-新材料・新デバイスの開発に貢献-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、このたび、高性能FIB*1-SEM*2複合装置 「ETHOS」を開発しました。
「ETHOS」では、新開発の電磁界重畳型レンズを採用することによりサブナノメーター以下の高い観察性能を実現するとともに、FIBによるTEM*3用薄膜試料作製時の加工スジ*4を抑制するACE*5技術を組み合わせることで高品位なTEM用薄膜試料作製を可能にしています。
高性能FIB-SEM複合装置「ETHOS」
FIB-SEM複合装置は、試料の加工を行うFIBカラムと、高倍率で観察を行うSEMカラムを同一試料室に配置し、試料表面のみならず試料内部の特定箇所の微小な形状や構造を高倍率で解析することができます。半導体をはじめ、ナノテク、材料、医学・生物など幅広い分野において、試料の断面観察やTEM用の薄膜試料作製に活用されており、特に近年微細化が進む最先端デバイスや高機能ナノ材料においては、その微細構造や組成の観察・分析、欠陥の解析・評価を行う際に必要となる薄く均一で高品位なTEM用薄膜試料を作製する装置として重要な役割を担っています。
「ETHOS」は、日立ハイテクのコア技術である世界トップレベルの高輝度冷陰極電界放出型電子銃と新開発の電磁界重畳型レンズにより、低加速電圧での高分解能観察を可能とし、リアルタイムFIB加工観察と両立しました。また、FIBでの断面加工時に発生する加工スジを抑制するACE技術を組み合わせることで、加工ダメージが小さく、加工断面が均一で高品位なTEM用薄膜試料作製を実現しています。さらに、SEMカラム内に三つの検出器を搭載することで、二次電子による形状コントラストや反射電子による組成コントラストを同時観察でき、ナノメータースケールの構造物を見逃すことなく観察・解析し、特定箇所を正確に捉えたFIB加工を可能としています。
また新開発の大容量試料室には、EDS*6やEBSD*7などの各分析装置に対応する多数のアクセサリーポートを設置するとともに、直径150mmサイズの試料の全面加工観察ができる新開発の大型試料ステージを搭載しています。これにより、最先端半導体デバイスだけでなく生物組織から鉄鋼などの磁性材料まで、さまざまな試料の複合解析に対応しています。
今回開発した「ETHOS」は、2014年9月発売の「NX2000」、2015年6月発売の「NX9000」に続く、日立ハイテクと株式会社日立ハイテクサイエンス(社長:岡田 務、日立ハイテク100%子会社)の共同開発製品であり、販売開始は2017年11月を予定しています。
日立ハイテクは、科学システム事業において、2020年に電子顕微鏡グローバルトップをめざすという中期経営戦略のもと、最先端分野の研究開発に貢献してまいります。今後も、ハイテク・ソリューション事業におけるグローバルトップをめざすとともに、最先端・最前線の事業創造企業としてお客様視点に立ち、顧客および市場のニーズにスピーディーに対応してまいります。
SEM光学系 | 電子源 | 冷陰極電界放出形 |
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加速電圧 | 0.1~30kV | |
分解能 | 1.5nm@1kV、0.7nm@15kV | |
FIB光学系 | 加速電圧 | 0.5~30kV |
最大ビーム電流 | 100nA | |
分解能 | 4.0nm@30kV | |
ステージ | 駆動範囲 | X: 0~155mm、Y: 0~155mm、Z: 0~16.5mm、T: -10~59°、R: 360° * 試料ホルダによりストロークに制約があります。 |
試料サイズ | 最大150mm径 |
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