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示差熱分析(DTA)の定義と解説

示差熱分析(DTA)の定義

  • A technique in which the difference in temperature between the sample and a reference material is monitored against time or temperature while the temperature of the sample, in a specified atmosphere, is programmed.
  • 試料及び基準物質の温度を一定のプログラムによって変化させながら、その試料と基準物質との温度差を温度の関数として測定する方法。

上は示差熱分析(DTA)の定義を示したものである。 英文は、ICTAC発行の“For Better Thermal Analysis and Calorimetry”による定義、日本文は、JIS K 0129 “熱分析通則”による定義を示す。

DTAは定義にあるように、試料と基準物質の温度差を検知する手法で、温度変化に伴い、試料が融解したり反応した場合、基準物質との温度差が変化するため、これを検出する。

示差熱分析(DTA)の解説

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図1示差熱分析(DTA)の装置構成

上図はDTAの装置構成を示す。

試料と基準物質をヒーター内の対称位置に設置し、ヒーターを温度プログラムに従って変化させ試料と基準物質の温度を変化させる。この時、上図の様に示差型に熱電対を配置し試料と基準物質の温度差ΔTを検出する。 また試料側の熱電対からは試料温度を検出する。

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図2 示差熱分析(DTA)の測定原理

上図はDTAの測定原理を示す。
(a)は時間に対するヒーター、基準物質、及び試料の温度変化を表す。
(b)は示差熱電対で検出する温度差(ΔT)の時間に対する変化を表す。
 ΔTの信号がDTA信号と呼ばれる。

基準物質としては、測定温度範囲で変化の無い物質(通常はα-アルミナ等)が用いられる。

ヒーターの昇温が始まると、基準物質、試料ともそれぞれの熱容量により、少し遅れながら昇温を開始し、やがてヒーターの温度に追従して昇温する。ΔTは、昇温開始後定常状態になるまでは変化し、安定後は試料と基準物質の熱容量の差に対応したほぼ一定の量となる。この定常状態の信号をベースラインという。

温度が上がり、例えば試料に融解が起こると、(a)に示したように試料の温度上昇が止まるためΔTは大きくなり、融解が終了すると急速にまた元の温度上昇曲線にもどり、ΔTも元に戻る。このときΔTの信号は(b)に示した様に、ピークを示す。これにより、ΔTの信号(DTA信号)から試料の転移温度や反応温度等を検出できる。 (b)に示したように、試料での吸熱に伴う温度差をマイナス方向にとり、発熱に伴う温度差をプラス方向にとる。

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