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  7. 「PID制御」と「AI制御」の違いとは?
AI制御が製造業を変える
#01
「PID制御」と「AI制御」の
違いとは?

さまざまな分野のお客さまに制御システムをご利用いただいている日立ハイテクソリューションズで、お客さまへのプロモーションを担当する下川より、AI制御システム「RL-Prophet」について、数回にわたりご紹介させていただきます。

日立ハイテクソリューションズ
バリュークリエーション事業ユニット 
バリュークリエーショングループ
下川敦也

さまざまなプラントで普及しているPID制御。

世の中に普及している制御方式にはさまざまなものがありますが、特に一般的でよく用いられる制御方式としてPID制御があります。

PID制御とは、制御対象の目標値と現在値の偏差に基づき制御をおこなうもので、Proportional(比例)・Integral(積分)・Derivative(微分)の3つのパラメーターを調整することで数式を完成させ、操作量(現在値を目標値に近づけるための操作値)の計算をおこないます。

PID制御は古くから用いられている方式で、技術の発展過程でさまざまな制御対象設備に使われてきました。

たとえばインフラ設備において重要なごみ焼却プラントでは、ごみを焼却炉に送り出す時に、どれくらいの速度で送り出せば良いのか、その速度の制御であったり、燃やしたごみの排熱で蒸気発電をする際、過熱器内部の蒸気の温度を調整するため、過熱器にどの程度の水量を吹き付ければ良いのか、その注水の制御をおこなうことなどが挙げられます。

目標に対するギャップの発生が前提である点が
PID制御の課題。

歴史もあり、広く普及しているPID制御ですが、扱いやすく、さまざまな制御対象に適用できるという利点がある一方で、課題もあります。それは、フィードバック制御(目標値と現在値の偏差を検出し、その偏差に基づいて補正動作をかける制御)であるという性質上、偏差が発生することが前提であるという点です。

先ほどの過熱器制御において、制御対象の蒸気温度を400℃で保ちたいという場合を考えます。現在値が410℃の時、目標値との偏差は10℃であり、その偏差の大きさに基づいて補正動作をおこないます(厳密にはその瞬間の偏差の大きさだけでなく、積分時間内の偏差および、偏差の変化量も考慮して補正動作の計算がなされます)。そして、偏差が解消されていくにつれて補正動作の大きさも調整され、やがて400℃に到達します。

ここまでは良いのですが、現在値と目標値が一致し、そのまましばらく時間が経過すると、偏差が0℃であるために、PID制御は制御対象に対して操作を加えないということが発生します。そうすると、制御対象の状態変化により現在値は目標値から離れ、また偏差が発生します。そしてPID制御はこの偏差を検出し、また補正動作をかけるといったように、理論上どうしても偏差が発生してしまうことが前提になります。

PID制御の課題を解消。
実制御無くして学習するAI制御が誕生。

PID制御から、今、次世代の制御システムとして注目されているのがAI制御です。弊社では、AI制御システム「RL-Prophet」という製品をリリースしました。AI制御の中にもさまざまなものがあるので、弊社製品「RL-Prophet」とPID制御との違いについて説明します。

「RL-Prophet」の強みは、過去の運転実績の統計モデルに基づいて、制御量(制御する値。上記の過熱器制御の例においては蒸気温度が該当)を目標値に収束させるために効率的な制御動作を考え、先行的に実制御をおこなうことです。

より詳細に説明すると、「RL-Prophet」による制御は、いくつかのセンサ値を用いて制御対象の状態を離散的に区切り、それぞれの状態から目標状態に最短で収束する状態遷移パターンを辿るといった制御思想です。過熱器制御の例で説明すると、蒸気温度で過熱器の状態を離散的に区切り、蒸気温度を目標値に効率よく収束させるためには、どのような蒸気温度変化を辿っていけばよいかを考えるといったイメージです。

上記のような制御思想であるため、制御量が目標値に到達したあとは、「制御量が目標値から外れないようにするにはどのような制御をおこなうと良いか」を考えて制御するため、理論上偏差を修正するのではなく、偏差の発生を回避する先行的な制御が可能となります。

「RL-Prophet」がおこなう学習は強化学習を主としているもので、それも一般的な強化学習とは異なり、日立が開発した新型強化学習を採用しています。一般的な強化学習では、実際の環境下で試行錯誤をしながら、どのような行動をとれば効率的な動作になるかを学習しています。その点で、プラントの運転においては、さまざまな運転をしないといけないことから、本番稼働中のプラントで使うには大きな障壁がありました。

それを解消したのが日立開発の新型強化学習です。これはプラントの過去の運転データを用いて学習するものであり、プラントに影響を与えることなく学習できる点が「RL-Prophet」の独自性であり、強みです。

プラントの属人化解消や、省人化に貢献。

AI制御導入のメリットは、PID制御の課題の解決だけではありません。今後、AI技術が普及していくと、製造業における省人化や、ノウハウの技術伝承が進むなどの効果が考えられます。

また、運転をPID制御に変わり「RL-Prophet」がおこなうことで操業が改善され、属人化している手動操作の介入が必要なくなり、ノウハウそのものがこれまでより要求されなくなるような未来がくるかもしれません。

今の段階ではまだ理想でしかありませんが、ひとつひとつ実績を積み重ねて、お客さまに「RL-Prophet」の価値をお伝えしていきたいと思います。

リアルタイムAIプラント制御システム

次世代を担うAI制御については、さまざまなご質問をいただきます。

  • 部分的にAI制御に切り替えることは可能か?
  • 成果を確認できる事例はあるか?
  • 費用は、導入までの期間は?

どのようなことでも構いません。お気軽にお問い合わせください。

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