水資源の保全への取り組み
基本的な考え方
日立ハイテクグループは、循環水の利用や節水型設備投資などを通じ、水の利用効率を2050年度までに基準年度に対し50%以上改善することを目標とし、高度循環社会の実現をめざしています。また、事業活動における水リスクの最小化にも取り組んでいます。
第三者保証について
本レポートの信頼性向上のため、
を付している2021年度実績について、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による、国際保証業務基準(ISAE)3000およびISO14064-3に準拠した第三者の保証を受けています。
取り組み
水資源の有効活用
当社グループでは、生産性向上および節水型設備への更新などによる用水使用量の削減に取り組み、水の利用効率向上に努めています。2021年度は、「水使用量原単位改善率47%(基準年度2010年)」を目標として活動を進め、53.0%となりました。また、毎年、日立ハイテクグローバルにおける水ストレス評価および国内全拠点における水リスク評価を実施しています。高ストレス・高リスクとなる事業拠点はありませんが、今後も定期的に評価するとともに、リスク低減可能な拠点についてはリスク回避に努めていきます。2019年度より日立環境イノベーション2050活動に合わせ、基準年度を2005年から2010年に変更しています。
水リスクへの対応
当社グループでは、独自のチェックリスト「水リスク評価シート」を利用して国内拠点は年4回、海外拠点は年1回、水リスクの確認をしています。また、WRI Aqueductの水ストレス地図ツールを用いて、拠点の水ストレスレベルを水ストレスレベルを一覧表にして把握しています。なお、水ストレスレベルが最高点5となった場合、「水ストレスが高い拠点」と定義しています。
さらに当社グループは、日立グループ共通の「サステナブル調達ガイドライン」を用いて、すべてのサプライヤーに対し、水リスク対策に関する協働を求めています。具体的には、サプライヤー自身の水利用量削減や水質保全に関してのするサプライヤーの遵守事項と行動規範などです。
パフォーマンス
水資源の削減目標と実績
当社グループでは、国内の製造・販売・サービス拠点を10のサイトに分け、水利用効率の改善に取り組んでおり、特に用水使用量の多い国内製造7サイトにおいて、循環水利用や節水型トイレなどの設備投資などに取り組んでいます。
国内水使用量 原単位改善率の推移

* 対象範囲:日立ハイテク(支店を除く)、国内製造系グループ会社(日立ハイテク九州、東京ソリューションラボを除く)およびサービス系会社
* 原単位改善率:基準年度に対する改善率{(1-当該サイトの当該年度の原単位/当該サイトの基準年度の原単位)× 当該サイトの基準年度の環境負担構成割合を国内グループ会社で積算}
* 2018年度までは2005年度基準、2019年度からは2010年度基準
国内水取水量の推移

* 対象範囲:2018年度までは日立ハイテク製造拠点および国内製造系グループ会社、 2019年度からは国内販売系およびサービス系会社含む
供給元別国内取水量
(m3)
供給元 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|
上水 | 64,713 | 62,076 | 59,057 | 34,670 | 54,946 |
工業用水 | 306,152 | 290,428 | 297,772 | 269,990 | 244,521 |
地下水 | 41,641 | 94,192 | 97,581 | 89,870 | 101,760 |
合計 | 412,506 | 446,696 | 454,410 | 394,530 | 401,227 |
*
データ範囲:
2017年度-那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)
2018年度-那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)・日立ハイテクソリューションズ水戸・日立ハイテク九州
2019年度以降本社地区・那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)・日立ハイテクソリューションズ水戸・日立ハイテク九州・日立ハイテクフィールディング
* 日立ハイテクサイエンス小山事業所は、2020年2月に事業所名を富士小山事業所に変更しました。
排出先別国内排水量 
(m3)
排出先 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|
下水 | 98,118 | 102,837 | 125,743 | 112,964 | 137,143 |
河川 | 282,681 | 276,223 | 284,990 | 216,226 | 220,919 |
海域 | 14,489 | 12,348 | 16,563 | 8,749 | 12,097 |
製品含有(消費) | 294 | 380 | 370 | 347 | 406 |
その他(消費) | 10,876 | 26,835 | 26,744 | 56,244 | 30,662 |
合計 | 406,458 | 418,623 | 454,410 | 394,530 | 401,227 |
*
データ範囲:
2017年度-那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)
2018年度-那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)
*
2018年度より、飲用、消防水、地下浸透などによる消費量は「その他(消費)」にて計上
2019年度以降-本社地区・那珂地区・笠戸地区・日立ハイテクファインシステムズ・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)・日立ハイテクソリューションズ水戸・日立ハイテク九州・日立ハイテクフィールディング
* 日立ハイテクサイエンス小山事業所は、2020年2月に事業所名を富士小山事業所に変更しました。
海外取水量の推移

* 対象範囲:海外現地法人(2018年度は、日立ハイテクアナリティカルサイエンスを追加、日立ハイテクアイルランド、日立ハイテクイスラエルを除く)
* 2017年度より取水量が把握できない販売拠点について、取水量を把握している販売拠点の取水量と従業員数に基づき推定計算にて算出
* 2020年度の算出拠点は、2019年度の84拠点から統廃合などにより77拠点に減少
供給元別海外取水量
(m3)
供給元 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
上水 | 70,433 | 59,526 | 79,437 |
工業用水 | 0 | 0 | 1,354 |
地下水 | 80 | 289 | 1316 |
リサイクル水 | 0 | 0 | 1675 |
合計 | 70,513 | 59,815 | 83,782 |
排出先別海外排水量
(m3)
排出先 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
下水 | 64,957 | 43,704 | 76,350 |
河川 | 868 | 754 | 690 |
海水 | 0 | 0 | 612 |
地下浸透 | 205 | 36 | 429 |
消費 | 4,422 | 15,321 | 5,701 |
合計 | 70,451 | 59,815 | 83,782 |
「CDP*」による評価
当社グループでは、水セキュリティ質問書への回答を行っており、2021年度は「環境問題の管理においてベストプラクティスを行っている」とされる「リーダーシップ:A-」の評価を得ました。日立ハイテクグループにおける水リスク管理(把握)を継続していくとともに、リスクへの施策・対応を立案し、企業価値の向上に努めていきます。
* CDP:英国の独立非営利団体。世界の投資家の依頼を受け、企業の「気候変動」 「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」に関する情報を調査し、評価・公開しています