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株式会社 日立ハイテク

「連結中期経営計画」を策定

-ナノテクノロジー事業の強化により、利益倍増を図る-

2002年6月18日

株式会社 日立ハイテクノロジーズは、この度、今年度を初年度とし、2004年度を最終年度とする「連結中期経営計画」を策定しました。

日立ハイテクノロジーズは、昨年10月1日、グローバルな営業力を誇る、日立グループの商社「日製産業株式会社」と、世界トップレベルの技術力を有する、株式会社 日立製作所の「計測器グループ、半導体製造装置グループ」との事業統合により誕生しました。

この事業統合に伴い、日立ハイテクノロジーズは、「電子デバイスシステム」や「ライフサイエンス」の事業セグメントにおいては、開発から製造、販売、サービスまでの一体化により、市場変化や顧客ニーズを新技術・新製品の開発にスピーディに直結させると共に、最適なソリューションをタイムリーに提供する体制が整いました。また、一方、主に「情報エレクトロニクス」や「先端産業部材」の事業セグメントにおいては、従来からの商社機能に高度な技術力が加わることにより、セールスエンジニアリング力が大きく向上しました。このように、「商社機能」と「製造機能」が有機的に結合した日立ハイテクノロジーズは、世界でもユニークな体制のハイテクノロジー企業であり、日立グループの最先端技術分野を担う中核企業です。

当社は、「市場に直結した経営の推進」を実践・強化するために、日立グループの製造機能を持つ企業としては初めて「営業プロフィット制度」を取り入れました。この制度は、マーケットに最も近い営業部門に損益責任を持たせることにより、マーケットのニーズに基づく新技術・新製品開発をスピーディに実現することを目的としています。

この連結中期経営計画は、今後、日立ハイテクノロジーズグループが、半導体製造装置をはじめとする最先端のナノテクノロジー分野で世界のトップ企業となるためのアクションプランです。そして、最終年度の2004年度には、売上高1兆円、経常利益300億円、当期利益150億円、ROE8.7%を目指します。

1. 中期経営計画の数値目標

売上高・経常利益・当期利益・ROE

<売上高・経常利益・当期利益・ROE>
01年度02年度03年度04年度年率
売上高(億円)7,6067,8708,80010,00010
経常利益(億円)16110620030023
当期利益(億円)875610015020
ROE(%)-3.66.28.7-

事業セグメント別の売上高・営業利益

 
<事業セグメント別の売上高>
売上高(億円)
01年度02年度03年度04年度年率(%)
電子デバイスシステム 1,4341,5121,7622,00012
ライフサイエンス 8398678861,0006
情報エレクトロニクス 2,8282,9683,3874,00012
先端産業部材 2,5052,5232,7653,0006
合計 7,6067,8708,80010,00010
<事業セグメント別の営業利益>
 営業利益(億円)
01年度02年度03年度04年度年率(%)
電子デバイスシステム 67198613727
ライフサイエンス 504348626
情報エレクトロニクス 2934507336
先端産業部材 3121930115
合計 14910820330227
  • * 01年度は4月から事業統合を行なっていた場合の試算値

2. 目標達成のための戦略

(1)セグメント別の事業戦略

1)「電子デバイスシステム」事業

「電子デバイスシステム」事業セグメントにおいては、「主力製品のシェアアップ」と「新製品開発の推進」により、売上高は2001年度の1,400億円から2004年度の2,000億円へと増大を図ります。

まず、「主力製品のシェアアップ」については、現在、当事業セグメントの主力製品として、「製造システム」(電子線描画装置、エッチング装置、露光装置など)、「検査評価システム」(測長SEM、外観検査装置など)、「ナノテク製品」(FE-SEM、汎用SEM、TEM、FIBなど)、「液晶関連」(デスペンサーなど)があり、重点顧客との共同開発推進・半導体メーカーの合従連衡への対応・米国内大型顧客の早期開拓など、重点顧客・重点市場にフォーカスすることにより、シェアアップを図ります。特に、収益性の高い測長SEM、および光学式外観検査装置の拡販を図ります。

また、「新製品開発の推進」については、具体的には、次世代の高速・高電圧デバイス用ウェーハ、SOI(シリコン・オン・インシュレーター)向けのSIMOX(SOI用イオン打込装置)に注力することなどにより、当事業セグメントにおける新規開発品の売上高比率を2001年度の8%から2004年度には42%へと引き上げます。

さらに、営業と製造の有機的結合によるスピーディな製品開発や、「製造・販売・サービス」の一貫体制の構築に伴う経営効率の向上、並びにプロセス装置と検査解析システムを統合した歩留りソリューションの提供などにより、コア・コンピタンス強化とシステム構築を図り、シナジー効果の早期創出に努めます。

2)「ライフサイエンス」事業

「ライフサイエンス」事業セグメントにおいては、「コア事業の強化」と「成長分野の開拓」によって業容拡大を図り、売上高は2001年度の800億円から2004年度の1,000億円へと拡大する計画です。

具体的な戦略としては、まず「バイオ関連製品」では、汎用分析機器の中国生産移管による競争力の強化、DNAシーケンサの製品ラインアップの拡充、およびプロテオーム関連新製品の投入によるビジネス拡大に注力します。特に、ゲノム・プロテオーム分野において、遺伝子多型(SNP)解析ビジネスへの展開、質量分析計の新製品投入によるプロテオームビジネスの立上げ、産・学共同開発による糖鎖関連事業の推進を図ります。

また、「医用システム」では、生化学・免疫統合型モジュラー装置のラインアップ拡充、試薬ビジネスの立上げに注力します。特に、検体検査装置事業において、モジュラー・シリーズの展開によるシェア向上を図ります。

3)「情報エレクトロニクス」事業

「情報エレクトロニクス」事業セグメントにおいては、「半導体・情報家電機器の伸長」により、大幅な業容拡大を図ります。その結果、売上高は2001年度の2,800億円から2004年度の4,000億円へと拡大する計画です。

具体的な戦略としては、まず「半導体」では、重点顧客への提案営業・密着営業を強化し、顧客のコアビジネスである無線通信、情報家電、産業機器、カーエレクトロニクス分野での取引の拡大を図ります。中でも、今後、飛躍的に市場が拡大するICカード市場に対しては、ギーゼッケ・アンド・デブリエント社(独)との提携を軸に、欧州地域での拡販を図ります。

次に、「情報家電機器」では、これまで30年近い取引実績を有するシアーズ社との連携を強化し、プロジェクションTVやDVDなどデジタルメディア分野の新製品を積極的に投入します。また、携帯電話や各種情報端末・通信用機器の市場開発を行うなど、情報・通信分野の製品拡販にも取り組みます。

さらに、「ITソリューション」や、チップマウンタおよび有機EL製造装置などの「各種組立・製造装置」においては、セールスエンジニアリング力やグローバルなネットワークを活かすことにより、ビジネスの拡大を図ります。

4)「先端産業部材」事業

「先端産業部材」事業セグメントにおいては、「成長分野でのグローバル事業展開の推進」によって業容拡大を図り、売上高は2001年度の2,500億円から2004年度の3,000億円へと拡大する計画です。

具体的な戦略としては、まず「光通信関連事業」では、従来主力の幹線系市場向け光通信用部品に加え、成長著しいメトロ・アクセス系市場向け光スイッチなど競争力ある新製品の開発、および複合製品や業界標準品の開発・拡販を進めます。

また、「シリコンウェーハ事業」では、デバイスメーカーの量産開始にタイムリーに対応することにより、2002年度中に、300mmウェーハのマーケットシェア7%獲得を目指すと共に、高周波デバイスや、ブルートゥースに代表されるワイヤレスLANデバイスに使用されるSOIウェーハの拡販に努めます。

さらに、「海外アライアンス事業」では、中国、ASEAN地域のEMS企業とのアライアンスを実施することにより、サプライ・チェーン・マネジメントの一環としての材料供給というビジネスモデルを確立し、日本からの委託生産の急拡大に対応します。

(2)各セグメントに共通する戦略

1)「事業投資の推進」

「新市場」「新製品」への取組みを強化し、各セグメントにおいて事業開発を積極的に推進することにより、2004年度には全受注高に占める開発比率を50%とします。開発の主要テーマとしては、「電子デバイスシステム」部門では、次世代検査評価装置やエッチング装置、「ライフサイエンス」部門では、プロテオーム解析装置や試薬ビジネス、「情報エレクトロニクス」部門では、電子デバイス業界向けソリューションや複合電子部品製造装置、「先端産業部材」では、光通信メトロ・アクセス市場向け製品や海外加工企業への委託生産仲介、などがあります。

また、事業開発を推進するために、研究開発・設備投資を継続的かつ積極的に行い、具体的には、2004年度の研究開発費は製造事業売上高比で8%の166億円を予定しています。中でも、電子線描画装置やエッチング装置、検査評価システムなどの次世代デバイス製造装置の開発と、ゲノム・プロテオーム分野向け新製品、次世代検体検査装置などのライフサイエンス関連機器の開発に注力します。また、設備投資は、デモセンタの拡充や、次世代製品に対応した生産設備への投資を行い、具体的には、2004年度81億円を実施する予定です。

さらに、「新市場」「新製品」の開発を促進するために、戦略的事業提携(アライアンス)も積極的に推進・強化します。具体的には、「電子デバイスシステム」部門では「トータルソリューションの提供」を目指した提携を進め、新製品のスピーディな市場投入を図ります。「ライフサイエンス」部門では「ゲノム・プロテオーム分野の強化」に向けて、技術優位性のある海外企業とのアライアンスを継続・強化します。「先端産業部材」部門では「海外EMS企業への生産委託仲介の推進」を目指した提携を積極的に行います。

2)「製品競争力の強化」

グローバルスタンダードとなっている統合業務パッケージソフトウェア、SAP R/3システムを導入することにより、新経営基幹システムを確立します。受注から生産までの徹底した情報共有化、および調達・製造リードタイムの短縮による生産ラインの全体最適化を図り、コスト競争力を強化します。

さらに、部品・材料の共通化、重点取引先との戦略的共同VECの推進、ならびに中国生産の拡大による新調達システムを構築するなど、新調達戦略(PRP)によって変動費を低減(PRPによる改善効果:57億円)し、製品競争力の強化を図ります。

3)「連結経営の強化」

2004年度の連単倍率は、売上高で1.46倍、営業利益で1.85倍であり、特に利益面で関連会社の重要性が高くなっています。特に、「電子デバイスシステム」部門や「ライフサイエンス」部門の製品の保守サービスを行なっている日立計測器サービスや、この4月に事業統合を行なったアメリカ日立ハイテクノロジーズなどの高収益な連結子会社が業績に貢献しており、今後も収益の拡大に努めます。そして、日立ハイテクノロジーズグループの総合力を強化することにより、スピーディな事業拡大と、ソリューション提案力の強化を図ります。

以上

  • * 前掲の業績目標値は、当社が現時点で合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績では異なることもありえます。なお、その要因のうち、主なものは次の通りです。
    • ・主要市場(特に日本、米国、欧州およびアジア)における経済状況および貿易などの各種規制
    • ・急激な技術変化(特にエレクトロニクス関係)
    • ・市場における製品需給の変動(特にエレクトロニクス関係)
    • ・為替相場の大幅な変動(特に米ドル対円相場)・日本の株式相場の大幅な変動
    • ・製品開発などにおける他社との提携関係

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