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導入レポート
AGC株式会社さま
データも扱える二刀流人財を
社内育成。
TIBCO Spotfire®
欠かせないツールに。

板硝子の生産から始まり、110年以上の歴史を経て、グローバル企業へと成長。現在はエレクトロニクス、化学品、セラミックスといった幅広い分野で素材・ソリューションを提供するAGC株式会社。2015年頃からデータサイエンスの重要性を認識し、2015年からスマート化のプロジェクトが立ち上がり、そこでデータの可視化だけではなく・関係性探索や分析が求められる場面でのBIツールとして採用されたのが「TIBCO Spotfire」です。DXをリードしてきたお二人に、導入の経緯や社内展開の方法についてお聞きしました。

(お話くださった方)
尊田 嘉之さま(生産性革新推進部 生産プロセス支援グループ プロフェッショナル)
小山 哲哉さま(電子カンパニー技術開発本部 DX戦略グループ マネージャー)

ただの可視化ツールではない。これは考える道具だ。

「TIBCO Spotfire」導入の決め手はどのようなことだったのでしょうか。

尊田さま

最初は日立グループの営業の方とお話ししているなかで、「TIBCO Spotfire」というものがあると教えてもらったのがきっかけです。私たち生産革新推進部はさまざまなカンパニーの改善活動を支援していたこともあって、試しに日常のデータを「TIBCO Spotfire」に取り込んで使うところから始めてみました。実際に使ってみると、表計算ソフトとの違いをはっきりと実感することになりました。解析機能やデータベースとの接続が、コーディングを含めて網羅されていること、グラフィックのダイナミックさが導入を決めた理由です。

小山さま

データをこうつないで、こうやって見ればいいという流れがわかっている場合には、他のBIツールにもいいものはあると思います。でも、まだ流れが見通せておらず、データはあるけれど、どう見たいのかも、何が課題なのかもわかっていない段階で、バリエーションのあるデータをつないでみたり、分けてみたりと探索していくときには「TIBCO Spotfire」がとてもいい。ある製造装置の状態の推移をさまざまに可視化していくうちに、現場のメンバーにハッとする気付きをもたらすことがあるんです。

尊田さま

そうですね。「TIBCO Spotfire」は単に視覚的なものではなく、考えて手を動かしたくさせるもの。考える道具になっています。AGCにはさまざまな素材の専門家がいて、いろいろな設備を扱う人がいます。そういう人たちが自分の専門知識をもってグラフを見ることで意味が出てくるんですよね。

小山さま

担当業務の知識のバックグラウンドがある人がデータを見るからこそ、「あ、このプロセスはこうなっていたのかもしれない」と気付くことができて、価値を生み出せる。AGCではデータサイエンスだけに詳しい人を育てるのではなく、担当業務の知識とデータサイエンスのスキルの両方を併せもつ「二刀流人財」の育成を大事にしていますが、二刀流人財にぴったりの道具が「TIBCO Spotfire」です。

実際のプレゼンで使う様子を見てもらうことで浸透。

どのようなやり方で、「TIBCO Spotfire」の活用を社内に拡げていったのでしょうか。

尊田さま

各カンパニーの方たちとの打ち合わせやプレゼンで、実際に私たちが「TIBCO Spotfire」を使って、その姿を見てもらうようにしていました。その反応が良かったんです。

小山さま

「TIBCO Spotfire」のおかげで私はプレゼン資料を準備する時間が大幅に減りました。以前はプレゼンがあると半日前から資料をつくっていましたが、今はプレゼンの1時間前からでいい。ヘッダーと結論の資料はつくりますが、あとは全部「TIBCO Spotfire」をリアルタイムで操作し、自分が解析したものをそのままプレゼンで見せています。質問があれば、その場でグラフを変えて回答します。準備が軽減されるだけでなく、議論が高度化、高速化して、意思決定の精度とスピードが上げられています。

尊田さま

そうやって私たちが使う様子を見て、使ったことのない人も興味をもってくれましたね。表計算ソフトにはできない見せ方のバリエーションも広がるので、技術者たちはそれを楽しんでいました。まずは製造部門から活用が広がって、次第に研究開発の人にも浸透していきました。あっという間にユーザー数が伸びた部署もあり、現場が盛り上がって、周囲に口コミで薦めてくれていたようです。他のBIツールよりも「TIBCO Spotfire」が自分の業務に合うという人が増えています。

ある設備の故障予兆管理は、TIBCO Spotfireで完結。

課題解決に効果が出ている事例について教えてください。

小山さま

高次元の設備管理情報からデータ関数を使って、ある設備の故障予兆管理ができるようになっています。その設備にとって重要なベルトが、以前は切れるまでわからず、発生すると大きなトラブルになるため、すごく悩んでいました。振動データから状態比較をしていくと、切れる前に滑り始めていることがわかったんです。悩まされていた「ベルト切れ」を回避することができるようになりました。

現場の設備が貯めていたデータをネットワーク上で「TIBCO Spotfire」が読みにいって、その中に仕組んだデータ関数で前処理をしてグラフを出すというもので、その設備の専門メーカーの方にもできないことだったので、設備メーカーの方と一緒に探索をおこないました。設備系は、何かの工事をしたり、水漏れがあって対処したといったイベントデータをトレンドデータ*1には乗せにくいのですが、「TIBCO Spotfire」ならツールチップ*2を使えばうまくできました。高次元のデータをどう見せるかを私たちが工夫するのを見て、設備メーカーの方も驚いていましたね。自社の事例に掲載させてほしいとオファーがありました。

「TIBCO Spotfire」はファイルの起動時にデータが更新されるので、日々、現場主任さんが見ればわかる状態にまでできている。1日、2日気付くのが遅れてもいいけれど、1週間遅れたらまずいというものを日々見ていくことができ、さらに過去にさかのぼって予兆がなかったかという見方をすると、実はあることがわかったりします。設備管理の時間軸と「TIBCO Spotfire」はすごく合います。これはほんの一例で、他にも多くの効果が出ている事例があります。

 

*1 トレンドデータ:時系列のデータ
*2 ツールチップ:マウスのポインタをグラフに合わせると、ハイライトされた項目の詳細を示す窓が表示される機能

社内での人財育成プログラムにもTIBCO Spotfireを活用。

人材育成にも「TIBCO Spotfire」を使っていただいているとのことですが、
どのような使い方をされているのですか。

尊田さま

2018年からAGCはデータサイエンティストを社内で育成する方針を立てて、2019年には独自のデータサイエンティスト育成プログラム「Data Science Plus」を確立しています。データ分析を、データサイエンスを専門とする人だけのものにするのではなく、製造や研究開発といった専門分野がある人の、もう一本の利き腕として育てる方針で、入門、基礎、応用と段階的に育成プログラムをつくっており、その一部に「TIBCO Spotfire」の使用も組み込んでいます。

2025年には社内のデータサイエンティスト100名を育成すると掲げましたが、その目標に向かって順調に進んでいます。生徒の年齢は幅広く、年齢の高い人も多くいるのが当部の教育の特徴です。60歳を過ぎた方の中にもデータ分析の面白さに気付いて「TIBCO Spotfire」を使っている人がいますし、指導する立場になっている人もいます。ドメイン知識が若手よりも勝っていることで、データからいろいろな意味を読み取れるのだと思います。

育成プログラムは、半日のものもあれば、6カ月のプログラムもあります。短期間のプログラムでは教育用のデータを使いますが、6カ月のプログラムでは、学ぶ本人の仕事の課題のデータを扱う実習もおこなっています。自分自身のデータを使うことで「TIBCO Spotfire」への理解やモチベーションも上がってきたりと、ある程度の期間をかけるほうが「TIBCO Spotfire」のポテンシャルを感じてもらえる機会が増えるようです。6カ月という限られた時間でも、実際の業務で成果を出す人もいますよね。

小山さま

モデルデータってあまりピンとこないもので、自分が課題に思っていることが、こんなふうに見えるんだとわかることが必要ですね。最初は私たちが寄り添って、データがこうなるんだというのをわかってもらえるようにサポートしていますね。すでに技術的な仮説構築、議論と並走できるパートナーとして、「TIBCO Spotfire」は私たちの社内で認知されつつあります。

スピーディで丁寧なサポートにも助けられています。

今後さらに進めていきたいこと、今後の展開の可能性についてお聞かせください。

小山さま

私はその後、生産性革新推進部から電子カンパニー技術開発本部に異動して、電子カンパニーでより「TIBCO Spotfire」を使ってもらえるように、紹介動画を自分でつくって、カンパニーの人が見られるようにしたり、質問があったときに送るようにしています。「波形解析」といった少し難しいけれど多くの人がやりたい内容について、実際に自分がやる様子を動画で記録して、時間があるときに編集しているんです。セットアップされたデータだけでなく前処理からできることなどを知らない人が多いので、ぜひ知ってほしいと思っています。

他のカンパニーからの相談があれば応えることもしています。エラーが出たらクリックボードでコピー&ペーストできる機能もすごくいい。それでエラーの状況を私に送ってもらうことで、こうしてみてとすぐアドバイスできています。

尊田さま

データ分析を多くの人がおこなう流れが国内ではできてきたので、今後は海外でも、その国の事情に合わせながら展開していきたいと考えています。やはり海外でも、実際に見てもらい、触ってもらうことを大事にしていきます。まだ営業系、業務系までは広がっていませんが、相談されることはあり、興味はもってもらえています。

みんながデータの利活用をする、そのプラットフォームの一つとして「TIBCO Spotfire」はまだまだ拡がっていきそうです。周知が進めば、データの取り込みから解析までを、誰もが自分でできるという形をめざせると思っています。

日立ハイテクさんには、いつも丁寧に私たちの疑問や、やりたいことに対応やフォローをいただいて助かっています。サポートはとても充実していて、スピーディで、困りごとが短時間で乗り越えられ、大変助けられています。今後は、データベースとのリンクなど相談ごとがさらに増えるので、引き続きサポートに期待しています。

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    データも扱える二刀流人財を社内育成。TIBCO Spotfire®は欠かせないツールに。

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