サステナビリティ注力領域
サステナビリティ注力領域
日立ハイテクグループは、一定のプロセスを通じて選定した経営上の重要課題を「サステナビリティ注力領域」として定め、具体的な取り組みへと展開することで、ハーモナイズドソサエティの実現をめざします。さらに、知る力を発揮して真にアプローチすべき課題を特定し、注力領域を基盤とした事業展開を進めることで、財務・未財務の両面における価値を最大化していきます。

※1PLEDGES:日立グループの持続的成長のためサステナビリティを経営戦略の中核に据えた「サステナブル経営」の深化をめざし、グループ全体で取り組んでいくサステナビリティ戦略
サステナビリティ注力領域の特定プロセス
当社グループは、社会課題の解決と社会から必要とされる企業であり続けるために、重点的に取り組むべきサステナビリティ注力領域を2017年に特定しました。その後、社会情勢やステークホルダーの期待、国際的なサステナビリティの潮流が大きく変化してきたことを踏まえ、2024年にはこれらの注力領域の再検討を実施しました。サステナビリティを経営戦略の中核に据えた「サステナブル経営」の深化をめざし、これまで以上に社会への価値創出ならびに企業価値の向上をめざしています。

STEP1:サステナビリティ課題のリストアップ
事業環境やサステナビリティに関する社会状況を踏まえ、ESRS (European Sustainability Reporting Standards : 欧州サステナビリティ報告基準)やSASB(Sustainability Accounting Standards Board : サステナビリティ 会計基準審議会)等を含む国際的なサステナビリティに関する基準を考慮し作成された日立グループ共通のサステナビリティトピックスリストを参照しました。
STEP2:バリューチェーンマッピング
事業セグメントごとのバリューチェーン(上流/自社/下流)で関係するステークホルダーおよび依存する自然資本を特定しました。
STEP3:事業リスク/機会および社会インパクト (IRO)の分析・評価
サステナビリティトピックスについて、各事業の特性やバリューチェーンを考慮した事業リスク・機会/社会インパクト分析・評価の実施。事業部門による分析・評価結果をもとに、トピックごとに事業リスク/機会および社会インパクトスコアを算出し、日立ハイテクグループとして優先的に取り組むべきIRO領域を可視化しました。
日立グループが取り組むべきIRO領域の考え方
IRO分析・評価基準の考え方
STEP4:サステナビリティ注力領域案の作成
事業・社会インパクトにおいて影響の大きいサステナビリティトピックスおよび当社の事業を通じて特に貢献したい領域を整理しサステナビリティ注力領域案を作成しました。
STEP5:サステナビリティ注力領域の決定
サステナビリティ推進委員会でサステナビリティ注力領域案を提示し、確定しました。
基本的な考え方
持続可能な地球環境への貢献
社会と企業の持続可能な発展のためには、地球環境と調和した企業経営が重要な役割を担っています。
日立ハイテクグループは、先端テクノロジーで事業活動に伴う資源・エネルギー消費と環境負荷の低減を図るとともに、環境に配慮した製品・サービスの提供やバリューチェーン全体での取り組み等により、「脱炭素」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」の実現をめざします。
健康で安全、安心な暮らしへの貢献
「健康で安全、安心な暮らし」は人類共通の願いです。当社グループは、デジタルと融合した自動化、分析・解析技術で、一人ひとりに最適な医療の提供、デジタル社会に対応するインフラ発展、暮らしの安全確保に取り組むことで、人々が健康で豊かな生活を送り続けることができる未来に貢献します。
科学と産業の持続的発展への貢献
科学や産業の発展には、それを支える高度な技術が不可欠です。当社グループは、課題解決の源泉となるデータを生み出す「見る・測る・分析する」技術力とプロダクト、パートナーとの深い協創関係により、半導体を軸とした先端テクノロジーの発展を支えます。また、研究開発や生産現場の生産性向上、品質向上への貢献をめざすとともに、調達パートナーと連携した産業界のサプライチェーンの課題解決と強靭化に取り組みます。未来を担う人財創出のために、自社製品・技術を活用した社会貢献活動をグローバルに展開することで、科学と産業の持続的な発展に貢献します。
健全な経営基盤の確立
健全な経営基盤の確立は、企業の持続的成長に不可欠です。当社グループは、長期的に企業価値を向上させていくために、ガバナンスを強化し、リスクマネジメントの高度化とバリューチェーンにおける人権の尊重に努めます。また、事業の加速に向け、新技術とデジタルツールを業務に活用するとともに、イノベーション創出の源泉となる、自社技術の革新と発想の展開に取り組みます。
社会から信頼され、必要とされ、社会に良い影響を与える企業であり続けます。
多様な人財の育成と活用
グローバル市場で競争を勝ち抜き、持続的な成長を実現するためには、創造性・革新性のある価値をお客さまや社会に提供し続けることが重要です。当社グループは、その価値提供を担う人財を最も重要な経営資源の一つと位置付け、多様性を尊重し、従業員一人ひとりの持つ力を十分に発揮できる風土の醸成や仕組みの充実と環境の構築に取り組みます。また、継続的なイノベーションを創出できる変革型人財の育成をめざします。
ガバナンス
日立ハイテクグループは、サステナビリティを企業経営の中核に位置づけ、ガバナンス体制を構築しています。取締役会は、気候変動や社会課題に関する重要事項を監督し、経営戦略に反映させています。また、サステナビリティ推進委員会を設置し、全社的な取り組みを統括することで、持続可能な成長を支える意思決定を行っています。
戦略
当社グループは、サステナビリティを事業戦略に組み込んでいます。環境・社会におけるリスクと機会を特定し、「フロント」と「テクノロジー」が生み出す強いプロダクトとデータ活用を通して、価値を創出し環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献していきます。
事業リスク/機会および社会インパクト
| サステナビリティ 注力領域 |
カテゴリー | リスク・機会/インパクト | IROが現れる時期 | バリュー チェーン |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 持続可能な 地球環境への貢献 |
脱炭素 | リスク |
気候変動に関する規制強化による、収益悪化のリスク(政策および法規制) 各国における炭素税等のカーボンプライシングの導入等の規制強化が進んだ場合、事業コストが増加する可能性がある。 |
短期~長期 | 自社 |
| リスク |
気候変動への取り組みが不足した製品の事業機会損失リスク 当社は、気候変動緩和に配慮した、製品/サービスの提供に努めているが、市場要求を満たさなかった場合、プレゼンスが低下するリスクがある。 |
短期~長期 | 下流 | ||
| 機会 | 気候変動の緩和および適応に貢献する製品・ソリューションによる事業機会 気候変動の緩和や適応に貢献する環境配慮型設計(エコデザイン)製品の提供拡大や、サービスの展開を進めることで、新たな事業機会の創出が期待される。 |
短期~長期 | 自社、下流 | ||
| インパクト(プラス) | 社会全体の気候変動の緩和および適応へ貢献 調達パートナーおよびお客さまとの協創を通じて、研究開発、製造、製品使用、廃棄などバリューチェーンにおける作業効率化と様々な環境負荷低減に寄与し、気候変動の緩和を進めることで、持続可能な地球環境の実現に貢献する。 |
短期 | 下流 | ||
| サーキュラー エコノミー |
リスク | 環境・ライフサイクルを考慮した製品/ソリューションの取り組みが不足した場合の事業機会損失リスク 当社は、製品のエコデザインを通じてCO2排出削減および3R推進を図っているが、市場要求を満たさなかった場合、事業機会損失の可能性がある。 |
短期~長期 | 自社 | |
| インパクト(プラス) | エコデザインによる低炭素・資源循環型製品の社会的価値創出 当社が製品エコデザインによって、競合他社に先駆けてCO2排出・CFPの少ない製品や、また投入資源の少ない製品を世の中に提供することによって、お客さまをはじめとして脱炭素・資源循環に対する世の中の意識の向上に資する。 |
短期 | 自社 | ||
| ネイチャー ポジティブ |
リスク | 水資源戦略を欠いた場合の操業リスク 水使用量原単位の改善取り組みや、水リスクへの対応や、サプライチェーンにおける水リスクの把握と対応に取り組んでいるが、この取り組みがなかったならば、将来的に見込まれるコスト増・操業継続リスクに対応できない可能性がある。 |
短期~長期 | 自社 | |
| リスク | 汚染防止の取り組みがなかった場合のリスク 当社では、廃棄物埋立率削減、有価物発生量の削減などのと取り組みによって、製造工程において生じる汚染の予防に取り組んでおり、この取り組みがなかったならば、環境法などの法的要件の違反に伴う罰則適用リスクがある。 |
短期~長期 | 自社 | ||
| 多様な人財の 育成と活用 |
人財の獲得・育成 個々人のリーダーシップ |
機会 | 適切な人財育成・採用による事業機会拡大 事業戦略に沿った適切な人財育成や人財の獲得により、イノベーションや事業機会の創出、製品・サービスの開発、生産量の増加などを通じ、事業成長につながる可能性がある。 |
短期 | 下流 |
| 従業員エンゲージメント カルチャー醸成 |
機会 | 従業員エンゲージメント向上による事業機会拡大 従業員エンゲージメントが高まることにより、生産性の向上、企業ブランド向上によるさらなる人財獲得などにつながり、事業成長を促す可能性がある。 |
短期 | 自社 | |
| 機会 | 人財の公正な処遇と事業成長の実現 当社は、公正な処遇を重視し、働く環境の公平性と透明性を確保している。こうした取り組みは、従業員のリテンションやエンゲージメントを高めるとともに、組織ブランディングを強化し、人財の獲得につながる可能性がある。 |
短期 | 自社 | ||
| インクルーシブな 職場と成長機会 |
機会 | 多様な視点の活用による、事業機会拡大 多様な人財が有する多様なバックグラウンドや視点、知見を最大限活用することで、新たな発想によるイノベーションの創出につながり、新規ビジネスの機会の獲得など、事業成長を促す可能性がある。 |
短期 | 自社 | |
| 健全な経営基盤の 確立 |
企業倫理 コンプライアンス |
リスク | 企業倫理の徹底不足によるレピュテーション低下、収益悪化 贈収賄・腐敗防止、競争法への違反などを含む、国際的な規範や倫理から逸脱した行為によるステークホルダーからの信頼の失墜などレピュテーション低下のリスク、訴訟、罰金等による収益悪化、取引先対象からの除外などの事業機会喪失のリスクがある。 |
短期~中期 | 自社 |
| 安全衛生 | リスク | 安全管理の徹底不足による、財務上の負担、社会的信用の低下 従業員・コントラクターの安全管理が徹底されていないことによる労働災害が発生した場合、生産性の低下や事業機会の喪失など企業の財務負担を招くほか、社会的信用の低下にもつながる可能性がある。 |
短期 | 自社 | |
| 人権 | リスク | 人権尊重の不足による、レピュテーション低下、事業機会喪失 自社、調達パートナー、ビジネスパートナーなどにおいて、バリューチェーンにおける労務問題・ハラスメントなどを含む人権問題が発生した場合、サプライチェーンの混乱などの調達リスク、訴訟/罰金のリスク、レピュテーションの低下、事業機会損失などのリスクがある。 |
短期 | 上流 | |
| サステナブル調達 | リスク | サプライチェーンの管理不足によるレピュテーション・供給リスク 人権・環境・コンプライアンスに配慮しない調達パートナーから調達し、適切な調査や対応を行わなかった場合、レピュテーションの低下や安定した調達に支障が生じる可能性がある。 |
短期 | 上流 | |
| 品質・製品安全 | リスク | 製品ソリューションの品質・安全性による収益悪化のリスク 品質・製品安全性に問題が生じた場合、対応に関わるコスト発生、レピュテーションの低下、事業機会の喪失などのリスクがある。 |
中期 | 自社 | |
リスク管理
当社グループは、サステナビリティトピックスから財務的に影響を及ぼすリスク・機会、社会へのインパクトを特定し、評価をしています。年に1回評価結果を見直すことで、経営環境の変化を反映し、リスク低減と機会創出の両立を進めています。このプロセスを通じて、環境・社会へのポジティブなインパクトを最大化し、持続可能な成長を実現します。
指標と目標
サステナビリティ注力領域に対する取り組みを促進・モニタリングするために、各注力領域に関連する目標(注力取り組み)を掲げています。

※11PLEDGES:日立グループの持続的成長のためサステナビリティを経営戦略の中核に据えた「サステナブル経営」の深化をめざし、グループ全体で取り組んでいくサステナビリティ戦略
