試料の前処理や保管を行う際、試料表面に付着したハイドロカーボンを観察前にUV照射により除去し、観察時のコンタミネーション形成を低減する日立TEM/STEMおよびインレンズSEM用のクリーナーです。
少ないダメージで試料表面の汚損を除去することが可能なため、ダメージに敏感な試料へも適応可能です。
波長185nmと254nmのUV照射光によりチャンバー内残存酸素分子からオゾンおよび活性酸素(原子状酸素)を生成します。試料表面のハイドロカーボン分子と活性酸素が反応し、CO2、H2Oなどの揮発性分子となり、試料表面から剥離します。発生したオゾンと剥離した揮発性分子はオゾン除外装置を含むドライ真空排気系により、安全にチャンバー外に排出されます。
価格:お問い合わせください
製造元:株式会社三友製作所
取扱会社:株式会社日立ハイテクフィールディング
電子顕微鏡用の試料作成・保管中に、試料表面にハイドロカーボンが付着し、電子ビーム照射時にコンタミネーションが形成され、高分解能観察や分析の妨げになります。
ZONETEMⅡは、UV光を照射して試料表面に付着したハイドロカーボンを除去、電子顕微鏡での観察時に試料表面に形成されるコンタミネーションを低減することができます。
本体寸法:334 mm(W) × 355 mm(D) × 250 mm(H)
1分~30分(1分単位で設定可能)
ダイアフラムポンプを搭載、100段階の真空圧設定が可能です。
UV照射時、チャンバー内を真空にすることにより、表面改質および洗浄の効率が上がります。
項目 | 内容 |
---|---|
形式 | ZON-2020 |
UVランプ | 波長: 185 nm、254 nm他(可視光-青、赤外光) |
試料室サイズ | 217 mm(W) × 58 mm(D) × 73.5 mm(H) |
対応試料ホルダ | 日立インレンズSEM用 日立TEM/STEM用 日立FIB用 各サイドエントリ試料ホルダに対応 |
処理モード | UVクリーニングモード(レシピ機能搭載) 真空保持モード |
真空設定 | 100段階の真空圧で設定可能 |
処理時間設定 | 1分~30分 |
真空ポンプ | ドライ真空排気系 |
オゾンスクラバー | 触媒式オゾン除害装置内蔵 |
本体寸法 | 334 mm(W) × 355 mm(D) × 250 mm(H) |
重量 | 約22 kg |
オプション | 追加ホルダポート |
【注意事項】
項目 | 内容 | |
---|---|---|
室温 | 15~35°C | |
湿度 | 75%RH以下(結露のないこと) | |
電源 | 電源 | AC100 V~240 V(±10%)50/60 Hz |
消費電力 | 0.19 kVA | |
容量 | 10 A | |
形状 | 3Pコンセント | |
アース接地 | D種接地 | |
設置スペース | 650 mm × 650 mm (装置背面は壁から200 mmのスペースを空けてください) |
|
テーブル耐荷重 | 100 kg以上 |
[試料] カーボンフィルム上の金蒸着粒子
[クリーニング時間] 5分
ZONETEMⅡで処理をせず観察
ZONETEMⅡで処理後に観察
ナノ粒子材料の観察は、電子線によりコンタミネーションが付着し困難ですが、ZONETEMⅡでUVクリーニングした後には対象のナノ粒子を明瞭に観察することができます。
ZONETEMⅡは、試料室の真空度を変えることでクリーニング強度のコントロールが可能。クリーニング強度を最適化することで、カーボンナノチューブのような軽元素を主体とする材料に対しても本来の微細構造に影響を与えることなく、クリーニング効果を確認できます。
[試料]ナノ粒子材料(TiO2、SiO2、Al2O3、CeO、BiO)
[クリーニング時間] 5 分
オプションの試料ホルダポートを追加することで、各種日立サイドエントリ試料ホルダに対応可能です。複数の試料ホルダを同時にクリーニングすることが可能である他、試料ホルダ先端部を真空状態で保管し、コンタミネーションの付着を低減させることができます。
200 kV-STEM用試料ホルダポート + インレンズSEM用試料ホルダポート取り付け時