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日立ハイテク
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粉末積層造形用PBT樹脂粉末群

粉末積層造形による造形品は、実プラスチックが使用できるため、特性検証用の試作のみならず、実製品にも使用可能です。しかしながら、実際に使用できる樹脂は非常に少なく、PA12やPA11がメインとなっております。
日立ハイテクでは、粉末積層造形用のPBT樹脂を提供しています。このPBT樹脂は、ホモPBTに比べて、融点が低いため、造形温度設定は190℃近辺であり、通常のPA12やPA11を造形する装置でも造形できます。

弊社では、本PBTで試作するための最適なプロセスも提案可能です。
特に、PBT樹脂は、耐熱性と電気特性の観点で、EV部品に多く使用されるため、試作品としての活用に期待できます。また、粉末積層造形品は、射出成形品に比べて、機械特性は低くなる傾向にありますが、射出成形において、ひけが発生する厚みでも粉末積層造形品ではひけは発生しないため、厚みを厚くすることで同レベルの強度を満たす設計も可能であり、少量多品種製品への適用も可能です。

粉末ラインナップ

粉末は3種類準備しております。ノンフィラーのPBT粉末、短繊維GF含有PBT粉末、リサイクルCF含有PBT粉末です(図1)。
物性表は図2となります。X方向はローラーの移動方向、Z方向は積層方向です。図2の物性値は、粉末の再利用を無しとした結果です。リフレッシュレートは、装置にも依存しますが、通常はリフレッシュレート50%ほどでの運用を推奨しています。

図1;PBT粉末3グレードのSEM像

図1;PBT粉末3グレードのSEM像

図2;造形品の機械及び熱特性

図2;造形品の機械及び熱特性


弊社では、3グレードを基本としておりますが、要望に応じてGFやCFの添加量のカスタマイズ化や難燃への対応も可能です。また、通常のPA12やPA11に比べて、低価格で提供可能です。

造形品例

造形品の加工例を図3に示します。こちらは装置向けのエアダクトです。射出成形品を複数準備及びそれらを接着していた部品を積層造形品で代替しました。当初は試作品への活用でしたが、少量生産のため、コスト優位性や金型保管をしなくても良いことから実製品へ適用(PBT樹脂粉末造形品)しました。

図3;加工品例;エアダクト

図3;加工品例;エアダクト


これまで射出成形品では、プラスチック材料の種類によって、コストが大きく変わるため、無意識の内に、コスト重視で材料を選んでいるケースも多いですが、積層造形品の場合、どの樹脂も射出成形用のペレットに比べて格段に高く、射出成形用ペレットのコストの順序と一致しません。そのため、必ずしも射出成形と同様の樹脂を使用する必要はないケースも多々あります。このエアダクトも射出成形品であれば、コストを考慮してABSでしたが、積層造形品の場合は、PBT樹脂としております。
弊社では、実製品へのノウハウも保有しており、適用への支援も可能です。

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