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ナノ3D光干渉計測システムVS1800

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課題① 「微細化が進む表面形状、ナノオーダーの高分解能が必要」

表面形状計測に求められている分解能は高まり続けています。ナノ3D光干渉計測システム VS1800なら、光の干渉現象を用いた独自の測定アルゴリズムにより、垂直分解能0.01 nmを実現。レーザー共焦点顕微鏡(LSM)の観察範囲を遥かに超える、ナノオーダーの高分解能で表面形状計測が可能です。

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課題② 「広範囲でも、高分解能で計測したい」

レーザー共焦点顕微鏡(LSM)で広範囲の表面形状を計測しようとすると、低倍率のレンズを使用する必要があり、垂直分解能が不足してしまいます。ナノ3D光干渉計測システム VS1800なら、対物レンズの倍率に依存することなく、高い垂直分解能を実現。広範囲な計測でも、ナノオーダーの粗さ、段差を計測できます(ワンショット最大6.4 mm×6.4 mm)。

ウエハ研磨表面形状

課題③ 「増え続けるサンプルを、すばやく計測したい」

レーザー共焦点顕微鏡(LSM)では、XYZの三方向を走査して表面形状を計測します。ナノ3D光干渉計測システム VS1800なら、サンプルを面で捉えるため、Z方向だけを走査するだけ。わずか数秒で、測定から解析までを完了できます。計測時間を短縮して、効率的に大量のサンプルに対応することが可能になります。

増え続けるサンプルを、すばやく計測したい

課題解決の鍵

ナノ3D光干渉計測システム VS1800の特長をまとめました。レーザー共焦点顕微鏡(LSM)と比べて、広範囲のサンプルを高精度かつ高速に計測できるのが大きな利点です。

ナノ3D光干渉計測システム VS1800 レーザー共焦点顕微鏡(LSM)
測定方式 走査型光干渉方式 走査型共焦点レーザー方式
垂直分解能 0.01 nm(Sq分解能)
※光の干渉縞スケールを用いるため、対物レンズの倍率に依存しない
0.5 nm(表示分解能)
※Z駆動機構のパルスモータ-駆動移動分解能は10 nm程度
段差再現性(Z) 1σ0.6 nm
(1 μm段差5倍測定時)
1σ12 nm
(2 μm段差50倍測定時)
測定スピード 計測~解析まで最速5秒
(5 μm高さ測定時)
一方向(Z)のみを走査して計測
約20秒
(5 μm高さ測定時)
三方向(XYZ)を走査して計測
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ナノ3D光干渉計測システム VS1800の計測事例​

材料・コンバーティングの様々な観察例 積層フィルムの異物・混入観察例 メッキの観察例

材料・コンバーティングの様々な観察例

材料・コンバーティング業界で多く取り扱われる紙製品や樹脂製品は、求められる機能を満たすため様々な工夫がなされています。そのため、表面形状および表面粗さ計測は、品質管理上重要な役割を担っています。また、積層フィルムなどにおいて不具合が生じた際、表面・界面または層内のどの箇所に問題が発生しているか究明する必要があり、試料によっては非破壊での計測が求められることも多くあります。
ここでは、材料・コンバーティング業界におけるナノ3D光干渉計測システムVS1800による様々な測定事例をご紹介いたします。

光学フィルム

測定事例1 ディスプレイ用フィルム

ディスプレイ用フィルム表面には反射防止や指紋による汚染防止といった機能性を保持するため様々な工夫が施されています。VS1800では、平滑なフィルム表面だけでなくマット調フィルムの表面のような凹凸の大きいサンプルも再現よく計測できます。 ①包装フィルム

測定事例2 粒子コーティングフィルム

表面の防眩性改善や他表面との密着性をコントロールする目的などに用いられる粒子フィラーはその形状・サイズ・密集度などの計測が不可欠です。VS1800では、形状を捉えるだけでなく、サイズ・個数などを解析する機能を用いた評価が可能です。 ②粒子コーディングフィルム

包装フィルム

包装フィルムでは、バリア性など機能を持った材料層を積層することで、内包物が劣化しないよう工夫を施しています。そのため、その材料層が機能を発現できる膜厚であるかどうかなど、各層の膜厚管理は重要です。VS1800は、表面粗さの評価だけでなく、非破壊で層内部の構造を可視化でき各層の厚みや厚みムラの評価が可能なため、包装フィルムの品質管理に有効です。

測定事例1③生活用品 包装フィルム

測定事例2④ディスプレイ用フィルム

高分子材料

表面の材質に関わらず、透明体においても高い分解能での高さ計測ができるVS1800は、高分子材料のような透明薄膜段差などにおいても高精度な計測が可能です。
またVS1800の層断面解析では、透明材料の多層積層時に発生するような気泡欠陥評価などを非破壊で行えるため、断面を作成せず、どの層で異常が起きているか確認することができます。

測定事例1 ガラス基板上高分子薄膜段差⑤光沢紙

測定事例2 テープのり⑥名刺印字面

繊維質表面

VS1800は、高速・高分解能を有した「標準測定モード」と光の反射が微弱な傾斜面の計測を可能にする「高傾斜測定モード」を有しているため、光沢紙のような平滑な表面だけでなく、名刺表面のようなざらついた繊維質の表面まで、広域エリアの測定が可能です。

測定事例1 光沢紙⑦テープのリ

測定事例2 名刺印字面⑧ガラス基板上高分子薄膜段差

積層フィルムの異物・混入観察例

積層フィルムでは、フィルムの表面や裏面さらには内部に、様々な不具合が起こりえます。不具合の原因解明には、異常発生時の状態を保つため非破壊での計測が必須となります。
ここでは、非破壊・非接触の計測で高さ分解能にすぐれた表面形状および膜厚測定が実現できるナノ3D光干渉計測システムVS1800によるフィルムの異常部の測定例についてご紹介いたします。

層断面解析による気泡の評価

ナノ3D光干渉計測システムVS1800による測定では、異常箇所がライン状に凹んでいることがわかり(a)、その幅や深さを計測することが可能です(b)。

(a)表面形状3D画像 (b)断面プロファイル

さらにVS1800では非破壊で層断面解析が行えます。
層断面解析結果(c)を見てると、試料構造(e)同様に深さ方向に4本の水平ラインが確認できます。特に、中央の薄い層② の厚み分布にムラがあることがわかります。層② のムラ部分である輝点(d)は、干渉強度の変化が著しく気泡であると推定されます。

(c)層断面解析結果

層断面解析による異物混入の評価

ナノ3D光干渉計測システムVS1800による測定では、異物混入箇所が山型に膨らんでいることが確認でき、その幅や高さを計測することが可能です。(b)(c)

(a)表面形状3D画像 (b)断面プロファイル

非破壊層断面解析による解析結果(c)からは層② の厚み分布にムラがあり、表面の凸異常部を中心に大きく膨らんでいることが分かります。
さらに膨らみが見られる箇所の層② と層③ の界面では、干渉が途切れている領域が確認できます。この干渉の途切れから、混入した異物が光を遮っていることが推測されます。

(c)層断面解析結果

メッキの観察例

各種電子部品の微細化にともない、めっきはますます薄膜化しています。その品質管理においては、より正確・精密が分析手法が求められています。
走査型プローブ顕微鏡は、高いZ分解能を特徴とする一方で、観察範囲が狭く制限されます。また、一般的な光学観察装置では、より広い視野範囲の観察が行えますが、Z分解能は低下します。
ナノ3D光干渉計測システムVS1800は面内方向の広い観察視野と高さ方向の高い分解能を併せ持つことから、メッキ配線のように大きな段差パターンとその表面の粗さ計測の両方を簡便に行うことができます。

メッキの観察例

メッキ表面は用途や目的によって表面処理を施す場合があり、その表面の一般的な観察手法として、SEM観察があげられます。
SEM像により表面性状の違いを明瞭に可視化することが可能ですが、一般的なSEMで得られる情報は2次元のため、立体的な特長を高精度に計測することは難しいです。
図はNiメッキ表面に粗化処理を施したサンプルについて、FlexSEM 1000(SEM)およびAFM5500M(AFM)、VS1800(ナノ3D光干渉計測システム・CSI)にて観察、計測を行った結果を示しています。
FlexSEM 1000/AFM5500Mの観察・計測結果を見比べると、SEM観察で得られた形状がAFM計測結果においても捉えられていることがわかります。また、AFMとCSIの算術平均粗さSaはほぼ同等な値を示し、AFMでとらえられた微細形状がナノ3D光干渉計測システムにおいても同等に計測できることがわかります。このように高空間分解能を有するAFMを用いればCSIデータをクロスチェックすることが可能になります。ナノ3D光干渉計測システムは、高速計測という特長を生かして、多数サンプルにおける評価のスループット向上が期待でき、更にここで記載したように、SEMやAFMを加えた観察、計測を通じて多角的な評価を行うことができます。

Niメッキ 粗化表面

用途に合わせて、適切な予算で導入可能

ナノ3D光干渉計測システム VS1800は、用途に合わせて3つのタイプを選んで導入できます。まずはレーザー顕微鏡と同等の費用で導入できるType 1を導入。必要があれば部品を追加するだけで、駆動部の電動化を進めたType 2、Type 3へとバージョンアップできます。
表面形状計測の新たなスタンダードを築く、ナノ3D光干渉計測システムVS1800の詳細情報および導入のご相談はこちらから、お気軽にお問い合わせください。

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