ページの本文へ

Hitachi

株式会社 日立ハイテク

新型・走査電子顕微鏡2機種を同時発売

-電界放出形タイプの「S-4800」と大型試料対応タイプの「S-3600N」-

2002年2月18日

株式会社 日立ハイテクノロジーズ(社長:樋口紀昭)は、走査電子顕微鏡(以下SEM)の新製品として、電界放出形電子銃を搭載した高機能・高分解能タイプの「S-4800」と、国内メーカーとしては最大の大型試料室を装備した熱電子銃タイプの「S-3600N」の2機種を2月19日に発売します。

現在、ナノテクノロジーの進展に伴い、半導体デバイスの微細化・高密度化が進み、半導体メーカーからは超微細領域における高精度の評価・分析のニーズが高まっています。また、ライフサイエンスや情報通信、環境などの分野でも、ナノテクノロジーは次世代を支える中核技術として、世界各国で国を挙げて技術開発に取り組んでいます。

このような中、当社のSEMは操作性の高い形状観察・分析機器として、半導体の超微細な評価・分析をはじめ、新素材、バイオ・医療、化学、環境、エネルギー等の研究開発に貢献するなど、最先端技術分野の幅広いニーズに対応してきました。 中でも、2000年8月に発売した高分解能電界放出形SEM「S-5200」は、電子顕微鏡の対物レンズの中に観察試料を挿入する(インレンズ)という当社独自の技術と、極微小領域でのクリーン度および耐震性の向上などにより、世界最高レベルの分解能を実現、国内外の半導体メーカーや研究施設、大学官公庁を中心に好評を博しています。

今回、新たに発売する「S-4800」は、電子光学系の新設計に伴い、セミインレンズ・タイプでありながら、インレンズ並みの高機能・高分解能観察を実現。また、「S-5200」と同様に、低加速反射電子の高効率検出が可能であり、15kVで1.0nm、1kVで2.0nmの高分解能を保証しています。試料ステージは、50mm×50mmのタイプIと110mm×110mm のタイプIIの2機種を用意、従来機を超える大型試料の観察が可能になりました。さらに、両機種ともに、環境にやさしいエコモードを標準装備。販売価格は「S-4800-I」が6,430万円で、「S-4800-II」が7,430万円。「S-4800」の初年度の売上は200台を見込んでいます。

また、「S-3600N」は熱電子銃タイプのSEMで、最大10インチ(254mm)径までの大型試料を搭載できる5軸モーターステージを装備、試料厚さ70mm、重量2kg試料の観察・分析が可能です。さらに、これまで観察・分析が難しかった大型硬質試料や貴重な試料等の場合も、破壊することなく、そのままの状態で試料ステージに装着できるようになりました。高真空モードによる高分解能観察に加えて、水・油分を含んだ試料や絶縁試料の場合も、乾燥や金属コーティングなどの前処理を行なわずに観察・分析できる低真空モードのナチュラルSEM仕様となっています。販売価格は3,340万円。初年度の売上は100台を見込んでいます。

当社は、新機種「S-4800」、「S-3600N」の市場投入により、高分解能ニーズや大型試料・非破壊ニーズに応じたトータル・ソリューションを提供し、「21世紀の産業のコメ」と期待されるナノテクノロジー分野の進歩発展に貢献していきます。

S-4800の主な仕様
主な仕様S-4800
タイプ1タイプ2
2次電子分解能 1.0nm at 15kV
2.0nm at 1kV
加速電圧 0.5~30kV
倍率 x 30~x 800,000
試料ステージ(x,y軸 mm) 50x50110x110
最大試料交換サイズ 100mmφ
150mmφ(オプション)
150mmφ
200mmφ(オプション)
ステージ制御 手動
3/5軸モータ駆動(オプション)
5軸モータ駆動
S-3600の主な仕様
主な仕様S-3600
2次電子分解能 3.0nm(2次電子像、25kV)
4.5nm(反射電子像)
加速電圧 0.5~30kV
倍率 x 12~x 300,000
試料ステージ(x,y軸 mm) 150x110
ステージ制御 5軸モータ駆動
最大試料サイズ 10インチφ
最大試料高さ 70mm
最大試料重量 2kg

お問合せ先

お問い合わせ頂く前に、当社「個人情報保護について」をお読み頂き、記載されている内容に関してご同意いただく必要があります。
当社「個人情報保護について」をよくお読みいただき、ご同意いただける場合のみ、お問い合わせください。

お問い合わせ先
デバイス製造装置事業統括本部 第一事業企画本部
営業技術部 担当:三輪、高垣、平島
TEL:03-3504-5733  FAX:03-3504-5960
E-MAIL:denken@nst.hitachi-hitec.com
人事総務本部 総務部広報課 担当:松尾、木村
TEL:03-3504-5174  FAX:03-3504-7123