元素分析機能を一体化、省スペースと操作性向上を実現
2005年7月27日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、走査電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線元素分析装置(EDX)(*1)をインテグレートしたSEM+EDXインテグレーションシステム「S-3400NX」を開発し、8月31日より発売します。本体標準価格は4,500万円。
走査電子顕微鏡は物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野を始め、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理など多方面でその有用性が認められ活用されています。また、その応用として微小領域の元素分析を行うエネルギー分散型X線元素分析装置の走査電子顕微鏡への装着も一般化しています。
今回開発した「S-3400NX」は、2004年7月28日の発売開始から100台以上の受注を達成し好評いただいている走査電子顕微鏡「S-3400N」をベースに、SEMとEDXをハードウエア・ソフトウエアともにインテグレートしたものです。この一体化により、床面積において26%の削減(当社比)を図り、大幅な省スペース化を実現しています。
また、操作性の向上において重要となるソフトウエアでは、新開発の自動プローブ電流設定機能を搭載。従来、最適な特性X線のカウント数を設定するためにオペレータが行っていたSEMのプローブ電流の調整を自動化したことを始め、分析手順を画面上からアシストするフローチャート式ナビゲータウインドウや分析条件を簡便に一括で設定できるクイックセット機能等を搭載し、より一層使い勝手を向上しています。試料ステージは、5軸モータドライブの大型試料ステージを標準装備し、最大80mm厚試料の観察・EDX分析を可能としています。排気系では、ターボ分子ポンプ(TMP)を標準装備し、従来搭載していた油拡散ポンプに比べ、SEMの立ち上げ時間を4分ノ1に短縮し(*2)、スループットの大幅な改善を実現しています。
日立ハイテクノロジーズは、8月31日から開催される「2005分析展」(於:幕張メッセ)に「S-3400NX」の実機を展示する予定です。出荷開始は2005年10月の予定で、年間80台の販売を見込んでいます。
二次電子像分解能 | (高加速電圧30kV):3.0nm (低加速電圧 3kV):10nm |
---|---|
反射電子像分解能(低真空6Pa) | 4.0nm |
加速電圧 | 0.3~30kV |
倍率 | 5~30万倍 |
試料ステージ(X、Y軸) | 100×50mm |
最大搭載可能試料サイズ | 200mm径 |
最大試料厚さ(WD=10mm) | ステージ制御 80mm(5軸モーター駆動) |
エネルギー分解能 | 133eV以下 |
---|---|
検出可能元素範囲 | B~U |
液体窒素デュワ容量 | 7.5L |
走査電子顕微鏡「S-3400NX」
走査電子顕微鏡「S-3400NX」の製品詳細情報
お問い合わせ頂く前に、当社「個人情報保護について」をお読み頂き、記載されている内容に関してご同意いただく必要があります。
当社「個人情報保護について」をよくお読みいただき、ご同意いただける場合のみ、お問い合わせください。