疾患関連マーカー探索市場に新しい解析ツールを提供
2006年7月21日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:林 將章/以下、日立ハイテク)は、米国シーケノム社(カリフォルニア州、SEQUENOM,INC.)が開発したDNAメチル化解析システム「MassARRAY® EpiTYPER™」(マスアレイ・エピタイパー)をこのたび販売開始しました。
ヒトゲノム・プロジェクト以降、生命科学の研究はゲノム構造・機能解析、タンパク質解析、ゲノム創薬、遺伝子医療などポストゲノム時代の研究に突入しています。その中でも、エピジェネティクス(*1)は塩基配列によらない遺伝子の発現に影響を与える現象として、近年特に注目が高まっています。
その主な分子機構の一つ「DNAメチル化(*2)」は、遺伝子発現の不活性化メカニズムとして知られ、癌化との関わりだけでなく、生活習慣病などさまざまな疾患にも深く関与することが示唆されています。また、遺伝子の発現制御に深く関わるため、新しい疾患関連マーカーとしての有効性が高く期待されています。
さらに、近年DNAマイクロアレイ等によるゲノム網羅的な遺伝子発現解析が行われており、その膨大な解析データを精査する方法として、DNAメチル化解析が非常に注目されています。このため遺伝子発現解析により見つかった、数10~数100遺伝子のDNAメチル化を詳細に解析する技術が必要とされています。
日立ハイテクは、このような新しいDNAメチル化解析の研究ニーズに応えるため、DNA解析装置「MassARRAY®」と新たに開発した解析ソフト「EpiTYPER™」を組み合わせたDNAメチル化解析システム「MassARRAY® EpiTYPER™」を発売しました。
本システムは、塩基特異的切断反応(*3)と飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)を組み合わせた定量的DNAメチル化解析システムで、高精度、高感度、ハイスループットを実現しています。クローニングの手間なく、200~600bp内の個々のCpGサイトのメチル化比率を定量でき、メチル化プロファイルの作成に適しています。専用ソフトウエアによる自動解析のため、サンプル間での結果比較なども簡単にでき、疾患関連マーカー探索を強力にサポートします。
シーケノム社は、1994年に大規模SNP解析システムの提供を目指し設立されました。独自の前処理反応系と飛行時間型質量分析計を活用した方法により、高品質なデータをBroad Institute、オックスフォード大学、バッファロー大学、国内の研究機関など国内外の主要な研究機関に提供しています。
当社は、シーケノム社から「MassARRAY® 」および関連試薬の日本での独占的販売権を獲得し、2000年12月より国内のゲノミクス市場に向け「MassARRAY®」の販売を行っています。さらにプロテオミクス市場には、液体クロマトグラフ質量分析計「NanoFrontier(ナノフロンティア)」を提供するなど、ゲノムからプロテオミクスまで幅広く疾患関連マーカー探索の最先端の研究ニーズに応えています。
日立ハイテクは、今回発売を開始した「MassARRAY® EpiTYPER™」について、大規模なメチル化解析を行っている研究機関、大学および製薬企業を中心に、2006年度に5台の販売を見込んでいます。
DNAメチル化解析システム
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