当社の前身である日製産業株式会社では1990年ごろから株式会社日立製作所などテレビメーカー向けのフロントプロジェクタ用光学部品の開発、販売を開始した。オブトエレクトロニクス市場の開拓を進めていた中、2001年、韓国A社からLCDリアプロジェクションTV用光学部品の引き合いがあり、これが新市場立ち上げの端緒となった。
当時は、1社で顧客に提案・部品集約するメーカーがなく、当社がレンズとPBS、ミラーのセット販売を提案したところ、受注に成功。ここで当社は将来LCDリアプロジェクションTV市場が拡大することを確信し、標準型のリアプロジェクションTV用LCD光学エンジンを仕入先であるB社とともに企画・開発した。これが韓国のC社などに採用され、2002年より量産がスタートした。
一方、米国のリアプロジェクションTV市場では、2002年後半、従来のCRT方式がデジタル方式のマイクロデバイス(MD)方式に急速に切り替わり始めていた。当社は、既存の1.2"LCDより価格メリットのある0.87"LCDを提案し、A社やCRT方式を採用していた日立製作所などに採用されることとなった。
また、韓国、台湾、米国等に光学専門スタッフを配置し、仕入先や顧客との緊密な連携、トラブル処理等きめ細かい対応を実施。2004年、光学エンジンにおける当社シェアは、トップグループ入りを果たした。
光学部品製造は専門性が高く、光学部品メーカー単独で顧客に総合的な提案をすることは難しい環境で、当社がインテグレーターとして機能することによって、LCDリアプロジェクションTV市場を拡大していくことができた。