病態解析を日常の“業”としよう。
臨床検査は診療レベルを向上させるために存在する。それには医師の行動変容が必要である。
医師はときに病気・病態を想定せぬまま依頼し、予期せぬ結果に戸惑い、軽視することもある。
専門外の病気となるとなおさらである。そんな中、臨床検査を用いて病態を察知し報告することは多くの医師が望むことである。
病態解析は決して付加価値ではない。できていないだけである。病態解析を日常の“業”とし、臨床検査を“臨床”検査たらしめよう。
日立病態解析システムの特徴
察知する病気・病態は、生化学自動分析装置で分析される日常検査の有用性が発揮できるものとした。将来は検査システムに活用して解析の幅をひろげ深化させたい。
ロジックは、医師の見逃しを減少させることを念頭に陽性的中率に重きを置いたが、簡便に改変できるように工夫されている。
施設ごとの対応が可能である。検出された事例の検査データや臨床情報が蓄積できる仕組みを有する。本システムの有用性を評価し、ロジックの改変・進化に活用するためである。臨床研究や教育にも活用できるであろう。
ともに育て、ともに育つ。everyone for everyone
本システムは誕生したばかりで、よちよち歩きのレベルかもしれないが、医療施設と企業が知恵を出し合って医療に資する仕組みを創ることの意義は大きい。円滑な運用を手助けするために、ロジックの意味や検出後の対応の仕方を記した手引きを作成中である。手引きや評価の仕組みも備えて、はじめてシステムと考えている。本システムは多くの施設で共有できるし、各施設の特徴も表現できる。ともに育て、ともに成長するシステムでありたい。
演者に続き、本システムの概要および使用経験について、それぞれ中沢隆史(日立ハイテク)および余村求氏(天理よろづ相談所病院)が発表する。














