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減らない品質不正の実態と対策
データの改ざんを不可能にする仕組みの導入が重要

2022.09.06

品質管理

LabDAMS

ブログ

登壇者

上野 俊介氏
PwCアドバイザリー合同会社 フォレンジックサービス ディレクター
田村 千瀬
日立ハイテクソリューションズ OT事業本部 デジタルソリューション事業ユニット Smart-PAグループ

品質偽装やデータ改ざんなど、製造業における品質不正事案が後を絶ちません。売上の著しい減少やブランドイメージの悪化など企業に深刻な影響をもたらす品質不正。

先般、弊社では「事例に学ぶ製造業の品質不正対策と品質管理DX」と題し、PwCアドバイザリー合同会社との共催によるウェビナーを開催しました。
前半では、これまで数多くの不正調査をおこなってきたPwCアドバイザリー合同会社のデジタルフォレンジックの専門家 上野俊介氏より、品質不正が起こる要因や品質コンプライアンスへの取り組みについて解説いただきます。
後半では、日立ハイテクソリューションズ田村より、弊社LIMS*1製品「LabDAMS」の導入効果や対策事例をご紹介します。

*1 LIMS:Laboratory Information Management System 検査情報管理システム

本記事は、当該ウェビナーの講演内容を要約したものです。ページ下部には、ウェビナー動画とその際の投影資料をご用意しております。

減らない品質不正の実態

(上野氏)  品質不正がなぜ起き続けるのか、品質不正の調査を手掛ける上野より、その実態についてお話します。品質不正は、2000年以降でみると2000~2007年の第一波、2015年以降の第二波があります。
第一波は食品原材料の偽装や自動車業界のリコール隠しでしたが、第二波は業種を問わず検査会計、検査結果の改ざんや未実施、製造方法そのものが不正に関する内容に変化しています。
近年、各企業の品質に対する感度が高まる一方で、品質不正の有無について確認できていない実情が潜在的に多数存在することも想定され、いまだ沈静化にはいたっていません。

品質不正が起こる3要素とは

(上野氏)  ではなぜ、品質不正が起こるのでしょうか。アメリカの犯罪学者ドナルド・クレッシー氏は、人が不正行為をはたらくのは「動機」「機会」「正当化」の3要素が揃ったときであると提唱しています。
この3要素のうち「動機」と「正当化」については従業員の心理的な要因であり、企業でコントロールすることはできません。したがって不正の防止策を検討するにあたっては、「機会」に着目することが重要になります。

品質コンプライアンスに取り組む第一歩。
“リスクポイントを洗い出す”

(上野氏)  では、どのように「機会」を消失させればよいのでしょうか。
リスクポイントは、データの改ざん、検査の未実施など、いたるところに存在します。製品機能に重要な影響を与えるリスクポイントがどこにあるかを洗い出して評価した上で、改ざんされていない生データを保全することが品質コンプライアンスに取り組む第一歩となります。
規制が厳しい医薬品業界や品質不正が発生した企業などでは、すでにコンプライアンスへの取り組みとして、システムの導入が始まっています。

システムを導入するという手段-LIMS活用法-

(田村) LIMS製品である「LabDAMS」を活用した品質不正を防ぐ方法についてお話します。
品質管理の現場を見てみると、そこにはヒューマンエラーによる“意図しない改ざんリスク”もあることがわかります。さらに、近年は検査業務の省人化やリモート業務などの働き方改革、DX化も求められています。
これらの課題を解決する手段として、近年注目を集めているのがLIMSです。
LIMSとはサンプルや検査データの管理をおこなうシステムのことで、検査業務に関わる一連の流れを管理し、課題解決に活用することが期待されています。
日立ハイテクソリューションズではLabDAMS(Laboratory Data Management System)という製品名で一般製造業向けのLIMSを取り扱っており、導入企業さまからは確かな導入効果が得られたとご好評いただいております。
そこで今回は、このシステムの導入によって得られる3つの効果をご紹介します。


検査記録の改ざん防止とセキュリティ強化

LabDAMSには監査証跡と操作権限管理機能があり、共有PCであっても作業者の操作履歴を管理できるので、改ざん防止やセキュリティ強化が期待できます。


検査業務の効率化、作業ミスの防止

分析計オンライン接続機能によって、システム上で分析計の値を取り込めるので、あらかじめ登録してある計算式や規格に基づいて自動計算、自動規格判定が可能となり、作業効率化とヒューマンエラー防止につながります。


検査データの共有化

複数拠点から検査データをアクセスできるようなネットワークを構成し、ユーザー権限を与えることで、スムーズな情報共有ができるようになり、今後の働き方改革にも貢献します。

品質管理もDX化の時代へ

近年、品質管理業務においては品質検査の効率化やデジタル化への重要性が急激に高まっており、企業の対策は急務となっています。 「LabDAMS」は一連の検査業務を電子化することにより、改ざんやヒューマンエラーを防止するだけでなく、データの自動入力や情報共有をスムーズにする多様な機能をご利用いただくことで、業務効率の改善までご支援します。
品質コンプライアンスの取り組みをすでに進められている企業さまも、これから取り組もうとされている企業さまも、これを機にLIMSの活用を選択肢に加えていただけたら幸いです。

ウェビナー動画・投影資料

今回のウェビナーの内容をもっと詳しくお知りになりたい方には、ウェビナー動画とウェビナー投影資料をご用意しております。以下をクリックいただきお申し込みください。

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