真空環境におけるAFM観察の有効性
大気の成分は窒素が最も割合が多く、次いで酸素、残りはその他の微量元素であり、その成分比は地球上のどこでもほぼ一定です。しかし水蒸気の量は地域や天候、季節によって変わってきます。この水蒸気は大気圧、室温下で物質表面に吸着しており、ガラスなどでも相対湿度4~5%で単分子層の水分子が表面を覆い、相対湿度がもっと大きいと複数の水分子層で表面が濡れた状態になります。例えば、晴れた日の湿度40%と、雨の日の湿度80%を比較すると、それだけでも吸着水の量や大気ガスに含まれる水蒸気の量が大きく違ってきます。大気中のAFM観察では、試料表面も探針表面も、このような吸着水で覆われていると考えられます。
更に、大気中ではガス分子が試料やカンチレバーに絶えず衝突を繰り返しています。
真空環境におけるAFM観察の有効性について、レポート形式でご紹介しています。