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日立ハイテク
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CASE STUDY

納入後の産業機械・環境装置をリモートで監視、稼働状況を可視化。

産業機械・環境装置の遠隔監視(日立造船)

日立造船株式会社

日立造船 ICT推進本部ICT事業推進部IoTシステムグループ
グループ長 山田浩章さま(右)
日立造船 ICT推進本部ICT事業推進部IoTシステムグループ
藤田将伍さま(左)

対象装置
産業用ろ過装置(フィルタープレス)・水素発生装置
目的
納入後の装置のリモート監視・予防保全
導入効果

1納品後の装置をリモートで監視し、不具合発生時の対応・メンテナンスがスムーズに

2収集したデータからキーパーツの劣化を把握し、予防保全に活用

3収集したデータを機器の改良に活用

設立から140年以上の歴史をもつ日立造船さま。環境、機械・インフラ、脱炭素を事業の柱とし、循環型でサステナブルな社会の実現に向けたソリューションを提供しています。自社のIoTについては2017年から取り組みを本格化され、複数の製品のリモート監視、稼働状況の可視化にThingWorx®を活用中。事業のDXを担うICT事業推進部IoTシステムグループの山田浩章さま、藤田将伍さまに導入の経緯や手応えについてお聞きしました。

複数事業部に共通するIoTプラットフォームを構築。
使い勝手のいいデータの可視化ツールを探していた。

日立造船さまは、「事業のDX」「企業のDX」「DX基盤」という3本柱でDXを推進しています。事業のDXでは、早い時期から製品・設備データの収集・蓄積・可視化・分析を価値の源泉と捉え、注力してきました。その中で複数の事業部門が別々にDXを推進するのではなく、共通プラットフォームを構築する方法を選択。「EVOLIoT(エヴォリオット)」という独自のIoTプラットフォームを開発し、2021年10月から運用を開始しています。

「当社は、環境、機械・インフラ、脱炭素という3つの事業分野に多様な製品があるため、一種類のダッシュボードをつくって終わりというわけにはいきません。すべての製品で、それぞれ可視化したいデータは異なり、必ずカスタマイズは必要です。それを、その都度、外部に依頼してスクラッチで開発していてはコストがかさんでしまいます。社内のメンバーでダッシュボード画面をカスタマイズできるものを探し、かなりの数の製品を調べましたが、最も使い勝手のいいものがThingWorxでした」(山田さま)。

GUI(Graphical User Interface)ベースでダッシュボード画面を自由に組むことができること、時系列データを扱えることなどが、日立造船のニーズにフィットし、2017年から導入が始まりました。

まずはろ過装置「フィルタープレス」を接続。
ろ布の目詰まり傾向を把握できるように。

まず最初にIoTプラットフォームへの接続に取り組んだのは「フィルタープレス」というろ過・洗浄・脱水機能をもつ固液分離装置でした。化学薬品などの生産プロセスや、排水処理などの環境保全対策にも使用されるもので、日立造船がトップシェアを誇る製品です。さまざまなお客さまに納めた「フィルタープレス」の稼働状況がThingWorxにより可視化され、リモート監視がスタートしました。

「フィルタープレス」は固液分離(ろ過)を繰り返すうちに、フィルター(ろ布)の通過性が悪くなることで能力が低下してしまいます。稼働状況をThingWorxによって可視化し、リモート監視することで、ろ布の目詰まり傾向をリアルタイムで把握でき、メンテナンスの対応力が大幅に向上。
「フィルタープレス」に続き、高純度の水素ガスを発生供給する「水素発生装置」もIoTプラットフォームに接続。複数のお客さまに納品した装置をリモート監視し、トラブル対応のスピード向上を実現。「プラント機械は、納入後、実際にどうお客さまに使われているのかが、メーカーにはあまりわかっていませんでした。データを収集できるようになったことで、それをもとに装置の改良もできるようになっています」(山田さま)。

複数の事業部門の多岐に渡る製品が、
続々とIoTプラットフォームに接続中。

さらに、食品充填装置、シールド掘進機などのリモート監視もスタート。設備によってそれぞれ可視化したいデータは異なるため、導入時にはIoTシステムグループが事業部の要望を聞きながら、設備監視画面のダッシュボード作成部分をThingWorxでサポートしてきました。

「事業部からの要望のたびに外部のITベンダーに発注することは避けたかったので、自分たちで対応できていることは狙い通りです」(藤田さま)。

製品を売って終わりではなく、納入後もサポートし続けるサービスビジネスへとビジネスモデルも移行しつつあり、利益率の向上にも直結しているとのこと。「さらに付加価値の高いビジネスを生み出したり、その次は新たな製品を生み出すことにもつながっていくと見込んでいます」(山田さま)。

進化を続けるIoTプラットフォーム。
日立ハイテクソリューションズのサポートに期待。

「現在は社内でも増えてきたIT人材ですが、ThingWorxを導入した頃は大幅に不足していました。そのため、製造業に精通した日立ハイテクソリューションズのサポートが、当初は心強いものでした。外部ツールとの連携など、自社だけで対応しきれないときに問い合わせをすると、スピーディに回答をいただきました」(藤田さま)。

「ThingWorxによってさまざまな設備を監視できるようにした後は、データの分析を本格的に進めていきます。さらにふさわしいBIツールなどを日立ハイテクソリューションズには提案してほしいと思っています。私たちのIoTプラットフォーム「EVOLIoT」は決して完成したものだとは思っておらず、良いものがあれば積極的に取り入れていきます。IoTは、やることによって必ず成果が生まれる取り組み。今後も粘り強く続けていきます」(山田さま)。

今後は自社だけでなく日立造船グループの企業にもIoTを広げ、グループ全体の製品の強化をおこなっていく方針。海外にもリモート監視の需要は大きいことから、海外への展開にも着手しているとのこと。社会インフラとして稼働する数多くの重要な製品の保全に、IoTが貢献していきそうです。

※ThingWorxは、PTC Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※EVOLIoTは日立造船株式会社の日本国内における登録商標です。

日立造船株式会社
事業内容
ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント、上下水・汚泥再生処理プラント、舶用エンジン、プレス、プロセス機器、精密機械、橋梁、水門、防災関連機器等の設計・製作など
従業員数
11,540名(2022年3月31日現在)

導入前のご相談・ご質問など
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