2006年6月1日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、超高分解能観察と各種分析装置の組み合わせを両立させた新しいコンセプトの走査電子顕微鏡(SEM)「SU-70形」を開発し、6月1日より発売します。
走査電子顕微鏡は物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野をはじめ、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理など、多方面でその有用性が認められ、活用されています。最近では、特に超高分解能観察と多種多様な分析を1台の装置で行いたいといった要望が増えてきています。
今回開発した「SU-70形」は、超高分解能観察として定評があるセミインレンズ技術に新開発の光学レンズ系(フィールドフリーモード)を追加し、ショットキー電子銃と新開発の分析対応試料室を組み合わせた新しいコンセプトの走査電子顕微鏡です。
超高分解能(1.0nm/15kV、1.6nm/1kV(*))だけでなく、好評のSuper ExB機能(二次電子と反射電子の信号制御)とリターディング機能(*)も搭載でき、チャージアップ抑制像や組成コントラスト像、また極低加速電圧(100Ⅴ)(*)による観察も可能にしました。ショットキー電子銃により、100nAのプローブ電流が容易に得られるため、多種多様な分析(EDX(*1)、WDX(*2)、EBSP(*3)、CL(*4))にも対応できます。
また、新たに設計した分析対応試料室には、各種検出器(EDX、WDX、EBSP、CL、STEM(*5)、BSE(*6))やクライオステージ等の取り付けが可能です。特にこれまでセミインレンズ方式では漏れ磁場の影響により困難であったEBSP分析も、新しい光学系(フィールドフリーモード)により、高分解能観察とEBSP分析の両立を実現しました。
本体標準価格は、7,980万円。出荷開始は2006年9月の予定で、年間80台の販売を見込んでいます。日立ハイテクは、7月30日から米国シカゴにて開催される「M&M 2006」(Microscopy and Microanalysis 2006)に実機を展示する予定です。
二次電子分解能 | 1.0nm(加速電圧15kV) |
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1.6nm(加速電圧1kV)(オプション) | |
倍率 | ×25~×800,000 |
プローブ電流 | 1pA~100nA |
試料ステージ(5軸モータドライブ) | 10:0~110mm Y:0~110mm Z:1.5~40mm T:-5°~70° R:360° |
最大搭載可能試料サイズ | 150mm径(標準) 200mm径(オプション) |
電源 | 単相AC 100V 、4kVA |
搭載可能付属装置(オプション) | EDX、WDX、EBSP、CL、STEM、BSE、クライオステージ等 |
超高分解能分析走査電子顕微鏡「SU-70形」
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