士小山事業所でつくられている主な製品

富士小山事業所でつくられている計測・分析装置は、製品開発や研究の現場などで活用されています。

  • 熱分析装置

    熱分析装置

    温度変化による物質の状態の変化を観察・測定する装置です。

    詳しくはこちら>
  • 蛍光X線分析装置

    蛍光X線分析装置

    X線を用いて、製品などを破壊することなく、含まれる物質を調べる装置です。

    詳しくはこちら>
  • ICP発光分光分析装置

    ICP発光分光分析装置

    物質に含まれるごくわずかな成分を、光を利用して高精度に測定する装置です。

    詳しくはこちら>
  • プローブ顕微鏡

    プローブ顕微鏡

    鋭利な先端を持つ針(プローブ)を使って、ナノレベルで物質の表面形状や物性を観察する装置です。

    詳しくはこちら>
  • 集束イオンビーム装置

    集束イオンビーム装置

    数ナノメートルのイオンのビームによって、物体の観察・加工をする装置です。

    詳しくはこちら>
  • 膜厚測定装置

    膜厚測定装置

    電子部品などのめっきや各種工業製品の表面の皮膜などの厚みを測定・分析する装置です。

    詳しくはこちら>

分析装置で、身近なものを見てみよう

「この部屋で製品の組み立てを行っているんですよ。」

小柳さんがドアを開くと、さまざまな種類の機器が見える。

「ここにある装置で、今日はアユミさんの身近なものを測定してみましょう。」

今回もまた、知らない世界が見られそう!
楽しみ… !

見る、測る、解析する!技術の進化が進歩を生む

モノや現象の理由から、
「方法」が見えてくる

STEP 2 Let's inspect something

同じように見える水、
だけど…?

「お、来ましたね」
3本のペットボトルを前に笑顔で迎えてくれたのは松澤さん。

「さて、これから水を分析してみましょうか。このうちの1本は富士山麓の水なんですけど、アユミさん、バナジウム*って知っていますか?」

あ!富士山の水に入ってるって聞いたことがあります。

「そう。そのバナジウムがどれに入っているか、このICP発光分光分析装置で観察してみましょう。」

*バナジウム:ミネラル(無機質)成分の一種。富士山にある玄武岩層に多く含まれ、そこを通った富士山の水にも多くのバナジウムが含まれるとされている。

ICP発光分光分析装置

炎の中に金属などを入れると、含まれている元素特有の色の炎が見られる「炎色反応」。
学校の理科の授業で実験された方も多いのではないでしょうか。
ICP発光分光分析は炎色反応の原理を高度に発展させたものといえるでしょう。

高分解能ICP発光分光分析装置PS3500DDIIシリーズ

*励起(れいき):原子や分子が外部からエネルギーを与えられて、
元の安定した状態から高いエネルギーを持つ状態になること。

ICP発光分光分析装置は、水道水・河川の水質検査などで利用されています。

ICP(高周波誘導結合プラズマ)というエネルギーを試料の外から当て、含まれる元素を励起*。発した光を分光し、その波長を分析することで、元素の性質や含有量を測定します。

製品の詳細はこちら >

「どれも見た目は同じに見えますが、違うんですよ。」

「さて、どれが富士山の水かな?こうやって水を吸わせて…。」

「霧状になった水をプラズマで発光させるんです。」

ん~、3種類とも同じ光に見える…

光の中から、バナジウムの波長を見つけだす

「肉眼では分からないけれど、この装置でバナジウム特有の波長の光がないかを測定すると…」

…あ! パソコン上のグラフに、山なりに上がっていく線が現れた。

「この線はバナジウムがたくさん含まれているということを示しているんですよ。」

ICP発光分光分析装置は、水道水や河川の水の有害物質の検査にも使われているのだそう。微細な物質も見逃さない、厳しい目があってこそ、安心して飲める水ができるんだなぁ。

熱とチョコレートの関係?

「次はアユミさんが好きなチョコレートを調べます。
おいしさの秘けつが分かるかも知れませんよ」と、小柳さんがほほえむ。

チョコレート?一体何を分析するんですか?

「熱、です」と答えたのは、次に説明してくれる西村さん。

熱とチョコレート。一体どうつながるんだろう。

熱分析装置

熱分析装置は、温度変化によって物質の状態がどのように変わるのかを測定する装置です。

示差走査熱量計DSC7000シリーズ

熱分析装置は、高分子、食品、化粧品、鉄鋼、建材などの素材の研究開発の場で使われています。

示差走査熱量計は、基準となる物質と試料の両者に温度変化を与えることによって、両者の温度差を測定。これによって、試料の融点や形状・物質の変化などを知ることができます。

製品の詳細はこちら >

「熱分析装置でチョコレートが何度で溶けるのか調べるんですよ」

左からカカオが多く入った固いチョコレート、ミルクチョコレート、生チョコレート。

小さなアルミの容器にチョコレートを入れて、セット!

「一旦、マイナス50度まで冷やしてチョコレートを固めてから、熱を加えていきます。」

線が下に落ちているところが、チョコレートが溶けた温度。これで見ると、生チョコは14度、ミルクチョコレートは32度、カカオがたくさん入ったチョコレートは33度で溶けている。

おいしさの理由がわかれば、再現できる

手の上で溶けずに、口の中でしばらく経って溶けるもの、
口に入れた途端、柔らかく溶けてしまうもの…。

チョコレートのおいしさを左右する口どけの温度をきちんと知ることで、安定したおいしさをつくれるし、繊細な味も再現できるんだ。

計算しつくされた、このひと口。
大事にいただきます!

見る、測る、解析する!技術の進化が進歩を生む

ひ
ド

STEP 3 Challenge for cutting-edge technology

分析して、そのデータを探っていくと、いろいろな発見がありそうですね。追究していくほど、奥が深そうです。

「はい。分析の対象もお客さまのご要望もさまざまで、それに答えようとみんなで一体になって取り組んでいるんですよ。ちょうど今、開発者チームが食堂でミーティングをしているので、話を聞きに行ってみましょうか。」

わぁ!
食堂に入ったとたん、緑あふれる景色が目に飛び込んでくる。

「この食堂は、ランチだけでなくミーティングにも使われているんですよ。
ほら、あそこにいるのが開発者の人たちです。」

ふと見ると真剣に語り合っているグループがある。

原因をみつけ、リスクを排除する

「蛍光X線分析装置の開発チームのみなさんです。」
小柳さんの紹介を受けて「…といっても難しいかな?」と笑うみなさん。

「わたしたちのチームは、特にリチウムイオン電池の中に異物はないか、異物がある場合にはそれが何かを突き止める分析装置をつくっているんです。」

リチウムイオン電池って、電気自動車とかに入っている…?

「そうです。製造工程で異物が入ってしまうと発火することもあるので、小さなリスクもちゃんと見つけ出して分析する必要があるんですよ。」

蛍光X線分析装置

試料にX線を照射し、そこから放射される蛍光X線を分析して、試料に含まれる物質を検査する装置です。
測定対象を破壊することなく、そのまま測定できるため、製品の検査などに利用されています。

X線異物解析装置EA8000

パソコンや携帯電話、そして電気自動車に搭載されるなど、電子機器の心臓部として広く使用されているリチウムイオン電池。
EA8000は、リチウムイオン電池の異常を起こす可能性のある、微細な金属の異物を検査するための装置です。透過X線(レントゲン写真と同様の原理)を利用して異物の場所を特定し、蛍光X線分析することによって異物の種類(元素)を特定できます。

製品の詳細はこちら >

  • 機械設計を
    担当している酒井さん

    「時に厳しい条件の中で、新しいモノをつくりだすのは大変です。だけど、いろいろな人たちと一緒に困難を越え、実現していく道のりにこそ、やりがいがあると感じてます。」

  • 電気の配線設計や
    基盤回路設計を
    している坪井さん

    「わたしは、世の中に貢献する仕事がしたい、と思って入社しました。今、安全な製品づくりの一端を担っていること、それが社会で役立っていることに誇りを感じています。」

  • ソフトウェアの
    設計をしている坂井さん

    「厳しい言葉をいただくときもありますが、最先端にいるお客さまのご要望に応えていくことが自分の仕事だと思ってます。世界初の製品が生まれる瞬間、そこに自分も立ち会いたいんです。」

  • プロジェクト
    リーダーの高原さん

    「もちろん最先端を行くのは簡単なことじゃありません。たくさんの壁もあるけれど、メンバーが目標を見失わずにチャレンジしていける環境をつくりたいと思っています。」

安全があってこそ、
実用化がかなう

みなさん、時代の一番前を進み、
新しいものを創り出して行くんだっていう、気概があふれてる。

まだ誰もやっていないことを実現し、実用化するまでには、
さまざまなリスクを想定した試行錯誤が繰り返される。

微細な部分まで、より高度に「安全」を確認する人がいて、
やっとイノベーションが暮らしに根付くんだ…!

見る、測る、解析する!技術の進化が進歩を生む

人
製

STEP 4 To enrich people and nature

「アユミさん、次は日立ハイテクサイエンスの森へ行ってみましょう。」
小柳さんに先導され、建物の外へ。

開発者の人たちが、「昼休みに森へ行くと、とてもリラックスできるんですよ」と言っていたけど、ほんとだ。
森へ一歩足を踏み入れた途端、しっとり、柔らかな空気に包まれる。

ふと、同じ森でも区域によって様子が異なるのに気づく。

こちらはうっそうとしていて暗いですね。
「ここはかつて木材資源を生産するために人工的につくられた針葉樹の森です。同じ種類の木ばかりだと多様な生き物が住みにくいんです。」

「こちらはドングリの木をはじめとした広葉樹の森です。今、私たちはより多様な生き物が住みやすい、明るい広葉樹の森を増やそうとしているんですよ。」

日立ハイテクサイエンスの森での生物多様性保全活動

日立ハイテクサイエンスの森は、富士小山事業所の敷地内にあります。
約44,000平方メートルにもおよぶ樹林を、昔ながらの広葉樹林を中心とした「里山」の姿に戻そうと活動が進められています。

2015 年(申請年)に
おける植生等の分布

2065 年(申請年の50年後)
における植生等の分布

広葉樹林
アカマツ林
スギ・ヒノキ人工林
低木類
芝生地等
半自然草地
非緑地

明るく、生物に豊かな食べ物を供給する広葉樹の森は、
多様な生態系をつくることが期待されます。

森の地面はふかふか。
広葉樹から落ちた葉は腐葉土になって、栄養価の高い土壌をつくります。草木を育てるだけでなく、昆虫や微生物にとっても快適な住みかになるのです。

森では、シジュウカラやコゲラ、ニホンリスなどの生きものや在来の貴重な植物が観察されています。

「こんにちは!」
森を抜けたところで、元気に声をかけてくれたのは、有志として森の生態系保全活動に参加している齋藤さん。

畑にいた、勝又さん、大塚さん、本山さんも明るい笑顔で迎えてくれる。

「在来の植物をこの畑で育てているんですよ。アユミさんにドングリの苗を見せたいと思って、お待ちしてました。」

「こっち、こっち。」
といわれて見ると、元気に育った苗木が並んでいる。
「ドングリの実から育てたんです。」

「ちょっと待ってくださいね。
これを今度はポットに植え替えますから。」

ポットでさらに2年、大きく育ててから、地面に戻すのだそう。
この小さな苗木が、いずれ虫や鳥の拠り所になり、新しい森をつくっていくのね。

2050年ということは、30年以上先。
ここの景色は大きく変わるんでしょうね…!

「ええ、きっとたくさんの生き物が集まるにぎやかな森になっていますよ。」

この森を見て、最先端技術がめざす豊かな未来って、人間だけじゃない、もっと広い、自然環境も含めてのことなんだなって実感しました。

てくてく、日立ハイテクをめぐってきたこの3年間に、たくさんの人たちに出会ってきた。

一人ひとりがいろんな思いで、この仕事を選び、ここで働いている。
その道は平坦ではないけれど、チャレンジすることで、新しい何かが生まれるはずだ、と信じてる。
そんな姿がとても頼もしかった。

人と人が繋がって、社会が、そして未来が創られていく。

将来、わたしは何ができるかな。
さぁ、次に向かって歩んでいこう!

富士小山事業所について

日立ハイテクサイエンスの富士小山事業所は、静岡県駿東郡小山町に位置し、
主に分析・計測装置の開発・製造を行っています。電子デバイス・環境・素材・エネルギーなどの
産業分野、大学・研究開発など、幅広いお客さまのニーズに応えています。

約19万平方メートルもの広大な敷地には森もあり、豊かな自然に恵まれています。

A:開発・設計・サービスの拠点、1号館
B:製造を行っている2号館
C:管理部門とクリーンルームがある3号館
D:見晴らしのよい、食堂いただき

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