-高速・広領域加工に対応したハイブリッドイオンミリング装置-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、日立イオンミリング装置の最上位機種「ArBlade® 5000」(以下、「ArBlade 5000」)を4月20日より発売を開始いたします。本製品は、高スループット化および広領域の断面試料作製を実現しています。
イオンミリング装置は、アルゴンイオンを試料に照射したときに生じるスパッタリング現象*1を利用して試料表面を研磨する試料前処理装置として、エレクトロニクス分野や材料分野をはじめとする各種分野の研究開発や品質管理などに活用されています。
イオンミリング装置を活用した研磨は、機械研磨と比べて応力*2をかけず試料の形を保持したまま処理できることから、走査電子顕微鏡(SEM)のみならず、走査型プローブ顕微鏡(SPM/AFM)の試料前処理として適用範囲が拡大しております。このような適用範囲の広がりから、本装置はさまざまな分野のユーザーから常にスループットの向上を求められてきました。
このたび発売した「ArBlade5000」は、日立イオンミリング装置の特長である「断面ミリング」*3と「フラットミリング®」*4に対応したハイブリットミリング機能を装備しており、目的に応じた試料前処理が可能です。
また、本装置は断面ミリングレート 1mm/hr以上(当社製品「IM4000PLUS」比 2倍以上)を実現した新型アルゴンイオンガン「PLUSⅡイオンガン」を搭載し、長時間処理が必要なセラミックスや金属などの硬質材料でも短時間で断面を作製することが可能です。
さらに、「ワイドエリア断面ミリングホルダ」の新規開発により、最大ミリング幅8mmの断面ミリングが可能となり、従来よりも広範囲の断面試料作製を実現しました。新型アルゴンイオンガンとの相乗効果により、高スループットで広領域の断面試料作製が可能です。
本体標準価格(国内)は1,800万円(税別)であり、2017年8月から出荷を開始し、年間200台の販売を見込んでいます。日立ハイテクは、科学機器のグロ―バルメジャープレーヤーをめざすという中期経営戦略のもと、今後も開発・拡販を進め技術発展に貢献してまいります。また、最先端・最前線の事業創造企業としてお客様視点に立ち、顧客および市場のニーズにスピーディーに対応してまいります。
日立イオンミリング装置「ArBlade 5000」
イオンガン (PLUS II) |
使用ガス | アルゴン(純度99.99%以上) |
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ガス供給 | マスフローコントローラー(最大1cc/分) | |
加速電圧 | 0~8 kV | |
放電方式 | 冷陰極ペニング方式 | |
断面ミリングレート | 1 mm/hr以上, Si試料, 100 µm突出 | |
最大断面ミリング幅 | 8 mm, ワイドエリア断面ミリングホルダ使用時 | |
ステージ | 断面ミリング | 7種設定(間欠は各々設定) |
フラットミリング |
7種設定(間欠は各々設定) | |
傾斜範囲 0~90° | ||
排気装置 | 主排気 | TMP(35 L/S) |
粗引き | RP(135 L/min (50 Hz)、162 L/min (60 Hz)) | |
本体外形寸法:幅×高さ×奥行き | 620(W)× 312(H)× 725(D) mm | |
装置質量 | 本体:52 kg, ロータリーポンプ:29.5 kg |
加工時観察用実体顕微鏡 | 二眼、三眼のズーム実体顕微鏡(最大倍率×100) |
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