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FOUNDRY MASTER Smartによる快削アルミニウム合金分析

快削アルミニウム合金は溶接性や耐食性、切削加工性などに優れており、船舶部品、車両用部品、通信機器部品、電子部品をはじめとした様々な部品に使用されています。
近年、5G技術やIoTサービスの普及、リモートワークの推進などにより光学機器や通信機器市場の需要が拡大しており、それに伴い快削アルミニウム合金の使用量も増えることが予想されます。

本資料では、固体発光分光分析装置 FOUNDRY MASTER Smartを用いた快削アルミニウム合金の分析例、および合金種判定を行った結果とその有効性について紹介します。

画像:FOUNDRY MASTER Smart
FOUNDRY MASTER Smart

分析例

分析方法

表1 装置仕様
光学系 パッシェン・ルンゲ
焦点距離 300 mm
回折格子溝数 1774 本・mm-1
検出器 マルチCCD
観察波長範囲 174~420 nm
(最大波長671 nm Cu, Na, Li用)
光学系雰囲気 アルゴンガス
表2 分析条件
試料 快削アルミニウム合金 丸棒

前処理方法(切削) 精密卓上旋盤 Compact 9 (東洋アソシエイツ)
回転速度:100~2500 rpm
分析条件 AL_300 (Al-Mg合金用分析プログラム)

分析結果

  • 快削アルミニウム合金の測定面を切削処理し、5部位測定を行いました。
  • Zn以外の元素は、RSD値が2 %以下となり、高い精度で測定できている結果が得られました。
  • ZnのRSD値が他の元素より高い原因は、FMSの検出下限値(0.002 wt%)に近いためと考えられます。
  • 測定結果から試料の合金種は A 5056 と推測されます。合金種判定については、次ページで紹介します。

表3 快削アルミニウム合金の測定結果

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(単位: wt%)

合金種判定

快削アルミニウム合金の合金種判定

  • 削アルミニウム合金の測定データをOESソフトウェア(SpArcfire)で処理した結果、合金種は「A 5056」と推測されました。
  • 測定結果から合金種検索、および規格値と測定値との比較などを容易に行うことができます。
  • データが規格値から外れている場合、該当項目が色付けされ一目で確認できるため、見落しを防ぐことができます。
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図1 測定画面例

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図2 測定画面例 (規格値外の場合)

HITACHI GRADE Database

  • HITACHI GRADE Databaseは70の様々な規格から35万以上の合金種が登録されているデータベースです。
  • 材料名や測定値から合金種を検索することができ、成分組成だけでなく機械的・物理的特性等の情報も網羅しています。
  • 各規格の成分組成情報をOESソフトウェア(SpArcfire)に格納できます。
  • 規格値をひとつひとつ入力する手間を省き、簡単に合金種判定いただけます。
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図3 ホーム画面