下に一般的な分光蛍光光度計のブロック図を示します。
(1) 励起光源は試料に照射する励起光を与えるための光源で、通常キセノンランプが使われます。
光源から発せられた白色光(いろいろな波長の光を含んだ光)は(2)励起側分光器に入射されます。励起スペクトルを測定する時はこの(2)励起側分光器を動かし、試料に照射する波長を順次変えていきます(このことをスキャンとか波長走査といいます)。逆に蛍光スペクトルを測定する時は励起側分光器は特定の波長を選択させて止めておきます。
励起側分光器から出射した光は試料を励起するため試料に向かうとともに、この一部がハーフミラーによって分割され、(3)モニタ検出器に向かいます。このモニタ検出器は試料に照射される励起光の強度を監視しています。通常は、光電管(ホトチューブ)、ホトダイオード、光電子増倍管(ホトマルチプライヤー、ホトマルともいいます)等が使われます。
さて、励起光が試料に到達すると、試料は励起されて蛍光を発します。発した蛍光は(4)蛍光側分光器に入射されます(図では省略していますがレンズで集光します)。 励起スペクトルを測定する時は、この(4)蛍光側分光器を特定の波長を選択させて止めておきます。蛍光スペクトルを測定するときは、この蛍光側分光器を動かし、どのような波長の蛍光を発しているかを測定します。
蛍光側分光器を出射した蛍光は、(5)蛍光検出器に入射します。通常は光電子増倍管が使われます。蛍光検知器は蛍光をアナログ電気信号に変換して、(6)A/D変換回路で、ディジタル信号に変換されます。
これらの波長スキャンや、ディジタル信号の処理はすべて(7)コンピュータが制御しています。
次に、分光蛍光光度計の光学系統図を示します。
これらの詳しい解説はここでは省略しますが、このように精密な、多くの光学素子によって構成されています。
装置のカタログの最終ページにはその装置の性能仕様が記載されています。ここで使われている用語の意味と数字の読み方を解説します。