D-PREX®(Disposition Profile Exploration)とは、肝細胞培養物に細胞間接着を維持した状態で化合物を取り込ませた後、維持した状態と崩壊させた状態の細胞を調製し、その上清画分に含まれる化合物量から排泄評価する技術です。
【特許第6087264号】
新薬開発では依然として承認までの成功確率が低く、その原因としては以下の2点が考えられます。
プロジェクトの成功率を上げるためにはこれらの問題を解決する方法が必要です。
D-PREX® Assay Kit はヒト肝細胞サンドイッチ培養などを用い、in vitro にて肝細胞の細胞間接着の維持と崩壊を制御することにより、薬物およびその代謝物の排泄を評価できるキットです。
これまでの試験法とは異なり、薬物・代謝物の細胞への取込から排泄(胆汁・血中)に至る振り分けを同じサンプルから同時評価することができる試験法です。
D-PREX® Assay Kitでヒト肝細胞を用いてin vitro評価することにより、事前に新薬候補化合物のヒト薬物動態特性を把握できます。もちろん、各種動物由来の肝細胞も適用可能なため、種差評価への応用も可能です。また、胆汁・血中排泄を一括評価できるため、例えば胆汁鬱滞型の薬剤性肝障害(DILI)の評価への応用も期待されます。
細胞間接着の維持と崩壊を制御することにより、薬物・代謝物の細胞への取込から排泄(胆汁・血中)に至る振り分けを同じサンプルで同時評価します。
D-PREX® Assay Kit を用いて、アセトアミノフェン、アセトアミノフェン硫酸抱合体、アセトアミノフェングルクロン酸抱合体の振り分けを評価しました。
総血中排泄 が 胆汁排泄 よりも高いため、アセトアミノフェンおよびその主要代謝物は血中への排出量が高いことが示唆され、尿中排泄され易い傾向をD-PREX®でも評価できました。
また、トランスポーター経由の血中排泄が高いため、アセトアミノフェンおよびその主要代謝物はトランスポーターを介して血中(尿中)に排泄されている可能性が高いということが示唆されました。