横浜ゴム株式会社と東北大学多元物質科学研究所 陣内研究室による、「世界で初めてゴムとスチールコードの接着劣化を3次元で解析する技術」の開発に、当社FIB-SEMが貢献しました。
今回、解析したのはタイヤの補強材として使用されるスチールベルト。スチールベルトはゴムとスチールコードを接着してベルト状にしたもので、ゴムとスチールコードの接着保持力がタイヤの耐久性において極めて重要とされます。これまでもスチールコードとゴムの接着界面を解析する研究は行われてきましたが、2次元の解析ではタイヤが劣化した後の接着界面の正確な把握は困難で、タイヤ開発に十分に活かされていませんでした。
今回、集束イオンビーム(FIB)による数ナノメートル単位での接着界面の断面作製と走査型電子顕微鏡(SEM)による断面画像収集を自動で繰り返し、接着界面の3次元構造を構築できる、当社の最新のリアルタイム3D アナリティカルFIB-SEM 複合装置「NX9000」が解析に用いられました。これに陣内研究室で開発された画像処理技術が組み合わせられることで、劣化した接着界面の正確な把握と劣化によって発生する元素レベルでの組成変化を解析することに成功しました。
今回の技術により、接着劣化しにくい材料配合や新素材などの研究が可能となり、耐久性を大幅に高めた高品質タイヤ開発などが期待されます。
なお、同技術は本技術は2017年5月18日、19日に開催された日本ゴム協会の2017年年次大会で発表されました。また、2017年5月29日から31日に開催される第66回高分子学会年次大会でも発表される予定です。
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