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2021/07/14『フォトニック集積回路の導入による光学システムの変革 vol.3』 VLC Photonic

先週お届け致しましたVLC Photonics発行のホワイトペーパー「フォトニック集積回路の導入による光学システムの変革」の第2編に続き、今週は最終回として、フォトニック集積回路における先端技術と、VLC PhotonicsによるASPIC(Application Specific Photonic Integrated Circuits、特定のアプリケーション向けのフォトニック集積化路)の開発サービスについて、ご紹介させて頂きます。

フォトニック集積回路の市場、技術概要、今後の展望等をお伝えして参りますので、本稿を通じて少しでもご興味を持っていただけますと幸いです。

VLC Photonics Whitepaper v2.2 June, 2021

フォトニック集積回路の導入による光学システムの変革 vol.3

Summary

フォトニック技術は、光通信、バイオメディカル診断装置、あるいは精密なファイバーセンサーなど、光を利用した様々なアプリケーションを実現しています。
その一方で、これらの用途に必要な光学部品はスペースを使い、高価になる傾向にあります。
特に、電子部品と組み合わせて使用する際には、精密な組み立てが必要になります。
これらの課題を解決するため、フォトニック集積回路という技術が注目されています。
シリコンフォトニクスという名前でも親しまれている同技術ですが、様々なフォトニック機能を集積回路に組み込み、システムを簡素化し、コストを削減することが期待できます。

従来、フォトニック集積回路を可能にする最先端の光製造技術は、ごく限られた人しか手に入れることができませんでした。
しかし現在、一般的なフォトニック集積技術は、様々なアプリケーションや市場において、本来の高度な機能を維持しつつ小型化を実現する、非常に興味深い技術として実証が進んでいます。

前号では,フォトニック集積における主要な技術、および各基盤材料の特性について紹介いたしました。
今回は、フォトニック集積回路における先端技術と、VLC PhotonicsによるASPICの開発について、ご紹介いたします。

What is the state of the art for ASPIC?

過去50年間にエレクトロニック集積回路業界で起こったビジネスモデルの変容1-2と同様に、フォトニック集積回路においても、製造施設を持たないデザインハウスが、ファウンドリが提供する汎用製造プロセスを利用する、というビジネスモデルが普及し始めています。
このようなビジネスモデルにおいて、現在、SOI3やInP4基盤におけるフォトニック集積に関しては、ファウンドリが提供する製造プロセスの精度に依存しているのが実態であり、高歩留まりの製造プラットフォームを提供しているSOIとInPを例に挙げて、ASPICにおける先端技術の一例をご紹介します。

集積可能な機能
以下図に示すように、SOIおよびInPの基盤材料に集積可能な技術としては、基本となる光学素子(Building Block)と、現在も日々開発が進んでいる先進的な光学素子に大別されます。
前者は主にファウンドリがデザインキット(ファウンドリで生産することが可能な光学素子のリスト)として提供しているもの、後者はデザインハウスがファウンドリのプロセスに基づいて、独自の設計ライブラリとして開発しているものになります。

基礎的な光学素子に先端光学素子を組み合わせることで、より複雑なフォトニック集積回路の設計を行うことができます。
以下図に示した光学素子はあくまで一例であり、より付加価値の高い光学素子の開発が進められています。

InP and SOI building blocks and example devices ( adapted from Ref. 20 ). * Phase shifters in InP can use thermo-optic and electro-optic effects, while in SOI only thermo-optic. ** Detectors are olso possible in SOI. ***Grating couplers can only be implemented in SOI.

VLC Photonics’ custom ASPICs

VLC Photonicsでは、お客様の特定のニーズや要件に適応したカスタムASPICの開発が可能です。
VLC Photonicsのソリューションは、以下図に示すように、初期の集積システムコンセプトから、チップ設計、試作、量産まで、フォトニック集積回路の開発プロセス全体をカバーすることができます。
またファウンドリとも密接に連携してしており、ファウンドリのデザインキットの開発を支援しています。

VLC Photonics services and solutions, spanning the whole product development chain.

VLC Photonicsの光学システムおよびフォトニック集積回路の専門知識は、15年以上にわたる実業界および、学術界における経験に基づいており、様々なフォトニック集積プロジェクトに対してサービスを提供し、お客様のご要望にお応えして参りました。

通常、こういったファブレスのサービスにおいては、単一の基盤材料のみに対応していたり、特定のファウンドリ向けのサービスに限定していることが多いのが実態です。
一方、VLC Photonicsの場合、基盤材料や特定のファウンドリに縛られることなく、フォトニック集積を実現するためのサービスを提供しております。
そのため、お客様が開発を希望されるフォトニック集積回路のコンセプト、特性を達成するために適した設計を行い、その設計に適したファウンドリをマッチングさせることで、お客様の開発の確度を高めることが可能になります。

また、ファウンドリにて製造されたASPICは、VLC Photonicsのクリーンルーム内の設備により、特性評価とテストを行うことができ、納品されたASPICがお客様の要求にに適合しているか、ファウンドリが仕様通り製造できているか確認することができます。
さらにVLC Photonicsのパートナーとの広範なネットワークを通じて、ASPICのパッケージングや、フォトニック集積だけでなく電気的な機能を集積するなどの追加サービスを提供することも可能です。

開発をサポートするにあたり、お客様とのすべての開発内容を秘密保持契約で保護し、必要に応じてお客様とファウンドリーの間で機密性のファイアウォールとしての役割も果たすことができます。
また、適切なデザイン保護が常に行われ、お客様のために開発されたIPは常にお客様の資産となります。

The xomplete customer orientation of VLC Photonics allows to serve defferent markets by developing a custom photonic solution optimized for each application.

Conclusions

フォトニック集積技術は、光学システムの複雑さとコストを削減すると同時に、優れた、時にはユニークな機能と拡張性を提供することで、あらゆる光学システムに影響を与えています。

市場にはいくつかの集積技術がありますが、お客様のアプリケーションに最適なカスタムフォトニック集積回路(ASPIC)を製造するためには、どの基盤材料とファウンドリが最適かを知ることが重要です。

フォトニックデザインハウスは、集積された光学システムの最適な実装と製造に関する貴重な洞察を提供し、あらゆるフォトニック集積開発のコスト、時間、リスクを大幅に削減することができます。

VLC Photonicsは、初期の集積コンセプトに関するコンサルティングから、その後の設計、試作、評価、量産への以降に至るまで、お客様のあらゆるフォトニック集積に関するニーズに応えるのパートナーでありたいと考えています。
VLC Photonicsは、あらゆる顧客のフォトニック集積開発を成功させるため、すべての専門知識とノウハウをお客様に提供して参ります。

REFERENCES

※1
J.T. Macher and D.C. Mowery, “Vertical specialization and industry structure in high technology industries,” in Advances in Strategic Management, Vol. 21, pp. 317-356, 2004.
※2
C. Brown and G. Linden, “Offshoring in the Semiconductor Industry: A Historical Perspective,” in Brookings Trade Forum on Offshoring of White-Collar Work, 2005.
※3
P. Dumon, W. Bogaerts, R. Baets, J.-M. Fedeli and L. Fulbert, “Towards foundry approach for silicon photonics: silicon photonics platform ePIXfab,” in Electronics Letters, Vol. 45(12), pp. 581-582, 2009.
※4
X.J.M. Leijtens, “JePPIX: the platform for InP-based photonics,” in Proc. of the 15th European Conference in Integrated Optics (ECIO), pp. ThG3-1/2, Cambridge, United Kingdom, April 2010.

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本稿は、VLC Photonics S.L.が作成したもので、本商標、その活動およびサービスに関する知識を深めることを目的としています。したがって、すべての権利、特に複製、配布、公衆への伝達等の権利を、VLC Photonics S.L.は留保します。VLC Photonics S.L.は、本文書またはその参考文献に含まれる情報の使用から生じるいかなる結果または損害に対しても責任を負いません。
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  • 本稿で利用可能ないかなる画像も、付随するテキストやその他のコンテンツと切り離して使用、複製、配布しないこと。
  • VLC Photonics S.L.に書面で事前に通知し、同社から承認を得ること。

フォトニック集積に関する技術動向、およびVLC Photonicsが提供するサービスについて、3回に渡ってお届けして参りました。
今後、より複雑化してくることが予想される光学システムにおいて、本技術は不可欠な存在になると考えられておりますので、今後開発を検討される際には、是非VLC Photonicsをパートナーとしてご活用頂ければと存じます。

VLC Photonics、およびフォトニック集積回路について、より詳しくご覧になりたい方はこちらから。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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