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日立ハイテク
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  5. 予兆検知「BD-CUBE」で設備異常を早期に発見
  6. 活用事例 BD-CUBE

保全の高度化、生産改革に貢献
運用事例をご紹介
REPORT

2022/08/29
目次

「BD-CUBE」の特長

予兆・診断システムBD-CUBEは、制御システムから収集したデータをもとに設備や製品品質の異常状態(正常時のデータと比較して、ある一定のしきい値を超えて違う挙動を示した場合に異常とする)を診断する、日立ハイテクソリューションズのシステムです。 その特長は、製品品質や設備の異常を早期に、精確に検知する解析機能と、異常発生時にオペレーターが迅速に行動を起こすことができる影響度要因をランキング表示する機能にあります。

<特長>

  • 高精度に予兆を検知
    いつもと違う挙動をとらえ、予兆が発生している期間の全センサーの異常測度の 合計値を評価するため、少しの変化も見逃しません。
  • 効率的で負担が少ないモデル構築が可能
    予兆検知の核となる解析技術に、日立独自の解析手法(Fast-LSC法)を採用。正常モデルが容易に作成でき、検出精度の高い状態検知が可能です。
  • 予兆検知から瞬時に影響センサーを表示
    シンプルで操作性の高いHMI(Human Machine Interface)を搭載。
    異常の予兆を検知後、オペレーターに行動を促すための最初のステップとして、異常の原因となっている影響度の高いセンサーをランキング表示します。
  • ユーザーにて運用・メンテナンスが可能

操業運転安定化に向けた事例

お客さまが予兆・診断システムを導入する目的は、操業運転の安定化にあります。設備老朽化、人材不足、ベテランオペレーターから若手への技術継承不足などの背景から、これまで通りの運用方法では操業運転の安定化が困難になることが予想され、デジタル技術を活用した新しい運用の確立が期待されています。
ここでは生産性向上、プロセス改善、省力化に向けた取り組み事例をご紹介します。

テーマ1:【生産性向上】
製品ラインの3カ月に1回の清掃が1年に1回へ改善!

お客さまの状況
蒸留工程の製造ラインの閉塞が3カ月に1回の頻度で発生し、その都度閉塞したプロセスラインの清掃を実施していた。プラント停止から清掃、通常運転に戻るのに要する期間は5日間であった。

課題
機会損失懸念と製品在庫量の調整

BD-CUBEによる解析方法・内容
閉塞が発生する蒸留塔ラインの清掃後の状態で学習モデルを作成し、蒸留工程の運転状態にフォーカスし3カ月間のオンライン解析をおこなった。
その結果、流量MV値(※1)が上昇傾向(PV値(※2)は一定)となる閉塞予兆は検知できたが、予兆がわかっても閉塞除去するための清掃頻度は変わらなかったため根本解決には至らなかった。
※1 制御出力値で制御対象の制御量を変化させ、目標値に一致させるための量
※2 プロセス値で実測値を意味する

そこで、検知した異常に影響しているセンサーのランキング2位であった生産量に着目し、流量MV値との関係性を精査した結果、単位時間あたりの生産増加量と流量MV値に相関があることが判明した。
過去事例を調査した結果、単位時間あたりの生産量増加が10t/h以下の場合は、閉塞が発生していないことがわかった。

導入効果
解析結果から生産量増加時の運転方法を改善したところ、1年に1回の清掃で済むようになり、生産性の向上が実現できた。
現在は、反応工程~蒸留工程までのプロセス監視を実施している。

テーマ2:【プロセス改善】
品質向上のため水処理プロセスを改善!

課題
化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand:COD)は、酸化剤を使って有機物などを酸化・分解するときに消費される酸素量(単位はmg/L)である。このCODは有機物などによる排水などの汚濁を測る代表的な指標の一つで、その濃度が高い傾向を事前に検知し、原因がわかれば対策がとれるため、生産性向上につながると考えた。

BD-CUBEによる解析方法・内容
CODと電気伝導率に相関性があることに着目し、電気伝導率を監視することでCOD値悪化の予兆をさらに早期に検知できると想定している。まだ検証中の段階ではあるが、水中の不純物処理後の水質の変化を適切に検知できれば、工程全体の生産性向上に寄与するものと考えている。

テーマ:3【省力化】
自動監視による省力化を実現!

お客さまの状況
製品増産対応のため、プラント増設が急務であったが、人材不足による人の増強が追いつかず、複数工程の監視を人で対応することが限界に達していた。新設プラントの立ち上げ時や、ある重要工程では複数計器の監視に加え、必要に応じて手動介入操作も発生していた。

課題
製品増産対応と操業安定の維持が困難

効果
BD-CUBEの活用で、これまで人が対応していた監視をシステムにより自動化し、常時30~40動作している重要プロセスの状態および異常予兆監視で実績を残している。
良品バッチのプロセス運転状態を学習モデルとして構築し、進行バッチとの状態比較を常時監視することで、人が見落としがちな異常の早期検知や監視業務の省力化に貢献している。
現在は検証実施中であるが、将来の工場無人化実現のための基礎知見になる取り組みと考えている。

従来の監視手法と予兆・診断システムによる監視の違い

以上、製造現場でのビッグデータ解析ツールを活用した取り組みをご紹介しました。

世界的にあらゆる分野でのIT化が進む中、日本が誇る製造業においても製造データや品質データ、豊富なドメイン知識などを最新のテクノロジーと融合させることで、製品品質の向上や生産性の向上を実現することが急務の課題となっています。
弊社は、今後予兆・診断技術を核にさまざまなソリューションへの展開をめざしてまいります。
具体的にはDCS異常予兆の分野や可視化側へのフィードバック、クラウド連携などを新たなソリューションとして構想しており、引き続き製造業における保全の高度化、生産改革に貢献してまいります。

5分でわかる!

製品資料

予兆診断システムのニーズや課題にふれ、BD CUBE®の特長、機能、事例などをご紹介した製品資料です。

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