液体クロマトグラフ(HPLC) アプリケーション

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食品【期間限定公開25/5末まで】
脂肪酸 | 脂質は人が生きていく上で必要な栄養素の一つで、食品を通してバランスよく摂る必要があります。今回は、大阪ソーダ製エアロゾルベース検出器NQADを接続した日立高速液体クロマトグラフChromasterを用いて、市販の植物油中の脂肪酸(リノール酸とオレイン酸)を測定しました。HPLCで脂肪酸を測定する場合は、ラベル化試薬を用いた誘導体化法やRI検出器で検出する方法が一般的ですが、検出器にNQADを用いることで、脂肪酸を誘導体化の操作なく直接検出することができました。またNQADはRI検出器とは異なりグラジエント分析が可能であるため、様々な分析条件を検討することができます。 |
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ビタミン | ビタミンKはK1、K2、K3、K4などの種類が知られています。本文はGB 5413.10-2010を参考し、カラムに分離されたサンプルを還元カラムで還元した後、Chromasterシステムで乳幼児用食品中のビタミンK1を分析しました。 |
糖 | 味噌は日本の伝統的な食品であり、米、麦、大豆と塩を原料として作られる発酵食品です。味噌は米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌に分類されます。同一種類でも地域性に応じたバラエティがあることも知られています。味噌にはさまざまな味わいがありますが、糖類は甘み以外に着色やテクスチャに影響を与えることが報告されています。今回は市販の米味噌、麦味噌、麦味噌について、5種類の糖類(フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース)の一斉分析を行いました。前処理後のサンプルを親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)で分離した後、RI検出器で検出しました。味噌の種類に応じて糖のプロファイルが得られたので報告します。 |
添加物 | クレンブテロールは食肉に赤身を増やす効果を期待して、飼料に添加する場合がありました。しかし、クレンブテロールは世界中で飼料添加物としての使用が禁止されています。本文はサンプルを逆相クロマトグラフィーで分離した後に、質量検出器(MSD)でクレンブテロールを検出しました。 |
アミノ酸 | Chromaster5610質量検出器は、従来の質量分析計(Mass Spectrometer)とは異なる、LC用の新しいコンセプトの質量検出器です。アミノ酸は食品の味や風味に大きな影響を与えることから、研究開発や品質管理などで頻繁に分析されています。また食品以外にも、健康食品、培養液、化粧品など、測定対象となる試料は多岐にわたります。今回は、アミノ酸17成分をノンラベルのまま直接分離し、Chromaster5610質量検出器で検出した例をご紹介します。 |
環境
上下水 環境水 |
「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)」では、水質中のシアン化物イオンおよび塩化シアンの測定にはイオンクロマトグラフ-ポストカラム法を用いる事が定められています。分析法は、シアン化物イオンと塩化シアンをそれぞれ定量した後、両者を合計してシアン濃度を算出します。基準値はシアンの量として、0.01 mg/L以下と定められています。また測定精度は「基準値の1/10(0.001 mg/L)を変動係数10%以内で測定すること」と定められています。この試験法に準拠して、日立高速液体クロマトグラフChromasterで測定した例を紹介します。標準試料に加え、水道水や超純水に添加した測定例も示します。 |
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水質基準で定められた検査方法に準じて、陰イオン界面活性剤を測定しました。検査方法は告示の別表第24「固相抽出-HPLC法」として、基準値は陰イオン界面活性剤5成分の合計0.2 mg/L(各0.04 mg/L)として定められています。基準値の1/10相当濃度(前処理で250倍濃縮後各成分1 mg/L)の分析例をご紹介いたします。試料によっては前処理で用いられるトルエンが、陰イオン界面活性剤の成分と重なり定量に影響を与えることがありますが、本条件ではトルエンはC12とC13の間に溶出し、陰イオン界面活性剤との分離が可能です。 | |
チウラム(thiuram)は、ジチオカーバメート系の殺菌剤やゴム製造での加硫促進剤として使用されています。「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」(1、2)では、指針値は0.06 mg/Lに設定されており、前処理において固相抽出により100倍濃縮されます。また、「水質汚濁に係る環境基準」(3)の基準値は0.006 mg/Lに設定されており、前処理において溶媒抽出で200倍あるいは固相抽出で500倍濃縮されます。今回超高速液体クロマトグラムでDADを用いて測定しましたのでご紹介いたします。 | |
大気 粉じん |
家の建材や内装等から放散する化学物質で汚染された空気が、人体に様々な健康障害をもたらし、シックハウス症候群として問題となっています。それに伴い日本では、2002年から2003年にかけて文部科学省、国土交通省、厚生労働省で、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質の測定が義務付けられました。また、2009年より、ホルムアルデヒドを製造、また取り扱う作業全般について、作業環境測定管理濃度が定められました。その測定法にはHPLC法が採用されており、大気中のアルデヒド類を2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン(DNPH)含浸した捕集管に捕集し、誘導体化した後、溶媒抽出した試料をHPLCで測定します。今回は8成分アルデヒド-DNPH混合標準液を測定した例をご紹介いたします。 |
アルデヒド類は「シックハウス症候群」の主な原因物質の一つとされ、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)で誘導体化固相吸着/溶媒抽出-高速液体クロマトグラフ法で分析されています(生衛発第1093号,2000.6.30)。室内空気はDNPH含浸カートリッジで捕集されますが、カートリッジから微量の夾雑物が溶出します。ブランクをとることで、多くの場合問題になりませんが、今回はその夾雑物の影響の排除を検討しました。今回の室内空気を捕集した試料において、一般的な逆相カラムLaChromUltra C18を用いた分析では、ホルムアルデヒドのピークに夾雑物のピークが重なります。LaChromUltra C18-AQカラムは夾雑ピークの溶出位置が変化し、ホルムアルデヒドのピークに重なりません。このように夾雑ピークとの分離には分析条件の変更のみでなく、特性が異なるカラムの利用が有効な場合があります。LaChromUltra C18-AQはC18と同じ分析条件で試行できるので、このような目的に適しています。 |
化学・材料【期間限定公開25/6末まで】
高分子 | ポリエチレングリコール(PEG)は、エチレングリコールが重合した高分子化合物で、分子量の異なるPEGが存在しています。PEGの測定は分子量だけでなく分子量分布も確認することが重要となっていますが、UV吸収がありません。そのため今回は、大阪ソーダ製エアロゾルベース検出器NQADを接続した日立高速液体クロマトグラフChromaster PLUSを用いて、分子量の異なるPEG 200、600、1000を測定しました。検出器にはNQADを用い、さらに分離には逆相モードを用いることでPEGを分子量ごとに分離・検出することができました。 |
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ポリ乳酸は乳酸が重合した高分子で、とうもろこし、さとうきびなどの植物を原料にして作られています。ポリ乳酸は通常の環境下では安定ですが、堆肥中などでは微生物により分解されます。分解される際に二酸化炭素を発生しますが、原料の植物は二酸化炭素を吸収してでんぷんを合成しているため、トータルでみると二酸化炭素の発生量が他のプラスチックに比べて少なくなります。このような特長を持つポリ乳酸は、環境に優しいプラスチックとして注目されています。 今回は、ポリ乳酸を原料としたフィルタおよびビニールタイの測定例を紹介いたします。ポリ乳酸は一般的な分子量分布測定に使用されるテトラヒドロフランには溶解しないため、クロロホルムを使用して測定しました。 |
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化粧品 | 太陽光には紫外線が含まれており、皮膚炎症反応やシミ、シワなどの光劣化現象、DNAダメージに関与しています。紫外線から肌を守るために、各種の日焼け止めが販売されており、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等が含まれています。紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルが多く使用されています。メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは紫外線に暴露されることにより、紫外線を吸収する効果が高いトランス体から紫外線線吸収効果の低いシス体への異性化が起こります。高速液体クロマトグラフを使用して、この変化状態を確認するためには、標準試料を準備して検量線を作成し、定性、定量をおこなうことが必要となります。今回、多変量解析ソフトウェアの主成分分析を使用することにより、クロマトグラムパターンから紫外線照射による日焼け止めの変化状態を分類することが可能であることが分かりました。 |
グリチルリチン(グリチルリチン酸)は、生薬として知られる甘草の薬効成分で、抗炎症作用・抗アレルギー作用が期待されます。甘草は薬効だけでなく、甘みのために多くの漢方薬で矯味も期待されて広く用いられるほか、食品や飲料の甘味料としても用いられます。ここではLaChrom C18カラムを使用しUV検出で化粧品に含まれるグリチルリチン酸を分析しました。 | |
ホルムアルデヒドは安価で加工に適した性質を持っていることから、化粧品、建材や家具などの防腐剤や接着剤として使用されていました。しかし、近年、発がん性やシックハウス症候群の原因物質の1つであることが明らかとなり、配合量が規制されるようになりました。化粧品においては、化粧品基準(平成12年9月29日厚生省告示第331号)においてネガティブリストに指定されており、配合は禁止されています。今回は衛生試験法・注解2010に従い、シャンプーとコンディショナー中のホルムアルデヒドをアセチルアセトンポストカラム誘導体化法を用いて分析しました。 |