クラス最高レベルの高感度(S/N)と高速スキャンを実現
2005年11月15日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、高感度・多機能分析を可能にした分光蛍光光度計「F-7000」を開発し、11月17日より販売を開始します。価格は430万円(PCを含む)。
本製品は、当社従来比3分の2のコンパクトな外観で、クラス最高レベルの高感度(S/N 800:RMS)と超高速の波長スキャン(60,000nm/min)など数多くの新機能を実現しています。これにより、有機ELや液晶などの工業材料分野、不正軽油(クマリン)分析などの環境分野、蛍光試薬の合成や開発などの製薬分野、FRET・BRET(*1)、細胞内カルシウム濃度測定などのバイオ分野など極めて広い分野において、新しい蛍光分析の可能性が広がります。
分光蛍光光度計とは、外から光を照射することによって発光する性質をもっている物質(蛍光物質)を対象とし、照射した光が吸収される量(強度)や発光する光の量(強度)、それらの時間変化特性などを測定する装置です。吸収量と発光量の比や時間変化特性がすでに分かっている蛍光物質を用いて、環境・生体内での追跡や、生体物質・化学物質の反応速度の測定などに利用されるほか、まったく新しい蛍光物質の開発などに利用されています
今回開発した「F-7000」は、ルーリングエンジン(*2)を用いた当社独自の機械刻線による収差補正凹面回折格子を使用し、新規設計の明るい光学系により信号量が飛躍的に増大しました。これにより、当社従来比2.5倍の高感度化を達成し、クラス最高レベルの高感度S/N 800(RMS)(S/N 250 Peak to Peak)を実現しています。
また、高トルクモータの採用などによる波長駆動系の最適化を行い、波長スキャン速度でクラス最高レベルの60,000nm/minを実現しました。これは、従来機の2倍にあたり、未知試料の分析に有効な3次元蛍光スペクトルの測定が一層短時間で可能になりました。
これらの機能を、従来機の体積比約3分の2、質量(重量)30%減のコンパクトなボディーに集約しました。コンパクトなボディーながら試料室スペースを大きくし、使いやすさを追求しています。そのほか、装置の小型化と軽量化による使用材料削減や輸送材料、燃料削減など環境負荷を低減した環境適合設計を行っております。また、新たな機能として、3次元時間変化測定、ストップドフロー対応モード、りん光寿命測定時間範囲の拡大、ホトマル電圧連続可変、時間変化測定の設定時間拡大などの機能を追加し、ユーザーからの多様な分析要求に対応することが可能となりました。
日立ハイテクは、分光蛍光光度計の分野で、国内市場の約30%を占めるトップメーカーです。今回、ニーズに応えた高性能で使いやすい装置「F-7000」を発売することにより、国内シェアの40%以上獲得を目指すとともに、世界市場におけるシェアを3年後に15%以上(現在約9%)にする計画です。
「F-7000」は、11月17日(木)に国内の発売を開始し、12月6日(火)から福岡で開催される「分子生物学会」においても実機を出展する予定です。
分光蛍光光度計「F-7000」
(光度計本体:620(W)×520(D)×300(H)mm、41kg)
分光蛍光光度計「F-7000」の製品詳細情報
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