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Hitachi

電子顕微鏡・医用機器・ライフサイエンス製品日立ハイテク

ダイナミック・フォース・モード(DFM)

ダイナミック・フォース・モード(DFM:Dynamic Force Mode)は、カンチレバーを共振させた状態で、レバーの振動振幅が一定になるように探針・試料間の距離を制御しながら、表面形状を測定する測定モードです。
振動振幅は、探針・試料間距離に極めて敏感であり、ノンコンタクト領域では、主にレバー面と試料面のレバー面と試料面の間に存在する空気層のダンピングの効果で振動振幅はだんだん小さくなり、探針が試料表面に触り始めると、レバーの運動エネルギーは試料側に散逸し、急激に振動振幅は小さくなります。この振動振幅が一定になるように探針・試料間距離(Z)をフィードバック制御しながら水平(X、Y)に走査することで、コンタクトモードAFMと同じように表面形状像を得ることができます。AFMでは安定な観測が難しいことがある軟らかな試料、吸着がある試料などにも有効な表面形状測定モードです。
多機能型SPMの基本になる測定モードで、カンチレバー種類や信号検出の方法を変えることにより様々な物性測定が可能となります。


DFM構成図


振動振幅と探針・試料間距離の関係

DFM用マイクロカンチレバー

AFM用カンチレバーと同様、DFM用カンチレバーも半導体プロセスで製造され、安価に大量供給されているため広く普及しています。主にシリコン製のカンチレバーが市販されています。

SI-DF40, SI-DF20, SI-DF3

DFMで標準のレバーです。

SI-DF40P

凹凸が比較的大きな試料に向いています。 探針がレバー先端にあり、位置合わせが容易です。


DFMで測定された髪の毛の表面

DFMとAFMの比較
~軟らかい試料の観察(コラーゲン細繊維の例)~

AFM観察ではところどころ横筋が見られ、吸着や変形などが生じています。DFM観察では、安定した形状像が得られており、軟らかい試料の観察ではDFMの方が試料を壊しにくいといえます。しかし、AFM画像をよく見ると、コラーゲン細繊維のどの部分が安定か、どの部分が変形したかなどがリアルにわかってきます。これも重要な情報といえます。SIIナノテクでは、さらなる次世代の観察技術としてSIS(サンプリング・インテリジェント・スキャン)モードを開発しており、探針磨耗を桁違いに軽減し、カーボンナノプローブやハイアスペクト探針と組み合わせ、ナノインプリントなどのハイアスペクト形状の高精度計測やDFMでも吸着影響が大きい試料などへの適用を可能としました。


AFM観察結果

DFM観察結果