Dhofar461隕石

• 分類ぶんるい：月隕石つきいんせき エイコンドライト
• 見みつかった年とし：2001年ねん4月がつ22日にち
• 見みつかった場所ばしょ：オマーン国こくドファール特別行政区とくべつぎょうせいく

地球ちきゅうと異ことなり大気たいきのない月つきでは、太陽たいようからの太陽たいよう風ふうが直接ちょくせつ降ふり注そそぎます。そのため月つきの表面ひょうめんにある石いしには、太陽風たいようふうに含ふくまれるヘリウム等とうの元素げんそが多おおく取とり込こまれています。月つきからやってきた隕石いんせきには、ヘリウムが検出けんしゅつされることが多おおいです。

Dhofar19隕石

• 分類ぶんるい：火星隕石かせいいんせき エイコンドライト
• 見みつかった年とし：2000年ねん1月がつ24日にち
• 見みつかった場所ばしょ：オマーン国こくドファール特別行政区とくべつぎょうせいく

Dhofar19隕石いんせきに含ふくまれているガスを、同位体どういたい分析ぶんせき^＊という方法ほうほうで詳くわしく調しらべた結果けっか、火星かせいの大気たいきと一致いっちしたため、火星かせいから来きた隕石いんせきと特定とくていされました。
電子でんし顕微鏡けんびきょうは電子でんしを使つかって観察かんさつしているので、物ものの形かたちだけでなく元素げんその分布ぶんぷを調しらべることもできます。Dhofar19隕石いんせきの元素げんそ分布ぶんぷを調しらべると、カンラン石せき（鉄てつとマグネシウム）の粒つぶの周まわりの境界きょうかいに斜しゃ長石ちょうせき（アルミとナトリウム）があることがわかりました。これは天体てんたい全体ぜんたいがドロドロに溶とけた後あと、最初さいしょにカンラン石せきができて、その後あとの隙間すきまに斜しゃ長石ちょうせきができたためと考かんがえられます。大おおきな天体てんたいでないとこのような構造こうぞうはできません。

＊原子げんしには質量しつりょう数すうが異ことなるものがあり、その原子げんしの同位体どういたいと呼よばれます。同位体どういたい分析ぶんせきでは、物質ぶっしつに含ふくまれる同位体どういたいの存在そんざい量りょうを精密せいみつに分析ぶんせきすることができます。

NWA869隕石

• 分類ぶんるい：石質隕石せきしついんせき コンドライト
• 見みつかった年とし：2000年ねん発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：サハラ砂漠さばく

隕石いんせきに含ふくまれている丸まるい粒子りゅうし（コンドリュール）は、太陽系たいようけいができた46億年前おくねんまえにできあがった粒子りゅうしなので、46億年前おくねんまえの情報じょうほうをそのまま残のこしていると考かんがえられています。

チェリャビンスク隕石

• 分類ぶんるい：石質隕石せきしついんせき コンドライト
• 見みつかった年とし：2013年ねん2月がつ15日にち落下らっか
• 見みつかった場所ばしょ：ロシア連邦れんぽう チェリャビンスク

2013年ねん2月がつにロシアに落下らっかした隕石いんせきで、丸まるい粒子りゅうし（コンドリュール）が含ふくまれています。
100倍ばいの画像がぞうでは、隕石いんせきの表面ひょうめんはスカスカです。隕石いんせきは大気圏たいきけん突入とつにゅう時じに急激きゅうげきに溶とけて冷ひやされるので、気泡きほうが閉とじ込こめられてこのような状態じょうたいになると予想よそうされています。
さらに拡大かくだいすると、針はりのような形状けいじょうが見みえてきます。10000倍ばいではこの部分ぶぶんが樹状じゅじょうの模様もよう（樹状じゅじょう結晶けっしょう：デンドライト）になっていることが、はっきりとわかります。この樹状じゅじょう結晶けっしょうも、大気圏たいきけん突入とつにゅう時じの急激きゅうげきな溶融ようゆうと冷却れいきゃくの結果けっか、できたものと考かんがえられています。

アエンデ隕石

• 分類ぶんるい：炭素質たんそしつコンドライト CV3
• 見みつかった年とし：1969年ねん2月がつ8日か落下らっか
• 見みつかった場所ばしょ：メキシコ合衆国がっしゅうこく チワワ州しゅう アエンデ村むら

アポロ計画けいかくで人類じんるいが初はじめて月面げつめんに立たった1969年ねんは、南極なんきょく隕石いんせきの発見はっけんなど隕石いんせき研究けんきゅうの大躍進だいやくしんが始はじまった年としです。
アエンデ隕石いんせきは、この年としの2月がつにメキシコ合衆国がっしゅうこくに落下らっかした、有機物ゆうきぶつが入はいっている隕石いんせきです。当時とうじ、宇宙うちゅうから有機物ゆうきぶつが飛とんできたことは衝撃的しょうげきてきな出来事できごとでした。
白しろい部分ぶぶんはアルミニウムやカルシウムに富とむ含有物がんゆうぶつ（CAI：Calcium-aluminium-richinclusion）で、太陽系たいようけいで最古さいこにできた粒子りゅうしといわれています。
このアエンデ隕石いんせきで初はじめて見みつかったCAIの研究けんきゅうは、今いまでも活発かっぱつになされており、毎年まいとし新あたらしい鉱物こうぶつが発見はっけんされています。

アグアス・サルカス隕石

• 分類ぶんるい：炭素質たんそしつコンドライト CM2
• 見みつかった年とし：2019年ねん4月がつ23日にち落下らっか
• 見みつかった場所ばしょ：コスタリカ共和国きょうわこく サンカルロス州しゅう アグアス・サルカス

有機物ゆうきぶつが入はいっている隕石いんせきで、2018年ねんに小しょう惑星わくせい探査機たんさき「はやぶさ２」が到着とうちゃくした有機物ゆうきぶつや含水がんすい鉱物こうぶつを含ふくむ小しょう惑星わくせい「Ryugu」（リュウグウ）と、成分せいぶんが似にているといわれています。
隕石いんせきの中なかに含ふくまれる粒つぶ（コンドリュール）は、ふつう丸まるい形かたちをしていますが、アグアス・サルカス隕石いんせきの粒子りゅうしは細長ほそながい楕円形だえんけいをしています。天体てんたいの激はげしい衝突しょうとつにより変形へんけいした可能性かのうせいがあります。

SEYMCHAN隕石

• 分類ぶんるい：石鉄隕石せきてついんせき
• 見みつかった年とし：1967年ねん発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：ロシア連邦れんぽう マガダン州しゅう

SEYMCHAN隕石いんせきは、肉眼にくがんでも岩石がんせき部分ぶぶんと金属きんぞく部分ぶぶんがはっきりわかる石せき鉄てつ隕石いんせきです。
電子でんし顕微鏡けんびきょうは電子でんしを使つかって観察かんさつしているので、物ものの形かたちだけでなく元素げんその分布ぶんぷを調しらべることもできます。この石せき鉄てつ隕石いんせきでは、鉄てつやマグネシウムなど、金属きんぞくの種類しゅるいによって分布ぶんぷしている場所ばしょに偏かたよりがあります。硫黄いおうやリンは金属中きんぞくちゅうに含ふくまれる量りょうに上限じょうげんがあり、その量りょうを超こえた分ぶんは金属きんぞくと金属きんぞくの隙間すきまに溜とどまっています。

ギベオン隕石

• 分類ぶんるい：鉄隕石てついんせき オクタヘドライト
• 見みつかった年とし：1836年ねん以前いぜんに発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：ナミビア共和国きょうわこく ハルダブ州しゅうナマクアランド

鉄てつ隕石いんせきは表面ひょうめんを酸さんエッチング^＊すると、特有とくゆうの三角さんかくや平行へいこう四辺形しへんけいの縞状しまじょう模様もよう（ウィドマンシュテッテン構造こうぞう）を確認かくにんすることができます。鉄てつ隕石いんせきの成分せいぶんである鉄てつとニッケルの溶とけた合金ごうきんを冷ひやすと、通常つうじょうは均一きんいつな組成そせいとなります。数百万すうひゃくまん年ねん以上いじょうかけてゆっくり冷ひやされて固かたまることでニッケル成分せいぶんの少すくない部分ぶぶん（カマサイト）と、ニッケル成分せいぶんの多おおい部分ぶぶん（テーナイト）に分わかれてウィドマンシュテッテン構造こうぞうが生うまれます。数百万すうひゃくまん年ねんかけて冷ひやすことは人工的じんこうてきにはできないので、鉄てつ隕石いんせきの証拠しょうことされます。仮かりに、鉄てつ隕石いんせきが純粋じゅんすいな鉄てつだとすると風雨ふううにさらされて、錆さびて無なくなってしまいます。ニッケルが含ふくまれていることで、4億おく年ねん前まえの鉄てつ隕石いんせきが今いままで錆さびずに残のこっているのです。

＊酸性さんせいの薬品やくひんで表面ひょうめんを溶解ようかいし加工かこうする技法ぎほう。鉄隕石てついんせきの中なかのニッケル成分せいぶんの少すくない場所ばしょは溶とけやすいので、ニッケル成分せいぶんの多おおい場所ばしょと少すくない場所ばしょの境界きょうかいが浮うかび上あがります。

カンポ・デル・シエロ隕石

• 分類ぶんるい：鉄隕石てついんせき オクタヘドライト
• 見みつかった年とし：1576年ねん以前いぜんに発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：アルゼンチン共和国きょうわこく チャコ州しゅう

カンポ・デル・シエロ隕石いんせきは4000～5000年ねん前まえに地球ちきゅうに落下らっかし、1576年ねん以前いぜんにアルゼンチン共和国きょうわこくで発見はっけんされた鉄てつ隕石いんせきです。
表面ひょうめんを酸さんエッチング^＊していないため、鉄てつ隕石いんせき特有とくゆうの模様もよう（ウィドマンシュテッテン構造こうぞう）は確認かくにんできません。

＊酸性さんせいの薬品やくひんで表面ひょうめんを溶解ようかいし加工かこうする技法ぎほう。鉄隕石てついんせきの中なかのニッケル成分せいぶんの少すくない場所ばしょは溶とけやすいので、ニッケル成分せいぶんの多おおい場所ばしょと少すくない場所ばしょの境界きょうかいが浮うかび上あがります。

NWA5957

• 分類ぶんるい：ホワルダイト
• 見みつかった年とし：1836年ねん発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：モロッコ王国おうこく

ホワルダイトは、火星かせいと木星もくせいの間あいだにある小しょう惑星わくせい帯たいの中なかにある小しょう惑星わくせいベスタの地表ちひょうからやってきた隕石いんせきです。小しょう惑星わくせいベスタは街明まちあかりの全まったく無ないような場所ばしょであれば、肉眼にくがんで見みえることもあるそうです。
電子でんし顕微鏡けんびきょう画像がぞうの中心ちゅうしん部分ぶぶんに、石英せきえい（二酸化にさんかケイけい素そ）の結晶けっしょう（水晶すいしょう）が観察かんさつされています。太古たいこの地球ちきゅうのように一度いちど完全かんぜんに溶とけた経験けいけんを持もつ、大おおきな天体てんたいから飛とんできたことが予想よそうされます。

リビアングラス

• 分類ぶんるい：テクタイト
• 見みつかった年とし：1932年ねん発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：エジプト・アラブ共和国きょうわこく リビア砂漠さばく

テクタイトは隕石いんせきの衝突しょうとつにより地球ちきゅうの地面じめんが溶とけて、飛とび散ちりガラス状じょうに固かたまったものです。地面じめんのいろいろな成分せいぶんが混まざりますが、砂漠さばくの場合ばあい、砂すなの中なかに不純物ふじゅんぶつが少すくないため、綺麗きれいなガラス質しつになったと予想よそうされます。

モルタバイト

• 分類ぶんるい：テクタイト
• 見みつかった年とし：1786年ねんに学会がっかいで報告ほうこくされる。
• 見みつかった場所ばしょ：チェコ共和国きょうわこく周辺しゅうへん

テクタイトは隕石いんせきの衝突しょうとつにより地球ちきゅうの地面じめんが溶とけて、飛とび散ちりガラス状じょうに固かたまったものです。地面じめんのいろいろな成分せいぶんが混まざるため黒くろくなることが多おおいです。落下らっかしたチェコの地質ちしつには不純物ふじゅんぶつが少すくなかったため、綺麗きれいなガラス質しつになったと予想よそうされます。電子でんし顕微鏡けんびきょう画像がぞうでは、表面ひょうめんに丸まるい凸凹でこぼこが見みられます。

ダーウィングラス

• 分類ぶんるい：テクタイト
• 見みつかった年とし：1972年ねん発見はっけん
• 見みつかった場所ばしょ：オーストラリア連邦れんぽう タスマニア島とう

テクタイトは隕石いんせきの衝突しょうとつにより地球ちきゅうの地面じめんが溶とけて、飛とび散ちりガラス状じょうに固かたまったものです。地面じめんのいろいろな成分せいぶんが混まざるため黒くろくなることが多おおいです。