超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 SU8600
SU8600 は高空間分解能と多様な信号検出による観察能力で、デバイスや材料の解析からライフサイエンスまで幅広い分野での観察・分析業務をサポートします。
高輝度コールドFE電子銃と検出信号制御機能により、高コントラスト像を高い分解能で提供します。
光学系の自動調整機能やデータ取得自動化を支援するオプション機能を搭載し、大量データの自動取得を可能にしました。
* 装置写真はオプション付属の状態です。
中小企業等経営強化法に基づく支援措置の対象製品(生産性向上設備(A類型))です。
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取扱会社:株式会社 日立ハイテク
特長
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高分解能観察に優れたコールドFE電子源が1972年に商用化されて以来、日立ハイテクは常に技術の改良に努めてきました。最新の電子銃を用いた装置では、高輝度領域で安定して電子線を照射することが可能になりました。SU8600では、低加速電圧においても高いS/Nで画像を取得するとともに、長時間測定や大電流照射分析での使用も可能になりました。
Core Technology (コールドFE電子源)

SEM用電子源の特性比較
互いに直交する電界と磁界(ExBフィールド)を対物レンズ上部に形成することで、一次電子の軌道を変えずに二次電子を効率良く検出することができます。これにより少ないプローブ電流でもS/Nやコントラストに優れた像が得られます。Core Technology (ExB)
電界と磁界が一次電子に与える影響

電界(E)と磁界(B)の作用(F)が互いに打ち消し合うので、一次電子は軸ずれを起こさずにExB領域を通過します。
電界と磁界が二次電子に与える影響

一次電子と逆向きに進行する二次電子に対しては電界と磁界が同じ向きに作用し、二次電子検出器の方向に軌道が強く変更されるので、効率良く二次電子を検出することができます。
日立ハイテクが誇る信号可変機能です。対物レンズ内に配置した制御電極の電圧を変更することで、二次電子検出器に到達する電子(二次電子または反射電子)を制御します。さらには二次電子と反射電子の混合像も取得できるので必要な情報がより識別しやすくなります。Core Technology (SuperExB)
SEモード

反射電子は制御電極でトラップされ、試料から発生した二次電子のみが検出されます。
LA-BSEモード

試料から発生した二次電子は、制御電極の電圧で検出量が制御されます。
反射電子は制御電極に衝突し、そこから発生した二次電子が検出されます。 -
- 超高分解能観察に最適なコールドFEエミッターを採用
- 多様なアプリケーションに対応する各種オプション検出器の増強
(IMD, CLD, PD-BSED, OCD)
*オプション
高輝度のコールドFE電子銃により低エネルギー条件でも高い分解能を維持します。低エネルギー観察条件での超高分解能像
セミインレンズ対物レンズとExB光学系による高効率信号検出により、低エネルギー/低電流条件でも高いS/Nの画像を提供します。

試料ご提供:産業技術総合研究所 上村 佳大 様
RHO型ゼオライトの表面微細構造(照射電圧:800 V)高コントラストの低加速反射電子像
ExB光学系と検出信号制御機能により、目的に応じて二次電子/反射電子信号を分離しての画像取得が可能です。
右の画像では3D NANDデバイスメモリ部の酸化膜と窒化膜の層構造を反射電子の組成コントラストで観察しています。
3D NAND 断面(加速電圧:1.5 kV) 高速応答性反射電子検出
新規開発されたシンチレータ型反射電子検出器(OCD)は応答速度の向上により、観察部位を特定しやすくなりました。
右の画像は1秒未満の取得時間ですが、SRAMの下層配線とFin-FETの構造が確認できています。
5 nm プロセス SRAM下層配線
(加速電圧:30 kV、 走査時間<1秒) -
SU8600は光学系の自動調整機能を搭載しており、ユーザーの操作負荷を低減します。また、オプション機能 ”EM Flow Creator”では、連続画像取得などの操作の自動化をサポートします。倍率やステージ位置などの条件設定、フォーカス/コントラスト調整などのSEM機能をブロック化し、それらを組み合わせることで一連の観察レシピを作成します。
スループット向上を支援する自動化機能搭載
レシピはブロックをドラッグ&ドロップし、フローのように配置することで作成可能で、レシピを実行することで自動観察を開始します。
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デュアルモニター使用時は最大6チャンネルの信号を表示できます。SEM信号だけでなく、ナビゲーション画面(SEM MAP)やチャンバースコープも表示可能です。カスタマイズも可能なGUIは、2つのモニターを使用することでワークスペースを拡張し、生産性向上に寄与します。
デュアルモニター対応と6チャンネル同時表示

試料室ビルトインタイプのナビゲーションカメラが搭載可能です。カメラで撮影された試料ホルダー画像はSEM MAP画面に貼り付けられて観察箇所をナビゲートし、迅速な観察をサポートします。カメラナビゲーション*
*オプション
試料室内をモニターできるチャンバースコープは安全な試料移動をアシストします。カラー/モノクロ切り替え可能です。チャンバースコープ*
*オプション
試料室とポート
試料交換室は最大Φ150 mm径の試料を挿入できます。試料室は複数のEDS装着ポートを備えています。(写真はオプションを含みます)

アプリケーションデータ
半導体デバイス
5 nmプロセスSRAMのボルテージコントラスト観察
ボルテージコントラスト観察像は半導体デバイス欠陥可視化に有効な手法の一つです。上の画像は5 nmプロセスデバイスのSRAM領域におけるコンタクトプラグの観察例ですが、左の画像ではWが、右の画像ではCo-Wが露出しています。それぞれ0.5 kV、0.3 kVの電圧条件を用い、露出している層に応じて観察条件を適切化することでボルテージコントラストが得られています。
5 nmプロセスSRAM下層配線観察
反射電子信号の検出によりSRAMの下層配線を可視化することが可能です。新規開発されたシンチレータ型反射電子検出器(OCD)を用いた観察では応答速度の向上により、観察部位を特定しやすくなりました。左の画像の取得時間は1秒未満ですが下層配線とFin-FETの構造が確認できています。右の画像は更に一部を拡大し、長い走査時間で信号を取得し、微細構造箇所を高いS/Nで観察できています。
3D NAND断面観察
3D NANDデバイスメモリ部の断面の膜構造を観察した事例です。左は全体像を、右は一部を拡大した画像です。
右の拡大画像では1.5 kVの低加速電圧条件で反射電子信号を検出することにより、酸化膜と窒化膜の層構造が観察できています。
マテリアルサイエンス
RHO型ゼオライトの表面微細構造
試料ご提供:産業技術総合研究所 上村 佳大 様
上はRHO型ゼオライトを0.8 kVの照射電圧で観察した事例です。左の画像では粒子全体の形状を捉えており、右の拡大画像では粒子表面の微細なステップ構造が捉えられています。電子線ダメージ低減、表面形状情報取得の双方において低照射電圧観察の有効性が示されています。
自己組織化酸化鉄ナノ粒子
試料ご提供: Electrical Computer Engineering department, National University of Singapore
左は自己組織化酸化鉄ナノ粒子(Fe3O4)が配列している状態の画像です。
右の拡大画像では約12 nmの粒子表面に更に微細な構造があることが示唆されています。
コンデンサー材料の表面構造と内部組成
コンデンサーに使用されるタンタルの破断面観察事例です。左の二次電子画像では材料が3つの層からなることが示され、最表面の微細構造情報が得られています。同時に取得した右側の反射電子画像からは表面と内部で組成が異なることがわかります。
ライフサイエンス
シロイヌナズナの微細構造
試料ご提供:理化学研究所環境資源科学研究センター 豊岡 公徳 様
シロイヌナズナ子葉の超薄切片を観察した事例です。
2 kVの加速電圧を用いてエネルギー選択した反射電子信号を取得した結果、透過電子顕微鏡像のように細胞の構造が明瞭で右の拡大画像では葉緑体のチラコイド膜の微細構造などが観察されています。
ラット大脳皮質の広視野/高精細画像取得
ラット大脳皮質の超薄切片試料を広視野・高精細で画像を取得した事例です。
左上は約60 µmの視野幅からの画像で、黄枠線で囲まれた箇所をデジタルズームで切り出したのが左下の画像です。右下の画像も同様に左下黄枠線内を拡大しており、左上の元画像を12倍にデジタルズームしていることになりますが、この状態で神経細胞のオルガネラなどの内部構造が確認できる像質を維持しています。
SU8600では最大で40,960 X 30,720 まで取得画素を拡張しており*、この事例のような広視野・高精細での画像取得を可能にしています。
試料ご提供:自然科学研究機構生理学研究所脳機能計測・支援センター
電子顕微鏡室・窪田グループ 窪田 芳之 様
*オプション
仕様
| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| 電子光学系 | 二次電子分解能 | 0.6 nm@15 kV |
| 0.7 nm@1 kV (*1) | ||
| 倍率 | 20~2,000,000 x | |
| 電子銃 | 冷陰極電界放出形電子銃、アノード加熱ヒーター組み込み | |
| 加速電圧 | 0.5~30 kV | |
| 照射電圧(*1) | 0.01~20 kV | |
| 検出器 | 標準検出器 | Upper 検出器 (UD) (ExB フィルター: SE/BSE 信号可変方式) |
| Lower 検出器 (LD) | ||
| オプション検出器 | Top 検出器 (TD) | |
| インカラムミドル検出器(IMD) | ||
| シンチレータ型反射電子検出器(OCD) | ||
| 半導体型反射電子検出器(PD-BSED) | ||
| カソードルミネッセンス検出器(CLD) | ||
| STEM 検出器 | ||
| オプションアクセサリー(*2) | エネルギー分散型X線検出器 (EDS) | |
| 電子線後方散乱回折像検出器 (EBSD) | ||
| 試料ステージ | 制御 | 5軸モータードライブ |
| 可動範囲 | ||
| X | 0~110 mm | |
| Y | 0~110 mm | |
| Z | 1.5~40 mm | |
| T | -5~70° | |
| R | 360° | |
| 試料室 | 搭載試料サイズ | 最大 φ150 mm |
| 試料交換室 | 最大 φ150 mm | |
(*1) リタ―ディングモード使用時
(*2) 取付可能な分析機器
