科学機器において、海外市場に向けた最初の製品供給契約となったのは、1978年の西ドイツの世界有数の試薬メーカーであるベーリンガーマンハイム社(現・ロシュ・ダイアグノスティックス社)との血液自動分析装置の販 売に関する契約である。
この契約を通じて、株式会社日立製作所那珂工場(現・株式会社日立ハイテクノロジーズ 那珂地区)が開発した画期的な装置と試薬をパッケージ化するとともに、ベーリンガー・マンハイム社の世界的な販売網を活用することで、グローバル市場の開拓が期待された。
そんな中、1980年に提携後初の705形が製品化された。この製品は現在の自動分析装置の技術的基盤を確立したともいえる製品で、トータルの生産台数は3,500台に達し、その内約70%が輸出向けであった。まさにベーリンガーマンハイム社との提携が功を奏した形となり、今日の海外展開の重要な第一歩となった。