紫外可視域~近赤外域に渡る広範囲の測定波長に対応するため、複数の検知器を積分球に搭載しています。
UH4150形は元来培ってきた積分球構造のノウハウ、信号処理技術などにより、検出器切り替え時に生じる測光値の差(切り替え段差)を最小限に抑えています。
検知器切り替え波長付近の測定例
(金ナノロッドの吸収スペクトル)
UH4150形はU-4100形の定評ある光学系を継承し、プリズム‐グレーティング(PG)のダブルモノクロ方式を採用しています。プリズム‐グレーティング(PG)方式は、一般的なグレーティング‐グレーティング(GG)方式の分光光度計に比べ、S偏光およびP偏光において光量の急峻な変化が少ないため、低透過・反射測定においてもノイズの少ない測定を提供します。
固体試料の正反射を測定する場合、入射角が重要となります。集光光束の場合、レンズの焦点距離などによって、入射角は一様ではありません。これでは、誘電体多層膜や プリズムなどの光学薄膜設計をした際のシミュレーション値と、実際の測定値との 差異が生じる要因となりかねません。
平行光束の場合、入射角は試料に対して一様となり、精度の高い正反射測定が可能となります。その他、平行光束は、拡散性の評価(ヘーズ)、レンズの透過率測定にも有効です。
正反射測定の例
材質、サイズ、形状の異なる8種類の積分球をラインアップしています*2。
付属装置の詳細は、お問い合わせください。
検知器ラインアップ
試料室開閉蓋の改良に加え、作業性の向上を図りました。
試料や付属装置の交換などを想定し、人間工学に基づくデザインを採用しました。
U-4100形の付属装置との共通化を図りました。
従来、ご利用の付属装置をUH4150形でも使用することができます*3。付属装置は着脱・交換可能のため、測定のバリエーションを広げることが可能です。
定評のあるU-4100形の光学系をそのままに、よりハイスループットな測定が可能になりました。従来、1 nmのデータ間隔で測定するためにはスキャンスピード600 nm/minに設定する必要がありました。UH4150形では、データ取り込み方式の改良により、これまでの倍の1,200 nm/minで同様のデータ取得が可能となり、測定時間の短縮を実現しました*4。
下図に示す240~2,600 nmの範囲の測定が約2分で可能となります。紫外・可視・近赤外領域の測定を必要とする遮熱部材の測定などに有効です。
600 nm/minにおける遮熱部材の
反射スペクトル
1,200 nm/minにおける遮熱部材の
反射スペクトル
自動確度可変絶対反射付属装置、自動偏光付属装置、自動X-Yステージ付属装置をそれぞれシステム化することで、測定の自動化を図るとともに、測定値の再現性向上、また測定に関わる時間の短縮が図れます。
項目 | 標準積分球タイプ | 直入射タイプ | 高感度積分球タイプ |
---|---|---|---|
検出器 光電子増倍管(UV-VIS)、 冷却形PbS(NIR) |
積分球内面塗布:BaSO4 Φ60 mm標準積分球 …4穴/反射試料入射角 …試料側、対照側とも10° Φ60 mm標準積分球 …4穴/反射試料入射角 …試料側8°、対照側0° Φ60 mm標準全球積分球 …2穴 |
直入射検知器 | 積分球内面塗布:スペクトラロン® Φ60 mm反射対応高感度積分球 …入射角:試料側8°、対照側0° Φ60高感度全球積分球…2穴 |
設定可能波長範囲 | 175~3,300 nm | ||
分光器 | プリズム・グレーティング形、ダブルモノクロメータ、プリモノクロ:プリズム使用のリトロー分光器、 メインモノクロ:回折格子(回折格子2枚切り替え)のツェルニターナ形分光器 |
||
データ処理部 | PC:OS Windows® 7 Professional (32bit または64bit) | ||
使用温度 | 15~35℃ | ||
使用湿度 | 25~80%(結露しないこと、30℃以上では70%以下) | ||
大きさ | 900(W)×760(D)×1,180(H)(mm) |
全反射測定用途
(Φ60標準積分球(全反射測定用))
240 nm~2,600 nmの波長範囲における全反射の測定が可能です。
別途付属装置を用いることで、透過や正反射の測定ができます。
高感度測定用途
(Φ60反射対応高感度積分球)
190 nm~2,600 nmの波長範囲における全反射・拡散反射の測定が可能です。標準積分球と比較して低ノイズ測定ができます。
別途付属装置を用いることで、透過や正反射の測定ができます。
液体試料測定用途
(直入射検知器)
185 nm~3,300 nmの波長範囲における液体試料の吸光度測定が可能です。別途付属装置を用いることで、固体試料の透過や正反射(相対)の測定ができます。積分球検出器と比較して低ノイズ測定ができます。
微小サンプル透過率測定システムにより微小ガラス片、ピックアップレンズなどの微小な試料の透過率測定が可能です。
各種ピックアップレンズの測定例
マスク種類 | 測定可能試料サイズ |
---|---|
Φ3 mmマスク (標準付属) |
Φ5~Φ20 厚さ3 mm以下 |
1 mmマスク (オプション) |
Φ3~Φ20 厚さ3 mm以下 |
積分球(試料側角度0°)の背面に試料を設置することにより、粉末試料などの拡散反射率測定が行えます。
酸化チタンの拡散反射率の測定例
入射角 | 0° |
---|---|
波長範囲 | 240~2,600 nm |
分光光度計(UV-Vis/NIR)の測定例を紹介します。
「紫外・可視分光光度計で何ができる?」から「分光光度計の仕組み」まで、知っておきたい分光光度計の基礎を紹介します。
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