-300mm径の大型試料の搭載を実現-
2006年6月1日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、大型試料室/大型試料ステージの新開発により、最大300mm径試料の搭載を可能にした新形の走査電子顕微鏡(SEM)「S-3700N形」を6月1日より発売します。
走査電子顕微鏡は物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野をはじめ、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理など、多方面でその有用性が認められ、活用されています。特に、電子デバイスの実装部品に代表される絶縁物や、再生医療で注目される各種培養細胞などの含水試料を前処理不要で観察できる低真空観察法(6~270Pa)を採用した、日立Natural SEM(以下、N-SEM)シリーズは、世界中のお客様にご利用、ご好評をいただいております。
今回開発した「S-3700N形」は、熱電子銃形N-SEMの新シリーズとして、大型試料室/試料ステージの新設計により、最大300mm径の試料を搭載可能とし、さらに分析装置(EDX(*1)、WDX(*2)、EBSP(*3))の同時搭載が可能な上、分析位置で最適なジオメトリを確保しています。試料ステージは、最大203mm径のワイドレンジ観察、さらに最大110mm厚試料の観察・EDX/WDX分析を可能としました。
また、電子光学系、操作機能では、2004年7月の発売以来、受注実績約300台の「S-3400N」の機能を踏襲。「S-3400N」と同様に多彩な画像情報を取得でき、観察試料の多角的な評価が可能となります。排気系では、ターボ分子ポンプ(TMP)を標準装備し、従来搭載していた油拡散ポンプに比べ、省電力(約34%削減)・省スペース(約27%削減)化を実現しています(*4)。
本体標準価格は3,400万円。出荷開始は2006年9月の予定で、年間100台の販売を見込んでいます。日立ハイテクは、6月27日から英国ロンドンで開催される「Microscience 2006」、7月30日から米国シカゴで開催される「M&M 2006」(Microscopy and Microanalysis 2006)、8月30日から幕張メッセで開催される「2006分析展」に実機を展示する予定です。
二次電子像分解能 | 3.0nm(高加速電圧30kV | |
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10nm (低加速電圧3kV | ||
反射電子像分解能 | 4.0nm (低真空6Pa | |
加速電圧 | 0.3~30kV | |
倍率 | ×5~×300,000 | |
試料ステージ (5軸モータドライブ) | X | 0~150mm |
Y | 0~110mm | |
Z | 5~65mm | |
T | -20°~90° | |
R | 360° | |
最大搭載可能試料サイズ | 300mm径 | |
最大観察可能範囲 | 203mm径(R併用) | |
最大試料厚さ | 110mm(WD=10mm) | |
電源 | 単相AC 100V、2kVA |
走査電子顕微鏡「S-3700N形」
日立走査電子顕微鏡「S-3700N」の製品詳細情報
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