EZChrom Eliteを採用し、本格的なクライアント&サーバーシステム環境も提供
2003年9月8日
株式会社 日立ハイテクノロジーズ
株式会社 日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテクノロジーズ)は、放射線源を用いずに従来と同等(当社比)の高感度(*1)検出を実現した「非放射線式電子捕獲検出器(Nr-ECD)」(*2)、並びに水素炎を用いずに従来の水素炎イオン化検出器(FID)と同等(当社比)の感度(*3)を実現した「非水素炎有機物検出器(NFOD) 」(*4)を搭載可能な新形ガスクロマトグラフ「G-6000形」を9月8日に発売します。
G-6000形ガスクロマトグラフは検出器部分に、当社独自開発の「非放射線式電子捕獲検出器(Nr-ECD)」を搭載することにより、放射線源を用いずに試料に含まれる有機塩素系農薬など親電子性化合物の高感度な分析を可能にしました。
従来から、試料に含まれる親電子性化合物を分析するには、イオン化源として放射性物質である63Niを線源とした電子捕獲検出器(ECD)(*5)を用いなければならず、放射線管理上から、文部科学省への届出、放射線管理者等の選任、設置場所の限定などが義務付けられていました。
今回、開発された「非放射線式電子捕獲検出器(Nr-ECD)」は放電により発光する紫外線のエネルギーを利用してドーパントガスをイオン化し、ベースとなるイオン電流を得ます。有機塩素系農薬などの電子捕獲物質が検出器に入ると電子を捕獲し、ベース電流が減少します。このイオン電流の変化を測定することに成功し放射線源が不要となりました。
「非放射線式電子捕獲検出器(Nr-ECD)」を搭載したG-6000形ガスクロマトグラフは、有機塩素系農薬の高感度分析に放射線源を用いる必要が無く、従来のECD検出器を搭載したガスクロマトグラフと比較すると、文部科学省への届出、放射線管理者等の選任、設置場所の限定などの制限が取り払われるため、遥かに簡便に使用できるようになります。有機塩素系農薬など親電子性化合物に対して有効なことから、私たちの暮らしに密着した、食品の残留農薬、環境汚染、などの分野に大いに威力を発揮します。
また、G-6000形ガスクロマトグラフは検出器部分に、当社独自開発の「非水素炎有機物検出器(NFOD)」を搭載することにより、水素炎を用いずに試料に含まれる有機物などの高感度な分析を可能にしました。
従来から、試料に含まれる有機物を分析するには、試料中の有機物をイオン化することが必要で、そのために水素炎を利用した水素炎イオン化検出器(FID)(*6)を用いなければならず、水素ガスの危険な性質上、安全対策として、設置場所や使用条件(時間、有人など)の限定が必要です。
今回、新開発された「非水素炎有機物検出器(NFOD)」では放電ガス中で放電させることにより発光する紫外線によって試料中の有機物のイオン化に成功し水素炎が不要となりました。
「非水素炎有機物検出器(NFOD)」を搭載したG-6000形ガスクロマトグラフは、有機物の高感度分析に水素炎を用いる必要が無く、従来のFID検出器を搭載したガスクロマトグラフと比較すると、設置場所や使用条件(時間、有人など)の制限が緩和されるため遥かに簡便に使用できるようになります。有機物の高感度分析に有効なことから、世の中のエネルギーや多くの新素材を支えている、石油化学工業や製薬、他多くの分析分野でおおいに威力を発揮します。
さらに、「EZChrom Eliteクライアント/サーバーシステム」(*7)により、G-6000形をコントロールすることのみならず、多数のG-6000のデータを一括管理することが可能になりました。今回新開発の新形検出器をはじめ、従来から使用されていた検出器まで、各種の検出器を搭載したG-6000のデータ管理が一元化され、試験、研究開発、製品管理等を大いに支援します。なお、製造は日立ハイテクノロジーズのグループ会社、株式会社日立サイエンスシステムズが行ないます。
日立ハイテクノロジーズでは、これらの複雑かつ多様化した高度の分析技術に応えるガスクロマトグラフとして、放射線源を用いない新しい「非放射線式電子捕獲検出器(Nr-ECD)」や、可燃性ガス(水素)を用いない「非水素炎有機物検出器(NFOD)」、「クライアント&サーバーシステム」など数々の新技術をラインアップしてお応えします。
本製品を環境分析や食品分析、石油化学工業などの分野に拡販を図り、2003年度に100台の出荷を目指しています。
放射線源 63Niを使わないから資格も届出も要らないNr-ECDを新発売しました。従来ECDは環境分析や食品の残留農薬の分析に欠かせない検出器ですが、従来のECDは放射線を使うため、放射線管理上その使用には届出や管理が不可欠でした。新しいNr-ECDは放射線を使用していないので、放射線取扱主任者も管理者も要りません。表示付ECDで必要だった、5年毎の機構確認も不要です。
FIDは最も一般的な検出器でありながら、可燃性の水素ガスを使うため、場合によっては制限がありました。その代わりに、新たにNFODをラインアップしました。水素を使わないので安心です。 FIDは一般有機物に対してのみ感度の有る最も一般的な検出器ですが、検出器ガスに可燃性の水素を使用しています。通常は危険では有りませんが、大量の溶媒などにより炎が消えてしまうと、この水素が室内に流出してしまいます。そのため無人になる終夜運転などには安心して使えませんでした。新開発のNFODは可燃性のガスも炎も使わず、FIDと同等の検出特性をもっていますので、従来のFIDに代えて、安心して分析ができるようになります。
面倒だったキャリヤーガス・検出器ガスの設定が、誰でも簡単に、かつ正確にでき分析効率が大幅にアップ。G-6000形の操作パネルからテンキーで、またはEZChrom Eliteのキーボードやマウスから誰でも簡単に設定できます。また数値設定なので、今までのように個人差が出たり、設定したときによって微妙に設定値に差が出るということがなくなります。注入口用DFCは、圧力モード・流量モード・線速度モードの三つのモードでのプログラムが可能です。
カラムオーブンの昇温速度・冷却速度は2倍(当社従来比)になりました。分析時間が大幅に短縮され、結果として分析効率アップ+省エネルギー+省資源となります。
データステーションには、「EZChrom Elite」を採用し、G-6000形とPCの間の接続はインテグレータモード(データ収集のみ)でもマネージャモード(データ収集+コントロール)でも「EZChrom Elite」に付属のケーブル1本のみです。「WindowsR2000」のドメイン状況下においてユーザーの一括管理が可能なクライアント&サーバーシステムをご提供いたします。また、FDAのPart11へも容易に対応できます。(PC、EZChrom Eliteはオプションです。)
ガスクロマトグラフ「G-6000形」
210万円~
平成15年11月出荷
方式 | 強制循環式空気恒温槽(幅250×奥行き160×高さ250mm) |
---|---|
温度範囲 | 室温+5℃(注入口、検出器300℃のとき)~450℃ |
冷却降下時間 | 450→50℃まで6分以内(室温20℃) ただしシングルFlD、注入口およびFlDは450℃の設定 |
段数 | 最大5段 |
---|---|
温度設定 | -50~450℃(1℃ごと) |
プログラム時間設定 | 650分(全ステップトータル) |
昇温率設定 | 0~99.9℃/min(0.1℃/minごと) |
温度設定範囲 | 室温~450℃ |
---|---|
過熱防止装置 | 約470℃でヒータ0FF |
キャリヤーガス制御モード | 3モード(カラム入口圧力、カラム流量、カラム線速度) |
---|---|
流量範囲 | 30~500ml/min |
圧力範囲 | ~690kPa |
検出器対応範囲 | FID/FPD/ECD/TCD |
搭載可能検出器 | FID、TCD、ECD、FPD、PID、NFOD、Nr-ECD 上記の内、FIDおよび検出器一個 計2個同時搭載可能 |
使用環境 | 温度15~32℃、湿度45~85% |
---|---|
外形寸法 | 約560x520×445 |
所要電源 | AC100±10V 23A(50/60Hz) |
質量 | 約50kg(DSL-F仕様の場合) |
日立ガスクロマトグラフG-6000製品紹介ページへ
お問い合わせ頂く前に、当社「個人情報保護について」をお読み頂き、記載されている内容に関してご同意いただく必要があります。
当社「個人情報保護について」をよくお読みいただき、ご同意いただける場合のみ、お問い合わせください。