BRUKER エネルギー分散型X線分析装置 Quantaxシリーズ

新型第6世代シリコンドリフト検出器(SDD)により大口径・超高分解能を実現
Quantaxは電子顕微鏡(SEM、TEM/STEM)などに用いられるエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectrometer:EDS)に最適な超高感度半導体検出器を搭載したシステムです。検出器には液体窒素を必要としない新型第6代 Silicon Drift Detector(SDD) XFlash®検出器を採用することで、操作性の向上のみならず、カウントレートおよびエネルギー分解能において、Si(Li)検出器を凌駕する性能を実現しました。
価格: 19,000,000円~
取扱会社:株式会社 日立ハイテク
特長
Silicon Drift Detector(SDD) XFlash®

XFlash検出器は液体窒素を必要としない新型第6世代 Silicon Drift Detector(SDD)です。液体窒素レスによりランニングコストの低減や操作性の向上だけでなく、優れた軽元素検出と高いエネルギー分解能を有しており、性能においても Si(Li)検出器よりはるかに優れています。10 mm2の検出面積で最高121 eV(MnKα)というWDSに迫る高エネルギー分解能測定が可能なXFlashⓇ6|10、ナノスケール・高カウントレート分析など幅広くご使用いただける30 mm2のXFlashⓇ6|30、低電流分析に有効的にご使用いただける大口径60 mm2のXFlashⓇ6|60、Cold-FE SEMなど超低電流分析時に有効な超大口径100 mm2のXFlashⓇ6|100の4種類から選択が可能です。また、すべての検出器において高精度モータードライブ駆動が標準です。
高エネルギー分解能

XFlashⓇ6シリーズでは10 mm2の検出面積で最高121 eV(MnKα)という超高分解能を保証します。特に1 keV以下の軽元素および低エネルギー領域において非常に有効的です。

スリムラインを採用

XFlash®6シリーズでは検出器チューブ径を細くしたスリムラインを採用。これにより高立体角を実現しました。
SDDのためのプロセッサーユニット
アナログ回路とデジタル回路を併せ持つハイブリッドパルスプロセッサーの採用により、高い処理能力を有することで多量のスペクトル情報が同時にカウントされても、エネルギー分解能を悪くすることなく処理することができ、XFlash®6シリーズ検出器の特性を最大限に引き出すことが可能です。
高分解能・高カウントレート

XFlash®6シリーズではハイブリッドパルスプロセッサーとの組み合わせにより、最高1,500 kcpsの入力で600 kcps以上の出力を保証しています。また、121 eV(MnKα)の高分解能を100 kcps(出力)まで保証しており、高カウントレートでの高エネルギー分解能を利用した分析が可能です。
高速マッピング

SDDと超高速ハイブリッドパルスプロセッサーの組み合わせにより、これまでの常識を変えるマッピングを実現。4,096×3,072ピクセルの高解像度マッピングが数分で可能です。
QUANTAX ESPRIT

分析ソフトウェア"ESPRIT"は、主なソフトウェア操作が日本語で可能で、英語表示への切り替えも容易にできます。タブライクな画面構造で、スペクトル測定や、定量分析、X線マッピング機能への切り替えが容易です。またX線マッピング測定中のリアルタイムでのバックグラウンド除去やピーク分離が可能です。ハイパーマップ機能により各ピクセルでスペクトルをデータベース化することにより、いつでもスペクトルの再構築が可能で、オフラインPCでのデータ処理も可能*です。
* :居室解析用ソフトウェアが必要です。
仕様
検出器種類 | XFlash® 6|10 | XFlash® 6|30 | XFlash® 6|60 | XFlash® 6|100 | 検出可能範囲 |
---|---|---|---|---|---|
検出素子面積 | 10 mm2 | 30 mm2 | 60 mm2 | 100 mm2 | - |
分解能(MnKα):129 eV | Standard | Standard | Standard | Standard | B(5)-Am(95) |
分解能(MnKα):126 eV | Premium | Premium | Premium | - | Be(4)-Am(95) |
分解能(MnKα):123 eV | Ultimate | Ultimate | - | - | Be(4)-Am(95) |
分解能(MnKα):121 eV | Limited | - | - | - | Be(4)-Am(95) |
高効率EDS
製品名
XFlash® 5060FlatQUAD
特長
XFlash® 5060FlatQUADは、これまでのX線検出素子とはまったく異なる素子構造を採用し、試料直上に検出素子を配置できます。
高角度、広範囲に試料から発生したX線を取り込むことができるため、高効率でEDSの分析が可能です。

また、極低加速ならびに、極低電流条件下でもEDS分析ができ、電子線照射による試料ダメージの低減、短時間測定および、高空間分解能を実現すると共に、微小領域の分析も実現します。
さらに、ブルカー独自のプロセッシング技術を用いることにより、大電流条件下においても、分解能劣化やデットタイムを気にすることなく、高精度・高効率にてEDS分析を行うことが可能です。


搭載可能機種
S-4800、SU8000シリーズ、SU8200シリーズ、SU5000
仕様
項目 | 内容 |
---|---|
保証分解能 | 133 eV @Mn-Kα(標準) 129, 127 eV @Mn-Kα(オプション) |
素子面積 | 4 × 15 mm2 = 60 mm2 |
測定可能元素 | B(5)~ Am(95) |
立体角 | ≒ 1.0 sr |