電子顕微鏡用サンプルクリーナー ZONETEM
特長
コンタミネーション低減により本来の試料表面を観察
電子顕微鏡用の試料作成・保管中に、試料表面にハイドロカーボンが付着し、電子ビーム照射時にコンタミネーションが形成され、高分解能観察や分析の妨げになります。
ZONEサンプルクリーナーは、UV光を照射して試料表面に付着したハイドロカーボンを除去し、電子顕微鏡観察時に試料表面に形成されるコンタミネーションを低減できます。
高スループットでフレキシブルなセットアップが可能
- 同時に複数サンプルを処理可能
- ユーザーフレンドリーな簡単画面による操作
- 簡便なサンプル装着 / 取り出しが可能
- 標準クリーニング時間は5分~15分
仕様
項目 | 内容 |
---|---|
UVランプ | 波長:185 nm、254 nm 他(可視光 - 青、赤外光) |
対応試料ホルダ | 日立インレンズSEM用 日立TEM/STEM用 日立FIB用 各サイドエントリ試料ホルダに対応* |
処理モード | Vacuum Clean :UVクリーニングモード Vacuum Storage :真空保持モード(試料保管モード) |
本体寸法 | 約390 mm(W) × 390 mm(D) × 340 mm(H) |
重量 | 約17 kg |
* : 最大3本のサイドエントリ試料ホルダを同時に装着できます。ホルダの形状によっては同時装着できるのは2本となります
応用例
ナノ炭素材料のハイドロカーボンの除去
炭素格子像の観察は電子線によりコンタミネーションが付着し困難ですが、ZONEクリーニング後には炭素格子像を明確に観察することができます。
ZONEクリーナーは試料室の真空度を変えることでクリーニング強度をコントロールできます。クリーニング強度を最適化することで、カーボンナノチューブのような軽元素を主体とする材料に対しても本来の微細構造に影響を与えることなく、クリーニング効果を確認できます。
[試料]カーボンナノチューブ
[クリーニング時間]片面3分×2

加速電圧200kVで10秒間電子線を照射することによりコンタミネーションのスポットが発生しています。
ZONE2クリーニング後には、同様に10秒間電子線を照射してもコンタミネーションを確認できません。
[試料]炭素
[クリーニング時間]2分

バイオ試料のハイドロカーボンの除去
バイオ試料においては、前処理による汚染が標本表面を覆って高分解能観察を可能にします。
ZONEクリーニングは、従来の方法に比べダメージを少なく試料表面の汚染を除去することが可能なため、試料ダメージに敏感なバイオ試料への適用も可能です。
[試料] 繊毛
[クリーニング時間] 片面3分×2
ZONEクリーニング前

ZONEクリーニング後

粉体の分散溶液の除去
ナノ粒子などは、分散溶液により試料表面の観察が不明瞭になります。
ZONEクリーニングにより、分散溶液を除去し明瞭な観察が可能になります。
[試料]CdSe量子ドット
[クリーニング時間]片面3分×2

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