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電子顕微鏡・医用機器・ライフサイエンス製品日立ハイテクノロジーズ

ナノフォトン レーザーラマン顕微鏡 RAMANtouch

※ナノフォトン社製

ナノフォトン社が開発した、高速、高画質のレーザーラマン顕微鏡 RAMANtouchは、最先端の光学技術を取り入れた分光器と光学素子を搭載し、空間分解能と感度をさらに向上させました。あらゆるアプリケーションで高いパフォーマンスを発揮します。

取扱会社:株式会社 日立ハイテクノロジーズ

    特長

    ナノフォトンが開発した、高速、高画質なレーザーラマン顕微鏡 RAMANtouch/RAMANforce。最先端の光学技術を取り入れた新設計の分光器と光学素子を搭載し、空間分解能と感度をさらに向上させました。あらゆるアプリケーションで最高のパフォーマンスを発揮します。

    すべての倍率で、最高の空間分解能を

    すべての倍率で、最高の空間分解能を

    ナノフォトンが目指したのは、パーフェクト・レゾリューション。
    10倍や20倍などの低倍率対物レンズの空間分解能を限界まで向上させる一方で、
    100倍での350nmの空間分解能はもちろん健在。
    RAMANtouchはさまざまな測定で、高い空間分解能を保証します。

    1. 350nmの空間分解能

    横モード・シングルの高品質レーザーを搭載し、平面方向において350nmという空間分解能を保証しています(励起波長532nmとNA=0.90の100倍対物レンズ使用時)。下のデータは、直径200nmの蛍光ビーズをラマンイメージングしたデータです。点線に沿って、スペクトルの強度プロファイルを取ったときに、半値全幅(FWHM)で300nmを達成できていることが確認できています。

    サンプル:蛍光ビーズ(Φ200 nm)
    励起波長:532 nm
    対物レンズ:100x, 0.90 NA

    Graphene

    さらにRAMANtouchでは、新開発の分光器を搭載することで収差を極限まで低減し、10倍や20倍などの低倍率対物レンズの空間分解能も限界まで引き上げました。高倍率でも低倍率でも、キレの良いクリアなラマンイメージングが可能です。

    蛍光ビーズのXYラマンイメージ(10倍)

    サンプル:蛍光ビーズ(Φ10 μm)
    励起波長:532 nm
    対物レンズ:10x, 0.30 NA

    2. コンフォーカル光学系による三次元分解能

    高品質なコンフォーカル光学系を搭載し、深さ方向においても理論限界に迫る空間分解能を実現しました。右のデータは、直径200nmの蛍光ビーズを深さ方向にラマンイメージングしたデータです。スペクトルの強度プロファイルより、半値全幅(FWHM)で670nmを達成できていることが確認できています。この高いコンフォーカリティにより、透明なサンプル内部の焦点面の信号のみを、非破壊で測定することが可能となります。フィルムの断層ラマン観察や埋没異物のラマンスペクトル測定などで、高い性能を発揮します。

    蛍光ビーズのXZラマンイメージ

    図中の点線に沿ったピーク強度プロファイル

    サンプル:蛍光ビーズ(Φ200 nm)
    励起波長:532 nm
    対物レンズ:100x, 0.90 NA

    コンフォーカル(共焦点) 光学系とは?

    コンフォーカル(共焦点)光学系とは、検出器の前にピンホールを置くことで、焦点面以外からの余分な光をカットする技術です。コンフォーカリティが悪いと、観察したい面の上下からの余分なラマン散乱光がノイズとして混ざりこむため、層状の試料をきれいに分離観察できず、また微小物を高感度で測定できません。

    3. 100nm以下の微小異物を同定

    最高クラスの空間分解能は、スポットサイズよりも小さな粒子の検出感度を飛躍的に高めます。高精度なレーザービーム走査が正確に異物の中心にレーザービームを照射し、堅牢なステージが安定した長時間露光をサポート。100nm以下の微小異物でもS/Nの高いラマンスペクトルが取得できるため、高精度な異物同定が可能です。

    4. 最大で当社比1.93倍の超高感度な光学系を搭載

    最先端の光学材料やコーティング技術を取り入れるため、RAMANtouchでは光学系に含まれるすべての部品を見直しました。さらに分光器を新設計し、超高感度なCCD検出器を標準搭載することによって、最大で従来比1.93倍の超高感度な光学系が完成しました。下図に示す通り、旧モデルのRAMANtouchとの比較では、532nm励起時に最大で1.93倍(100cm-1での比較)、785nm励起時に最大で1.86倍(553cm-1での比較)の超高感度なラマンスペクトル測定が可能です。

    励起波長532nmでの検出感度を旧モデルと比較

    励起波長532nmでの検出感度を旧モデルと比較

    ※各波数において、旧モデルの感度を1として比較しています。

    励起波長785nmでの検出感度を旧モデルと比較

    励起波長785nmでの検出感度を旧モデルと比較

    ※各波数において、旧モデルの感度を1として比較しています。

    さらに速くなった高速ラマンイメージング

    さらに速くなった高速ラマンイメージング

    独自のライン照明とレーザービーム走査技術により、
    世界で初めて、高速ラマンイメージングを実現したナノフォトン。
    RAMANtouchでは、光学系に含まれるすべての部品を見直すことで、
    最大で従来比1.93倍の超高感度なラマンスペクトル測定を可能としました。

    1. ライン照明が実現する超高速イメージング

    ラマン画像の取得速度を飛躍的に上げるため、レーザービームをライン状に引き伸ばして試料に照射する独自のライン照明技術を開発(特許取得済み)。ライン状に照明された試料上の400点から、同時にラマン散乱光を誘起して検出するため、従来に比べて数百倍の高速イメージングが可能です。

    ライン照明と高画素CCDによる400スペクトル同時検出システム

    また、高精度のスキャニングミラーを搭載することで、レーザービーム走査によるイメージングを実現。走査スピードも走査精度も、従来の電動ステージ走査を大幅に凌駕します。また、レーザービーム走査方式なら、顕微鏡画像の任意の位置をクリックするだけで測定位置を指定できるので、操作性も大幅に向上します。

    ポイント照明 & レーザービーム走査

    ライン照明 & レーザービーム走査

    なお、レーザービーム走査方式は、視野の中央以外の部位を測定する際に、レーザーが観察面に斜めに入射してスポットが歪むのではないかと思われがちですが、これは30年も前の話です。最新の対物レンズでは、視野の中央でも端でもレーザーは観察面に垂直に入射するように設計されています。

    2. 最大で従来比1.93倍の超高感度な光学系を搭載

    最先端の光学材料やコーティング技術を取り入れるため、RAMANtouchでは光学系に含まれるすべての部品を見直しました。さらに分光器を新設計し、超高感度なCCD検出器を標準搭載することによって、最大で従来比1.93倍の超高感度な光学系が完成しました。下図に示す通り、旧モデルのRAMANtouchとの比較では、532nm励起時に最大で1.93倍(100cm-1での比較)、785nm励起時に最大で1.86倍(553cm-1での比較)の超高感度なラマンスペクトル測定が可能です。

    励起波長532nmでの検出感度を旧モデルと比較

    励起波長532nmでの検出感度を旧モデルと比較

    ※各波数において、旧モデルの感度を1として比較しています。

    励起波長785nmでの検出感度を旧モデルと比較

    励起波長785nmでの検出感度を旧モデルと比較

    ※各波数において、旧モデルの感度を1として比較しています。

    高い分光パフォーマンス

    RAMANtouch/RAMANforceは、そのコンパクトな筐体のなかに焦点距離550mmの分光器を搭載しています。スペクトル分解能や明るさ、安定性などのバランスに優れた設計で、高い分光パフォーマンスを安定して発揮します。装置に内蔵された3枚の回折格子を自由に切り替えて、目的に合わせた多彩なスペクトル分析が可能です。

    1. スペクトル分解能(※)と明るさを高いレベルで両立

    「十分なスペクトル分解能があること」「十分な明るさが確保できること」「できるだけコンパクトであること」。この3つの条件を満たすために、焦点距離550mmの分光器を採用しました。スペクトル分解能は、785nmの励起波長と1200gr/mmのグレーティング使用時で1.2cm-1(FWHM)を切ります。スペクトル分解能の評価に使われる四塩化炭素のラマンピークも、532nmでも785nmでもしっかりと分離して検出することができます(右)。

    より高いスペクトル分解能を発揮する2400gr/mm、分解能と測定スペクトル範囲のバランスの取れた600gr/mm、PLや反射分光測定など広い波長領域の測定で有用な150gr/mmなど、多数の選択肢から3枚のグレーティングを選んで搭載できます。ソフトウェアからワンクリックで切り替えて使用でき、調整は必要ありません。

    Appendix
    スペクトル分解能について理解しよう。

    ① 四塩化炭素のラマンスペクトル(532nmで測定)

    励起波長:532 nm
    回折格子:2400gr/mm

    ② 四塩化炭素のラマンスペクトル(785nmで測定)

    励起波長:785 nm
    回折格子:1200 gr/mm

    2. 0.1cm-1を超える高精度ピークシフト測定

    550mmという長い焦点距離と、高分解能用グレーティングの組み合わせにより、0.1cm-1を超える高いピーク位置決め精度を実現します。
    ガウス型やローレンツ型のピーク関数を用いたフィッティング解析により、スペクトルピクセル分解能(※)を超えたピーク位置決め精度でピーク位置を解析することが可能です。 右のデータは、532nmのレーザーと2400gr/mmのグレーティング使用時のシリコンのピーク位置のばらつき具合が、わずか0.02cm-1におさまっていることを示しています。

    Appendix
    スペクトルピクセル分解能について理解しよう。

    シリコンのラマンピーク位置ヒストグラム

    励起波長:532 nm
    回折格子:2400 gr/mm
    測定回数:6,750 回

    3. (参考)スペクトル分解能とスペクトルピクセル分解能

    スペクトル分解能とは、近接した2本のラマンピークを分離して検出できる能力のことです。装置のスペクトル分解能を決める要因にはさまざまなものがあり、励起レーザーの線幅や分光器の焦点距離など装置固有のものから、分光器のスリット幅やグレーティングの刻線数など、ユーザーが設定を変更できるものもあります。下図には、グレーティングの種類を変えて測定した四塩化炭素のラマンスペクトルを示します。刻線数の多いグレーティングを使うことで、スペクトル分解能が向上していることが分かります。

    四塩化炭素のラマンスペクトル
    (600gr/mm)

    四塩化炭素のラマンスペクトル
    (2400gr/mm)

    装置のスペクトル分解能は、レイリー散乱光のピークの半値全幅(FWHM)で評価します。レイリー散乱光のピークの半値全幅とはすなわち励起レーザーの線幅そのものであり(注1)、ラマン分光法では原理的に、励起レーザーの線幅より細かなピークを分離することはできないためです。RAMANtouchのスペクトル分解能は、785nmの励起波長、1200gr/mmのグレーティング使用時で、0.67cm-1(典型値)となっています。一方、スペクトルのサンプリング間隔として、スペクトルピクセル分解能という性能指標もあります。下記データでは、およそ0.4cm-1ごとにスペクトルデータが取得されているため、スペクトルピクセル分解能は0.4cm-1/pixelとなっています。

    スペクトル分解能
    (レイリー光の半値全幅)

    スペクトルピクセル分解能
    (サンプリング間隔)

    このスペクトルピクセル分解能はスペクトル分解能とは別の仕様であり、近接した2本のラマンピークを分離して検出できる能力のことではありません。装置によっては、スペクトルピクセル分解能をスペクトル分解能として紹介していることもあり注意が必要です。

    (注1)実際には装置に由来する線幅の広がりも含みます。

    多彩な測定と解析ニーズに応えるパワフルなソフトウェア

    多彩な測定と解析ニーズに応えるパワフルなソフトウェア

    ベースライン補正や宇宙線除去などの汎用的な前処理機能から、
    自動粒子測定、インターレース測定、分散性の定量評価など多彩な機能を網羅しました。
    簡潔に整理されたユーザーインターフェースは、
    だれでもすぐに基本的な分析業務が進められるようデザインされています。

    ZTrack

    光学顕微鏡像から試料の表面形状を認識し、表面形状に沿ってラマンイメージングを行う測定機能です。これまで凹凸があって測定が難しかった試料でも、ピンボケのない鮮明なラマン画像が得られます。​
    光学顕微鏡像やラマン画像を表面形状に合わせて表示でき、凹凸の材料の分布の関係を確認することもできます。​

    ZTrack解説動画

    AreaFlash

    ライン照明を高速に縦方向にスキャンすることで、一度の露光で広範囲の平均スペクトルを取得する機能です。広範囲であることに加えて、CCD上の400スペクトルを積算して1つのスペクトルとするため、非常に高感度なデータが得られます。​
    AreaFlashを使うことで、サンプル間の平均スペクトルの比較を行ったり、経時変化するスペクトルの変化を簡単に追跡することができます。​​

    AreaFlash解説動画

    広視野AreaFlash

    電動ステージとAreaFlashを組み合わせることで、広範囲のスペクトルマッピング測定を高速に実現できます。
    ステージ走査のみでは広範囲を隙間なく測定することが困難でしたが、レーザー走査と組み合わせることで、試料全体を隙間なく測定することができます。AreaFlashでは非常に高感度なスペクトルが得られるため、広範囲であっても短時間で測定が可能です。​​​

    錠剤の広視野AreaFlashの例。​
    1点が約400μm角で20x20点を測定。​​​​

    ボリュームラマン

    低N.A.(0.04)の対物レンズでライン上のレーザーを高速走査することによって、6mm x 6mmの平均スペクトルを一度に測定する機能です。錠剤に対しては、拡散効果により内部約0.5mmの深さまでの情報が得られるため、体積領域にして約18mm3がラマン測定の対象になります。​​​

    内部参照サンプルによる較正

    ※特許技術

    RAMANtouchには装置内部に、較正用の参照サンプルが搭載されています。レーザー走査により参照サンプルを測定することで、ステージ上に較正試料を置かなくても、波数較正を実施することができます。​
    測定中でも波数較正を実施することができるため、一定のインターバルごとに参照サンプルのスペクトルを測定することで、測定中の室温の変化などによるピーク位置の僅かな変化も補正することが可能です。​長時間の測定においては特に効果を発揮します。​​​

    高速・高分解能3Dラマンイメージング

    非破壊で試料内部を測定できるコンフォーカル光学系の強みを生かして、三次元のラマンイメージを取得します。ステージの高さを変えながら、ライン照明による高速XYイメージングを繰り返し、ソフトウェア上で重ね合わせて3次元データを形成します。試料内部の構造物や添加物などの分布を、より直感的に把握することが可能です。RAMANtouchの高いイメージングスピードと深さ分解能が存分に発揮される測定モードです。​​

    透明な芯鞘構造繊維の3Dラマンイメージ

    試料表面のカーブに追従する新広視野イメージング機能

    広視野イメージング測定機能が新しく生まれ変わりました。広視野の光学顕微鏡像を取得する際に試料表面の高さを自動で計測し、オートフォーカスをかけながら広視野ラマンイメージングが可能です。表面がカーブした錠剤表面も、錠剤の中央から端までピントのあったラマンイメージが得られます。さらに、測定アルゴリズムを改善することで、旧モデルのRAMANtouchとの比較でおよそ3倍の高速化を実現しました。​​

    試料表面のカーブに追従する新広視野イメージング

    9mm x 9mm (313,599 pixels)の広視野イメージングの測定時間比較

    オート・パーティクル・スキャン(オプション)

    光顕像から粒子を自動で認識し、オートフォーカスしながら自動でラマン分光分析を行います。ナノフォトンが得意とする高速・高精度のレーザービーム走査を生かして、各粒子の中央1点を測定するモード、全体をスキャンして平均スペクトルを測定するモード、任意の間隔でマッピング測定するモードを搭載。測定中にリアルタイムでスペクトル検索を行い、自動で成分を同定します。ISO16232に準拠したサイズクラスごとの測定や解析も可能です。​​

    光学顕微鏡画像から粒子を検出

    便利な3つの測定モード

    自動粒子測定機能

    インターレース・スキャニング

    はじめに粗くスキャニングをして低解像度の全体像を取得し、その後は間を補完するようにスキャニングを進めて、最終的には高画素なラマンイメージを取得する測定モードです。まずは粗くで良いから試料の全体像を観察したい、という方にオススメです。​​

    錠剤表面のインターレース測定

    その他の特殊なスキャニングモード

    リアルタイム多変量解析
    ラマンイメージングをしながらリアルタイムで多変量解析を行い、成分スペクトルの抽出や分布の可視化をします。
    ランダムスキャン(オプション)
    ポイントマッピングやイメージング測定時に、測定画素をランダムに決めてスキャニングを進めます。サンプルの特定の箇所に熱がこもるのを回避する効果があります。

    定量評価

    混合試料のスペクトルから、成分の混合比率を推定する機能です。混合試料のスペクトルは、試料に含まれる成分スペクトルの重ね合わせで表わされます。最小二乗法によって各成分の重ね合わせ係数を計算することで、各成分の混合比率を推定します。
    さらに、混合比率が既知の試料を用いて検量線を作成することで、未知試料の混合比率をより高い精度で推定することが可能です。
    ラマン分光では、定量評価は難しいという印象があるかもしれませんが、検量線を作成することで、評価の精度を高めることができます。​​​​

    ラマン画像自動生成

    ラマンイメージデータ中に含まれるピークを自動的に認識し、ラマン画像を生成する機能です。設定画面から表示したい成分数を変えていくだけで、ラマンピーク強度の大きな成分から画像化されていくため、初心者でも簡単にラマン画像を生成できます。​
    また、未知試料や材料の劣化などによりピーク位置が事前にわからない場合や、微弱ピークを探す場合にも便利な機能です。​

    パワーポイント出力機能

    予め用意しておいたパワーポイントのテンプレートファイルにデータを出力する機能です。​
    ・ラマン画像​​
    ・スペクトル​​
    ・測定条件​​
    を一度に出力できるため、ワンクリックで必要なデータがスライド上に並びます。その後はパワーポイント上で細かな調整をすることができ、短時間で報告書を作成することできます。​​

    マクロ処理

    登録しておいた解析機能を一度に実行する機能です。解析手順が決まっているデータに対して簡単に一連の処理を実行できます。​​​​​

    成分分散性の定量評価

    分散性評価はラマン画像中の特定成分について分布の不均一性、凝集性、偏りを定量評価するための機能です。この解析機能では、(X, Y)や(r, θ)などの走査軸に沿ってエッジをカウントする走査線法や、正方形やボロノイ多角形などで区間分割して粒子数のばらつきを調べる手法などを搭載し、さまざまな観点から分散性を定量評価できます。

    面積比解析による成分含有比率評価

    多成分の分布を表示したラマンイメージを作成し、各成分がどの程度の割合で存在しているかを算出します。1画素ごとに、いずれかひとつの成分のみが存在していると仮定して計算します。後述の最小二乗法による線形和解析を用いて評価する手法もあります。

    錠剤表面における成分の分布と割合の評価

    ラマンイメージと面積比解析結果

    :添加剤   :原薬   :原薬の結晶多形

    特定成分の粒径解析

    ラマンイメージ中に存在する特定の成分について、粒径の統計解析を行います。粒子を楕円で近似し、個数基準、面積基準、体積基準でのヒストグラムを表示します。あわせて、最大値や平均値、標準偏差などの統計値も確認できます。

    錠剤に含まれる原薬の粒径解析

    ラマンイメージ

    :原薬   :添加剤

    原薬の二値化イメージ

    原薬の粒径解析結果

    ※上市品につきサイズに関する情報を省いてご紹介しています。

    特異値分解(SVD)によるノイズ除去

    ラマンイメージ中に含まれる成分スペクトルを抽出し、寄与率の高い成分から順番に並べて表示します。寄与率の小さな成分はノイズ成分であり、これらを取り除いてラマンイメージを再構築することで、微弱な信号でも明瞭な成分分布を可視化します。

    HeLa細胞のラマンイメージにおけるノイズ除去処理

    SVDにより抽出された成分スペクトルの一部

    ラマンイメージ

    最小二乗法による線形和解析(CLS)

    未知のスペクトルを、既知の原材料スペクトルの線形和で表現し、最小二乗法によって既知スペクトルの強度を算出します。測定条件を揃えた原材料スペクトルを用いることで、成分量の定量評価が可能となります。

    リチウムイオン電池の正極材料のCLS解析

    CLSで描画したラマンイメージ

    :コバルト酸リチウム   :カーボン

    CLSで算出した成分比率

    計算に使用した原材料スペクトル

    生データとCLSで計算した線形和スペクトルの比較

    多変量カーブ分解(MCR)

    未知スペクトルが有限個(N個)の成分スペクトルの線形和で表され、かつスペクトル強度や成分濃度が負にならないと仮定し、成分スペクトルを推定する手法です。高速な計算アルゴリズムと収束性の保証されたアルゴリズムを搭載し、どちらか選択して実行できます。

    MCRを用いて計算したHeLa細胞のラマンイメージ

    MCRにより算出された成分スペクトル

    MCRラマンイメージ

    :成分1(Protein)
    :成分2(Lipid)
    :成分3(Cytochrome c)

    新設計の堅牢ボディを採用し、ステージドリフトをさらに軽減

    新設計の堅牢ボディを採用し、ステージドリフトをさらに軽減

    どれだけ高い空間分解能を備えていても、測定中に試料ステージがドリフトすれば、画像はボケてしまいます。
    RAMANtouchは室温の影響を受けにくい新構造ボディを採用したため、イメージング中もフォーカスをしっかりと維持します。

    レーザーラマン顕微鏡RAMANtouchの筐体サイズ

    RAMANtouchの筐体サイズは、驚くほどコンパクト。この絞り込まれたボディが、環境温度の微妙な変化に対する光軸の堅牢性を向上させて、安定したスペクトル測定を実現しています。

    1. 新設計の堅牢ボディがステージドリフトをさらに軽減

    どれだけ高い空間分解能を備えていても、測定中に試料ステージがドリフトすれば、画像はボケてしまいます。RAMANtouchは室温の影響を受けにくい新構造ボディを採用することで、1℃の環境温度変化に対するフォーカスずれを50nm以下に抑えました。イメージング中もフォーカスをしっかりと維持し、高い空間分解能を最大限に生かします。

    室温の変化に伴うステージ高さの変化

    2. ダウンタイムを生じさせないサービス体制

    RAMANtouchに含まれる部品のうち、消耗品はレーザーのみ。レーザーの寿命には個体差がありますが、およそ5年(10,000 時間程度)が目安と言われています。レーザーの寿命が切れたときは、レーザーダイオードの交換が必要となり、その費用は数百万円にのぼります。また、寿命切れ以外にも、数十万円から100万円程度の突発的な修理費用が生じることもないとは言えません。

    ナノフォトンでは、突発的なレーザートラブルに備えるための保守契約をご用意しております。レーザー保守契約を締結いただくことにより、突発的な高額な修理費用を一定額に抑えることができます。また、不具合のご連絡から24時間以内の一次対応も保証しており、レーザーの引き取り修理が必要なケースでは、代替機の手配も可能です。万が一の事態が生じても、重要な分析業務をストップさせない体制を整備しています。

    仕様

    1. 主な仕様


    主な仕様
    レーザー波長 325nm、355nm、405nm、457nm、488nm、532nm、633nm、671nm、785nmほか
    レーザー照射方式
    ポイント照明およびライン照明
    分光器の焦点距離
    550mm
    グレーティング
    150、300、600、1200、1800、2400gr/mmから3枚内蔵
    検出器
    電子冷却CCD 1340 × 400画素
    光学顕微鏡
    正立型もしくは倒立型
    サイズ
    W820 × D646/573 × H443mm(※Dの値は遮光カバーの種類による)
    質 量 70kg

    2. 主な性能


    主な性能
    空間分解能(X / Y / Z) 350nm / 500nm / 1000nm(@532nm、100x 0.90NA)
    スペクトル測定範囲
    100cm-1~ (オプション:50 cm-1~)
    スペクトル分解能(FWHM)
    1.2cm-1 (@785nm、1200gr/mm)
    スペクトルピクセル分解能
    0.4cm-1/pixel (@785nm、1200gr/mm)
    ピーク位置決め精度 0.1cm-1 (@532nm、2400gr/mm)

    3. オプション

    オプション
    • ・データベース
    • ・冷却加熱ステージ
    • ・広視野観察用電動ステージ
    • ・簡易偏光ラマン測定機能
    • ・高精度ピークシフト測定機能
    • ・低波数ラマンスペクトル測定機能
    • ・反射分光イメージング

    関連情報

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